デロイト トーマツ コンサルティングは、戦略から業務改革、テクノロジーまでを扱う総合コンサルティングファームです。その中で、経営戦略を専門に担う組織がMonitor Deloitte(モニター デロイト)です。

Monitor Deloitteは、戦略ファームのMonitor Groupを前身としながら、現在はデロイトの幅広い専門組織と一緒に仕事をしています。全社戦略や成長戦略だけでなく、M&A、組織変革、イノベーション、サステナビリティなどを扱い、戦略を実行へつなげるところまで関わります。

この記事では、Monitor Deloitteの成り立ちと組織、仕事内容、強み、年収、働き方を整理し、中途採用の選考と対策まで解説します。

Monitor Deloitteとは?デロイトの戦略コンサルティング部門

Monitor Deloitteの前身であるMonitor Groupは、1983年に米国で設立された戦略コンサルティングファームです。競争戦略の研究で知られるマイケル・ポーター教授らが創業に関わり、企業や政府の戦略を支援してきました。2013年にデロイトへ加わり、Monitor Deloitteのブランドになりました。

日本ではデロイト トーマツ コンサルティング合同会社の戦略部門として活動しています。独立した法人ではないため、採用はデロイト トーマツ コンサルティングの経験者採用の中で行われます。

項目 内容
ブランド Monitor Deloitte
前身 Monitor Group
日本での所属 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
主な仕事 全社戦略、成長戦略、事業設計、M&A、組織変革、イノベーション
特徴 戦略部門とデロイトの業界・業務・テクノロジー専門家の連携

出典:Monitor Deloitte

デロイトの中での役割

デロイトには、業界別のチーム、業務改革、組織人事、テクノロジー、リスク、M&Aなど多くの専門組織があります。Monitor Deloitteはその中で、経営陣が決めるべき方向を考える役割を担います。

たとえば、製造業の新しい事業を検討する場合、Monitor Deloitteが市場と競争の構造を分析し、参入する事業と収益モデルを設計します。その後、デロイトの業務・テクノロジーチームが新しい仕事の流れとシステムを作り、必要に応じてM&Aや組織人事の専門家が加わります。

実際には案件ごとに担当範囲が違い、Monitor Deloitte自身が実行計画や変革の管理まで担うこともあります。戦略だけで終わらず、実行の難しさを踏まえて答えを作る組織です。

Monitor Deloitteの主な仕事内容

全社戦略と事業ポートフォリオ

企業全体の成長の方向を決め、限られた資金と人材をどの事業へ配分するかを考えます。複数の事業を持つ会社では、成長率や収益性だけでなく、各事業が持つ技術、顧客、販売網のつながりまで見て、残す事業と見直す事業を決めます。

経営計画を作る仕事もありますが、数字を並べるだけではありません。計画を実現するために、どの事業へいつ投資するか、どの能力を社内で育て、どこを提携や買収で補うかまで具体化します。

成長戦略とビジネスデザイン

既存事業を伸ばす方法や、新規事業の作り方を考える領域です。顧客の課題、市場規模、競合の動き、自社の強みを分析し、提供する価値と収益の仕組みを設計します。

Monitor Deloitteでは、戦略の答えを文章だけで示すのではなく、顧客体験、業務、データ、テクノロジーまでつなげて事業を設計します。新しいサービスであれば、顧客への調査、試作品、実証を通じて仮説を確かめ、投資の判断へ進めます。

M&A戦略と企業再編

買収を成長戦略の中にどう位置づけるか、どの企業を対象にするか、買収後にどう価値を高めるかを考えます。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーなどの専門家と連携し、戦略から取引、PMIまでつなげる案件があります。

Monitor Deloitteが中心になるのは、取引の計算だけではなく、M&Aを通じてどんな事業を作るかという経営の論点です。買収候補の市場性、競争力、既存事業との相乗効果を見て、経営陣の判断材料を作ります。

イノベーションと新しい事業モデル

技術や社会の変化を見ながら、将来の事業を作る仕事です。AI、脱炭素、モビリティ、ヘルスケアなど、業界の境目を越えるテーマを扱います。

新しい市場には信頼できる統計が少なく、過去の成功例もそのまま使えません。顧客や専門家への聞き取り、小さな実証、海外事例の分析を組み合わせて仮説を更新します。不確実な状況で経営判断を前へ進めることが、コンサルタントの役割です。

組織・オペレーティングモデルの変革

戦略を実行するために、組織、権限、評価指標、業務の分担を設計します。全社戦略を変えても、予算と人事評価が以前のままなら現場は動きません。経営会議、事業部、本社機能の役割を決め、実行の仕組みを作ります。

組織再編では、正しい組織図を描くだけでなく、立場の異なる役員や部門責任者と合意する必要があります。事業会社で全社改革やPMIを進めた経験がある人は、この領域で価値を出しやすいでしょう。

サステナビリティと社会課題

脱炭素、資源循環、人権、地域の産業政策などを経営戦略へ組み込みます。規制への対応にとどまらず、事業機会と投資計画を考える仕事です。

たとえば脱炭素では、排出量を計算して終わるのではなく、製品、調達、設備、エネルギーをどう変えれば競争力につながるかを考えます。政策、金融、技術、顧客の需要が同時に動くため、デロイト内の複数の専門家とチームを作ります。

Monitor Deloitteの強み

戦略専門チームとデロイトの規模を両立している

Monitor Deloitteの案件は、戦略ファームと同じように少人数で進むものが多くあります。同時に、デロイトの業界・業務・テクノロジー・M&A・リスクの専門家を使えます。

経営戦略の中にシステム、規制、財務などの論点が出ても、同じネットワーク内から詳しい人を集められます。戦略コンサルタントがすべてを知っている必要はありませんが、誰の知見が必要かを判断し、経営の答えへまとめる力が求められます。

戦略を実行できる形まで落とす

Monitor Deloitteは、経営陣へ方向を示すだけでなく、実行の順序、体制、KPIまで設計します。デロイトの別部門と一緒に、業務改革やシステム導入まで続けて支援することもあります。

実行を知ることで、戦略の段階から現場の制約を織り込めます。反対に、短期間の戦略案件だけを続けたい人は、応募するチームの案件構成を確認したほうがよいでしょう。

民間企業と公共領域の両方を扱える

デロイトの顧客は民間企業だけではありません。中央省庁、自治体、業界団体などと、産業政策や社会課題を扱う仕事もあります。新しい産業を育てるテーマでは、企業の戦略と政策を一緒に考える必要があります。

官公庁やシンクタンクで調査・政策立案を経験した人は、企業と社会の両方を見る案件で経験を生かせます。事業会社出身者にとっても、一社の利益だけでは解けないテーマへ仕事を広げる機会になります。

Strategy&やEYパルテノンとの違い

Big4の戦略部門は、どこも戦略と実行をつなげられます。ただし、前身のファームと隣接する組織によって、得意領域に違いがあります。

部門 主な特徴
Monitor Deloitte ビジネスデザイン、組織変革、デロイトの幅広い専門家との連携
Strategy& 旧Boozの戦略知見、会社固有の能力を起点にした戦略
EYパルテノン M&A・トランザクションとの接点、成長戦略、事業再編
KPMGの戦略部門 KPMG FASとの連携、事業ポートフォリオ、M&A戦略

案件の名前だけでは違いがわからないこともあります。日本で募集しているチームの規模、パートナーの専門分野、自分が採用される職位まで比べます。

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Monitor Deloitteの年収

Monitor Deloitteを含むデロイト トーマツ コンサルティングの平均年収は991万円です。

出典:OpenMoney

Monitor Deloitteの職位別年収は、おおよそ次の水準です。

職位 年収の目安 主な役割
アナリスト 500万〜700万円 調査、分析、資料作成
コンサルタント 700万〜1,000万円 担当領域の設計と提案
シニアコンサルタント 1,000万〜1,400万円 論点の設計、若手の指導
マネジャー 1,400万〜1,900万円 プロジェクト管理、顧客との合意形成
シニアマネジャー 1,900万〜2,500万円 複数案件の統括、提案活動
ディレクター 2,500万〜3,500万円 顧客開拓、案件の最終品質への責任
パートナー 3,500万円〜 売上、顧客関係、組織運営への責任

年収は、前職の給与だけではなく、採用される職位で決まります。コンサル未経験であれば、自分で調査・分析を進められる職位から始めるのが一般的です。他ファームでプロジェクト管理と提案を経験している人は、マネジャー以上で採用される可能性があります。

戦略コンサルタントの年収が高いのは、少人数で経営上の大きな判断を扱うからです。高い報酬と引き換えに、短い時間で結論の質を上げ、経営陣の厳しい質問に答えることが求められます。

Monitor Deloitteの働き方と社風

戦略ファームと総合ファームの両方の働き方がある

Monitor Deloitte単独の戦略案件では、少人数で調査と議論を重ねます。デロイトの別部門と組む変革案件では、人数が増え、計画と役割を細かく管理します。

一人のコンサルタントがどちらの案件も経験することがあります。個人で深く考えるだけでなく、多くの専門家を動かす役割も担います。

忙しさは報告と提案の前に集中する

経営会議、取締役会、投資判断などの日程に合わせて案件を進めるため、報告前は分析と資料の修正が増えます。提案活動と担当案件が重なる時期も忙しくなります。

働き方はマネジャーと案件によって差があります。オファー面談では、平均的な案件期間、海外案件の頻度、同時に担当する案件数を聞いておくと、入社後の生活を想像しやすくなります。

多様な専門家と議論する文化

戦略チームだけで結論を閉じず、業界、テクノロジー、M&A、リスクなどの専門家と議論します。自分の考えを持ちながら、別の専門性を尊重して答えを変えられる人が働きやすい環境です。

会議で意見を言うことは求められますが、強く主張することだけが評価されるわけではありません。根拠を示し、相手の意見を受けて結論を更新できる人が評価されます。

Monitor Deloitteに向いている人

戦略から実行まで関わりたい人

経営戦略を考える仕事を中心にしながら、デロイトの専門家と実行まで進めたい人に向いています。戦略を作るだけでなく、組織と現場がどう変わったかまで見たい人には相性が良いでしょう。

事業会社で全社課題を進めた人

経営企画、事業開発、M&A、組織改革などの経験者は、案件との接点を作りやすいでしょう。自分の部門だけでは解けない課題で、役員や他部門をどう動かしたかが評価されます。

異なる業界や社会課題へ仕事を広げたい人

民間企業の成長戦略だけでなく、産業政策や社会課題も扱います。一つの業界で培った知識を持ちながら、隣接する業界や公共領域へ視野を広げたい人に向いています。

経歴別に見るMonitor Deloitteへの転職

事業会社の経営企画・事業開発

中期経営計画、新規事業、M&A、海外展開の経験は、Monitor Deloitteの案件と重なります。選考では、自分が資料のどこを作ったかではなく、どの経営課題を定義し、どんな選択肢を示したかを話します。

計画が実行段階で止まった経験も価値があります。なぜ現場が動かなかったのか、組織、KPI、予算をどう変えたのかを説明できれば、戦略と実行をつなぐ力として伝わります。

メーカー・金融・通信などの業界経験者

業界の現場を知る人も採用対象です。商品企画、営業、生産、研究開発、リスク管理などの経験を、経営の論点へ広げて説明します。

自分の業務を深く知るだけでなく、顧客、競合、規制、テクノロジーの変化を見て提案した経験があると強みになります。Monitor Deloitteでは業界別チームの専門家とも働くため、現場の言葉を経営の判断へ置き換えられる人が求められます。

官公庁・シンクタンク

政策調査、制度設計、産業分析の経験は、公共領域や社会課題の案件で生かせます。報告書の作成だけでなく、誰が提言を使い、制度や予算がどう変わったかを示します。

民間企業向けの案件へ広げたい場合は、政策が企業の事業と競争に与える影響を話せるようにします。脱炭素やデジタル政策のように、政府と企業の両方が動くテーマは相性が良いでしょう。

総合ファーム・戦略ファーム

総合ファームから移る人は、戦略案件で担った役割を明確にします。実行フェーズの経験も、現場の制約を知る強みになります。戦略ファームから移る人は、デロイトの実行組織と組みたい理由や、公共・社会課題へ広げたい理由を説明できます。

マネジャー以上では、案件の管理に加え、提案と顧客開拓の経験が見られます。既存顧客から新しい課題を見つけ、案件へつなげた経験を整理しておきます。

Monitor Deloitteのキャリア

アナリストとコンサルタントは、調査、インタビュー、分析、資料作成を通じて、問題解決の基礎を身につけます。シニアコンサルタントは、一つの論点を設計し、若手の成果物を見ながら顧客と議論します。

マネジャーになると、案件全体の仮説、計画、品質、チームに責任を持ちます。シニアマネジャーとディレクターは、複数の案件を見ながら、提案と顧客関係を広げます。パートナーは、自分の専門領域で市場と組織を作る役割です。

デロイトの中では、業界やテクノロジーの専門家と働く機会が多くあります。戦略だけを深める道と、M&A、組織変革、デジタルなど隣接するテーマへ広げる道があります。幅広い案件を経験しながらも、上位職へ進むには自分が選ばれる専門領域を持つことが欠かせません。

退職後は、事業会社の経営企画、事業開発、DX、サステナビリティ、M&Aなどが主な選択肢です。スタートアップの経営幹部、PEファンドや投資先支援、ほかのコンサルティングファームへ移る道もあります。

応募前に確認したいポイント

応募する求人がMonitor Deloitteのどのチームに属するかを確認します。デロイトでは組織名が変わることがあるため、ブランド名だけでなく、採用後の所属と評価組織を聞きます。

次に、戦略チーム単独の案件と、デロイトの別部門と組む案件の比率を確認します。自分が希望する業界で、構想、実行、M&Aのどこまで担当するのかを把握します。

オファー面談では、職位、年収、期待される売上やチーム管理、海外案件の可能性を確認します。上位職で採用されるほど、分析以外の役割が増えるため、最初に何を評価されるのかを具体的に聞いておくべきです。

Monitor Deloitteの中途採用

経験者採用は部門とポジション別です。書類選考、適性検査、複数回の面接を経てオファーに進みます。ケース面接は、応募職位や面接官によって複数回行われることがあります。

職務経歴書

職務経歴書では、会社や部署の説明より、自分が扱った経営課題と成果を中心に書きます。経営計画を作ったなら、どのデータを使い、何を提案し、経営会議でどんな判断につながったかまで示します。

戦略部門では、考える力だけでなく、周囲を動かした経験も見られます。意見の違う役員や部門責任者とどう合意したか、計画が止まったときに何を変えたかを整理しておきます。

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ケース面接

ケース面接では、売上向上、成長戦略、新規事業、社会課題などが出題されます。問題を分けるだけでなく、最初の仮説を置き、必要な分析を選び、施策の実行まで話します。

Monitor Deloitteでは、デロイトの実行力を使って変革を進めるため、提案の現実性も見られます。誰が実行するのか、どの部門が反対するのか、何を指標に成果を見るのかまで考えると、戦略と実行をつなげられます。

志望動機

「デロイトは規模が大きい」「戦略に関わりたい」だけでは、Monitor Deloitteを選ぶ理由になりません。前職で感じた課題を出発点にして、戦略専門チームとデロイトの実行部隊を使って何を変えたいかを話します。

複数の戦略ファームを受ける場合は、ケース面接の経験を積んでから第一志望へ入れるように、選考日程を組みます。

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まとめ

Monitor Deloitteは、旧Monitor Groupの戦略コンサルティングの知見と、デロイトの幅広い実行力を併せ持つ組織です。全社戦略、成長戦略、ビジネスデザイン、M&A、組織変革、社会課題を扱い、戦略を実行できる形まで落とします。

中途採用では、論理的に考える力に加え、自分の提案で意思決定や現場をどう変えたかが見られます。Monitor Deloitteで扱いたいテーマと、自分の経験がつながる場面を具体的にして、書類とケース面接を準備します。