コンサルへの転職を考え始めると、戦略ファームと並んで、Big4系の総合ファームも候補に入ってきます。PwCコンサルティングもその一社で、戦略を担うStrategy&から、ERPの導入、システムの運用まで、一つの会社の中で扱う仕事の幅が広いのが特徴です。

その分、組織は少し複雑です。PwCの名前が付く法人はグループ内だけで16あり、PwCコンサルティングの社内も、業界別の6部門とソリューション別の9部門に分かれています。どの部門に入るかで、担当する業界も仕事の進め方も違ってきます。

組織の分け方を先に押さえておけば、求人票を読むときも、志望動機を考えるときも迷いが減るはずです。ここでは組織と強みを整理したうえで、年収、働き方、中途採用、入社後のキャリアを取り上げます。

Contents
  1. PwCコンサルティングとは?PwC Japanグループ内の位置づけ
  2. PwCコンサルティングの組織の特徴と業界別の6部門
  3. PwCコンサルティングのソリューション部門と前職別の選び方
  4. PwCコンサルティングの強み:戦略から実行までの体制とPwCグループの連携
  5. PwCコンサルティングの年収はいくら?平均年収と他社比較
  6. PwCコンサルティングは激務?勤務制度と繁忙期の確認ポイント
  7. PwCコンサルティングの中途採用:選考情報と書類・面接のポイント
  8. PwCコンサルティングの研修制度とキャリアパス
  9. PwCコンサルティングに関するよくある質問
  10. まとめ

PwCコンサルティングとは?PwC Japanグループ内の位置づけ

PwCは、Big4と呼ばれる世界の4大会計事務所系グループの一つです。日本ではPwC Japanグループのもとに、監査、税務、法務、ディール、コンサルティングなどを担う法人が置かれています。このうちコンサルティングを受け持つのがPwCコンサルティング合同会社で、戦略の策定から実行までを手がけています。

PwC Japanグループの主な法人

グループ内には名前の似た法人がいくつもあるので、求人を探すときは、どの法人の募集なのかを最初に見ておきたいところです。求人に関わる主な法人と組織を、表にまとめました。

名称 位置づけ
PwCコンサルティング合同会社 戦略の策定から実行までを担うコンサルティングの法人
Strategy& PwCコンサルティングの戦略部門を構成する組織の一つ
PwCアドバイザリー合同会社 M&A、事業再生などディール関連を担う別法人
監査・税務・法務の各法人 PwC Japan有限責任監査法人、PwC税理士法人、PwC弁護士法人

Strategy&はPwCコンサルティングの中の組織なので、雇用主はPwCコンサルティングです。PwCアドバイザリーや監査・税務・法務の法人とは、案件で一緒に働くことはあっても、雇用主は異なります。

とくに紛らわしいのが、サステナビリティ、リスク、業務変革の分野です。PwCサステナビリティ合同会社、PwCリスクアドバイザリー合同会社、PwCビジネストランスフォーメーション合同会社は別の法人ですが、PwCコンサルティングの中にも、サステナビリティトランスフォーメーションやサイバー・リスクコンサルティングというチーム、ビジネスマネジメントトランスフォーメーションという部門があります。この分野の求人を見るときは、職務内容より先に雇用主の法人名を確かめておくと、取り違えを防げます。

戦略部門を構成する3つの組織

PwCコンサルティングの戦略部門(ストラテジーコンサルティング)には400人超が在籍し、3つの組織で構成されています。旧ブーズ・アンド・カンパニーを前身とするStrategy&、経営課題の把握から解決までを一貫して支援するX-Value & Strategy、望ましい未来の創造と実装を掲げるFuture Design Labです。戦略職の求人をStrategy&の名前だけで探すと、X-Value & StrategyとFuture Design Labの募集が漏れてしまいます。

Strategy&をほかの戦略ファームと並べて比べたい人は、戦略コンサルのランキング記事が参考になります。

戦略コンサル会社ランキング・Tierの見方|年収・特徴・転職難易度を比較
戦略コンサル会社ランキング・Tierの見方|年収・特徴・転職難易度を比較戦略コンサルのランキングをTier別に整理。MBB、Strategy&やKearneyなどのTier2、外資の専門ファームや総合系の戦略部門、日系ブティックまで19社の特徴を、就職偏差値や年収、転職難易度の考え方とあわせて解説します。...

Strategy&の中途採用の一次面接がどう進んだかは、体験談の記事で読めます。

【1次面接】Strategy&の中途採用面接の体験談を公開【ケース面接】Strategy&の中途採用1次面接について、質問内容、ケース面接のテーマ、当日の流れ、評価されたポイント、事前に行うべき対策を紹介します。...

PwCコンサルティングの組織の特徴と業界別の6部門

大手の総合ファームの多くは、クライアントの業界で分けた部門と、提供するサービスの種類で分けた部門を組み合わせて組織をつくっています。PwCコンサルティングもこの形で、業界に詳しいコンサルタントと、特定のソリューションに詳しいコンサルタントが一つのチームを組んで案件に入ります。

PwCコンサルティングの組織が業界軸とソリューション軸の二本立てで構成されていると説明する公式サイトの文章

出典:PwCコンサルティング 部門紹介

転職する側から見ると、入口は二つあります。業界の知識を生かすなら業界部門、財務や人事、ITといった機能の専門性を生かすならソリューション部門です。たとえば銀行でデータ基盤を担当してきた人なら、金融サービス部門にも、テクノロジー系のソリューション部門にも応募できます。どちらに入っても、案件ではもう一方の軸の専門家と組むことになります。

業界別の6部門

業界別の部門は次の6つで、それぞれの下に業界ごとのチームがあります。

PwCコンサルティング公式サイトの部門紹介ページに掲載された、業界(インダストリー)別6部門の一覧

出典:PwCコンサルティング 部門紹介

部門名だけでは担当範囲がつかみにくいので、各部門が扱う主な業界を、部門名を短く略して表にしました。

業界部門 主なクライアント
自動車・製造業・建設 四輪・二輪・部品メーカー、重工業、エンジニアリング、産業機械、建設、住設
エネルギー・素材・化学 電力・ガス、石油、素材、化学、金属
消費財・小売・ヘルスケア 消費財メーカー、小売・流通、ヘルスケア、医薬・製薬企業
公共 中央省庁、地方自治体などの公的機関、人材・運輸・物流・ホスピタリティ&レジャー・不動産
テクノロジー・メディア・通信 ハイテク・半導体・精密機器・SI、メディア・OTT・広告代理店・コンテンツ・プラットフォーマー、通信プロバイダー
金融サービス 銀行・証券・資産運用、保険などの金融機関

公共部門は、名前だけ見ると官公庁の仕事に限られるように思えます。実際には、官公庁・地方自治体・公的機関のチームと並んでサービスインフラストラクチャというチームがあり、人材、運輸・物流、ホスピタリティ&レジャー、不動産といった社会インフラの活用や再構築も支援しています。物流や不動産の業界にいた人は、業界名だけで求人を探すと、この部門を見落としがちです。

PwCコンサルティングのソリューション部門と前職別の選び方

ソリューション部門は、クライアントに提供するサービスの種類で分けた組織です。業界の知識より、財務、人事、IT、セキュリティといった職種の経験を生かしたい人には、こちらが主な入口になります。PwCコンサルティングのソリューション部門は9つあり、戦略、業務改革、システム、リスク、業務運用、調査を分担しています。

PwCコンサルティング公式サイトに掲載された、ソリューション別9部門の一覧

出典:PwCコンサルティング 部門紹介

前職の経験ごとに、候補になる部門をまとめました。

前職の経験 候補になる部門
経営企画、事業開発、M&A Strategy Consulting(戦略の策定、全社の変革)
生産管理、調達、SCM、物流 Industrial Transformation(スマートビジネス、バリューチェーンの変革)
営業企画、マーケティング Front Office & Experience(顧客体験、セールス&マーケティング、コンタクトセンター)
経理・財務、人事 Business Management Transformation(ファイナンス、ピープル、サステナビリティ)
ERP導入、クラウド基盤 Enterprise Transformation Consulting(全社アーキテクチャ、SAP・D365、Azure・AWS)
IT企画、データ分析、AI Technology & Digital Consulting(AI、データ、エンジニアリング、IT戦略)
情報セキュリティ、リスク管理 Trust Consulting(サイバー・リスク)
業務運用、IT運用 Managed Services(経営基盤の機能を補うサービス)
調査・リサーチ PwC Intelligence(シンクタンク)

生産・サプライチェーンの経験者

生産管理や調達、SCMの経験を生かすなら、候補はIndustrial Transformation(IX)です。スマートビジネスとバリューチェーンを切り口に、個々の企業の変革にとどまらず、産業構造の変革につながるテーマに取り組む部門で、2025年7月にインダストリーソリューションとサプライチェーンの二つの組織を一つにして発足しました。発足前に書かれた転職記事では、古い部門の区分のまま説明していることがあります。

IT・デジタルの経験者

IT系の経験者には、Enterprise Transformation Consulting(ETC)とTechnology & Digital Consultingという二つの候補があります。ETCは企業全体のアーキテクチャを描き、実装・変革実行まで進める部門で、Azure・AWSのクラウドとSAP・D365のERPの知見を組み合わせるのが特徴です。Technology & Digital Consultingは、AI、データ、エンジニアリングなどの専門家を集めたテクノロジーの中核部門で、構想から運用までを受け持ち、マネージドサービスや成果報酬型の契約にも取り組んでいます。

SAPやD365の導入経験が軸ならETC、AIの実装やデータ活用が軸ならTechnology & Digitalです。アーキテクチャはどちらの部門にも出てくる領域なので、そこは求人ごとの職務内容で見分けます。

業務運用の経験者

業務やITの運用に携わってきた人には、Managed Servicesという選択肢もあります。クライアントの経営基盤に必要な機能を戦略から実行まで補う部門で、チームはマネージドサービスセールスとマネージドサービスデリバリーの二つです。前者はサービスを提案して受注する側、後者は受注したサービスを提供する側を担うので、同じ部門の求人でも、営業寄りか運用寄りかで求められる経験が違います。

調査・分析の経験者

調査や分析の経験者に向くのは、PwCコンサルティングの中でシンクタンクの役割を担うPwC Intelligenceです。各分野の有識者のインサイトとデータ分析をもとに、外部環境の変化がクライアントの事業に与える影響を分析しており、PwC米国のPwC Intelligenceなど、海外の調査・分析組織とも連携しています。成果物がレポート中心か、クライアント案件への分析提供が中心かは、求人によって変わります。

PwCコンサルティングの強み:戦略から実行までの体制とPwCグループの連携

総合ファームの強みは、戦略を描く段階から、業務やシステムを変えて成果を出すところまでを、一つの会社で引き受けられることです。PwCコンサルティングはこの点をはっきり打ち出していて、コンサルティングサービスの方針として「Strategy through Execution」を掲げています。

工程ごとにそろった部門

社内には、戦略を描くStrategy Consulting、全社のアーキテクチャから実装まで進めるETC、構想から運用まで受け持つTechnology & Digital、経営基盤の機能を補うManaged Servicesと、工程ごとの部門がそろっています。全社改革の案件なら、方向づけを戦略部門、経営管理の設計をBusiness Management Transformation、ERPの導入をETCが受け持つというように、複数の部門が工程を分けて一つのクライアントを支える体制です。

転職する人から見れば、提言で終わらない案件に関われるのが魅力です。そのかわり担当は工程ごとに分かれるので、構想づくりに集中したいのか、導入や運用まで見届けたいのかで、合う部門は変わります。同じ職位の人が直近の案件でどの工程を担当したかを面接で聞いておけば、入社後の担当範囲もはっきりします。

PwCグループとの連携

戦略志望の人にとっては、Strategy&がPwCの中にあることにも意味があります。独立系の戦略ファームと違い、戦略を描いたあとの実行を、同じ会社の実装部門や、グループの監査・税務・ディールの専門家と組んで進められるからです。Strategy&の海外市場参入の支援では、各国のPwCメンバーファームと連携し、M&Aの検討段階から買収後まで伴走しています。

PwCのネットワークは世界136カ国に364,000人以上の規模があり、PwCコンサルティングの部門もこのネットワークと組んで案件を進めます。Business Management TransformationやManaged Servicesのように、PwC Japanグループの専門家と連携してサービスを提供する部門もあります。海外の案件や、会計・税務・法務の論点が絡む案件に関わりたい人には、この連携がBig4系を選ぶ理由になるでしょう。

戦略系と総合系で担当する工程がどう違うかは、ファームの種別から整理した記事で詳しく扱っています。

戦略コンサルと総合コンサルの違い|仕事内容・年収・転職難易度を比較
戦略コンサルと総合コンサルの違い|仕事内容・年収・転職難易度を比較戦略コンサルと総合コンサルの違いを、典型的な案件、BCGやアクセンチュアが手がけた実際のプロジェクト、平均年収、働き方、転職難易度と選考の違いから比較します。境界があいまいになった今、どう選べばよいかも解説します。...

PwCコンサルティングの年収はいくら?平均年収と他社比較

コンサルの年収は、ファームの種類と職位によって水準にかなりの差があります。一般には戦略ファームがもっとも高く、Big4系を中心とする総合ファームがそれに続きます。主な総合ファームと戦略ファームの平均年収を比べると、次のようになります。

会社 平均年収
PwCコンサルティング 1,071万円
KPMGコンサルティング 1,001万円
EYストラテジー・アンド・コンサルティング 997万円
ベイカレント・コンサルティング 992万円
合同会社デロイト トーマツ 991万円
アクセンチュア 932万円
アビームコンサルティング 851万円
ボストン・コンサルティング・グループ(戦略系) 1,640万円
カーニー(戦略系) 1,630万円
マッキンゼー・アンド・カンパニー(戦略系) 1,525万円
ベイン・アンド・カンパニー(戦略系) 1,434万円

出典:OpenMoney

PwCコンサルティングの平均年収は1,071万円で、表の総合ファームの中ではいちばん高く、KPMG、EY、ベイカレント、デロイト トーマツが1,000万円前後で続きます。戦略ファームとは数百万円の開きがあります。

戦略ファームとの年収差の理由

年収の差は、社員の職種構成と、クライアントから受け取る報酬の単価の違いから生まれます。戦略ファームは少人数のチームで経営トップの課題を扱い、コンサルタント1人あたりの単価がとくに高い業態です。その分、短い期間で、経営者がそのまま意思決定に使える水準の答えを出すことが求められ、分析の精度にも資料の一枚一枚にも厳しい目が向けられます。年収がトップクラスのファームほど、求められるデリバリーの品質も高くなります。

総合ファームは、戦略案件のほか、システム導入や業務の運用のように、大人数で長期間にわたる案件も受け持ちます。職種の幅が広く、1人あたりの単価も戦略案件ほどは高くないため、会社全体の平均は戦略ファームより下がります。PwCコンサルティングの1,071万円も、Strategy&を含む戦略部門から、ERPの導入やマネージドサービスを担う部門までをひとまとめにした数字です。同じ会社の中でも、単価の高い戦略案件が中心の部門と、システム導入や運用が中心の部門とでは年収の水準に差が出るので、どの部門に入るかによっても実際の年収は変わってきます。

職位と給与制度

PwCコンサルティングの職位は、アソシエイト、シニアアソシエイト、マネージャー、シニアマネージャー、ディレクター、パートナーの6段階です。職位ごとに給与の水準が決まっているので、中途入社の提示額は、どの職位で入るかに大きく左右されます。

給与制度は月給制で、業績・貢献度に応じた業績賞与と昇給がそれぞれ年1回あります。諸手当には時間外勤務手当、通勤手当(実費精算)、フレキシブルワーキング手当(月額5,000円)、出張手当などがあり、退職金制度は確定拠出年金と公認会計士企業年金基金です。時間外勤務手当の対象になるかどうかで繁忙期の支給額が変わるため、オファー面談では、提示された職位での扱いを聞いておくとよいでしょう。

PwCコンサルティングは激務?勤務制度と繁忙期の確認ポイント

コンサルの忙しさは、同じ会社の中でも、どの部門でどんな案件に入るかで大きく変わります。戦略から運用までを扱うPwCコンサルティングでは、部門ごとに案件の性格が違うので、その差がとくに目立ちます。短期間で分析と提言をまとめる戦略案件、ERPの本番稼働を控えたシステム導入、年度の区切りに合わせて進む官公庁の案件では、忙しくなる時期も、その長さも異なります。

勤務制度と休暇

勤務制度そのものは柔軟です。標準労働時間は1日7時間で、フレックスタイムはコアタイムなし、7時から22時の間で働く形をとっています。リモートワークも使えます。休暇は年20日の年次有給休暇のほか、リフレッシュ休暇、試験休暇、有給の出産・育児・介護特別休暇などがあり、福利厚生にはベビーシッター補助、保活支援サービス、カウンセリング制度もあります。勤務地は東京、大阪、名古屋、福岡です。

繁忙期の確認ポイント

制度が柔軟でも、実際の働き方はチームと案件の山場で決まります。激務かどうかを見極めるなら、応募するチームの直近の繁忙期に、7時から22時というフレックスの枠がどう使われたかを聞くのがいちばん確実です。面談で次のような点を聞いておくと、入社後の働き方を具体的に思い描けます。

  • 直近の繁忙期に、22時以降や7時前にかかる会議・作業はあったか。あった場合、誰がどう対応したか
  • 海外のPwCメンバーと組む案件で、時差のある会議を誰が受け持ったか
  • 顧客先に出る日が多い案件でも、リモートワークをどの程度使えたか
  • 同じ職位の人が、同時にいくつの案件を担当しているか

育児や介護との両立を考えている人には、特別休暇やベビーシッター補助があることより、忙しい週に誰がどう仕事を分担したかという実例のほうが参考になります。

会社を問わず使える確認項目は、コンサル転職の後悔を扱った記事にまとめています。

コンサル転職で後悔する7つの理由|入社前に見極めるポイント
コンサル転職で後悔する7つの理由|入社前に見極めるポイントコンサル転職で後悔する7つの理由を、担当業務のギャップやアサインの制約、評価の仕組みなどに分けて解説します。やめとけと言われる理由や後悔しやすい人の特徴、面接や社員面談で聞いておくべきポイント、合わないと感じたときの対処法もまとめました。...

PwCコンサルティングの中途採用:選考情報と書類・面接のポイント

総合ファームの中途採用は、部門ごとに出ている求人に個別に応募するのが基本で、求められる経験も選考の進み方も部門によって変わります。書類選考のあとに複数回の面接が続くのが一般的な流れで、コンサルタント職ではケース面接や筆記試験が入ることも多くあります。

PwCコンサルティングも、中途採用の募集職種一覧から自分の経験に合う求人を選んで応募する形です。領域ごとに中途採用セミナーも開かれていて、説明会と選考会をまとめて行う募集もあります。

Webテストの形式、経験面接、ケース面接まで含む詳しい選考対策は、次の記事にまとめています。

PwCコンサルティング中途採用の選考フローとWebテスト・面接対策
PwCコンサルティング中途採用の選考フロー|Webテスト・面接対策PwCコンサルティングの中途採用を解説。選考フロー、玉手箱・GAB・TG-WEB、職務経歴書、経験面接、ケース面接の対策を紹介します。...

書類選考のポイント

書類では、担当業務をすべて並べるより、応募部門と接点のある二、三件を前に出します。IXを受けるメーカー出身者なら、工場や製品の紹介は短めにして、サプライチェーンやバリューチェーンのどこをどう変えたかに字数を割くのがよいでしょう。ETCなら、導入したERPの名前を挙げるだけでは足りず、全社のアーキテクチャの中で担当システムをどう位置づけ、業務要件の衝突をどう調整したかまで読まれます。部門が掲げるテーマと自分の成果を結びつけて説明できるかどうかが、書類づくりの目安になります。

面接のポイント

PwCコンサルティングは、部門や国をまたいだコラボレーションを社風の中心に置いています。キャリア採用のコピー「やさしさが生む、強さがある。」も、この協働の文化を表したものです。業界部門とソリューション部門が組んで案件を進める組織なので、面接用のエピソードにも協働の場面を入れておきたいところです。一人でやり切った成果とは別に、専門の違う相手とどう組み、意見の食い違いをどう収めたかを話せる経験を一つ用意しておくと、会社の文化と話がかみ合います。

ケースや課題選考を案内されたら、問題の定義から結論までを、面接官との対話の中で組み立てる練習が要ります。

ケース面接とは?例題・解き方・評価基準・対策方法を解説
ケース面接とは?例題・解き方・評価基準・対策方法を解説ケース面接とは何かを、評価される7つの項目、フェルミ推定とケースの解き方の型、WHO→WHAT→HOWの施策の組み立て、例題、出題タイプ別の構造化、練習方法まで解説します。...

書類の作り方や応募先の選び方など、コンサル転職全体の進め方は別の記事に分けました。

コンサル転職の完全ガイド|未経験から応募先を決め、選考を進める方法
コンサル転職の完全ガイド|未経験から応募先を決め、選考を進める方法コンサル転職は未経験でも可能か、難易度を決めるもの、ファームの種類と仕事内容、選考で評価される経験から、応募経路の選び方、選考の流れと対策、スケジュールの組み方、よくある失敗まで解説します。...

PwCコンサルティングの研修制度とキャリアパス

中途入社者向けの研修や、入社後にキャリアを広げる制度は、大手ファームならひととおりそろっています。PwCコンサルティングの場合は、入社時研修とコーチ制度で立ち上がりを支え、その後は社内異動や海外派遣の制度で経験の幅を広げられるようになっています。

入社時研修とコーチ制度

中途入社者には、Core Consulting Skill Basicという1カ月間の入社時研修があります。ロジカルシンキングやファシリテーション、PwCの方法論、チームで企業の課題を議論するケース研修などを学ぶ内容で、コンサルタント経験者は、苦手なテーマなど希望する講座だけを選んで受けられます。研修とは別に、全社員に先輩社員のコーチがキャリアアドバイザーとして付き、コーチを支えるCoach for Coachという取り組みもあります。

未経験で入る場合は、研修を終えてから最初の案件に入るまでの流れや、案件の中で誰が仕事を見てくれるかも気になるところです。コーチが同じ部門の先輩かどうかも含めて面接で聞いておけば、入社後数カ月の見通しが立ちます。

社内異動の制度

入社後に部門を移れるかどうかも、転職を決めるうえで確かめておきたい点です。PwCコンサルティングの異動の制度は二つあります。一つは会社が戦略的な人材育成を目的に全職員を対象として行うジョブローテーションで、もう一つは職員が自ら異動希望を出し、社内協議の上で配置転換を行うオープンエントリープログラムです。

自分から手を挙げる道はあるものの、実現するかどうかは社内協議で決まります。オープンエントリーの利用実績や、申請できるまでの在籍期間を選考中に聞いておくと、最初の部門を選ぶときの判断材料になります。

グローバルモビリティ制度

海外で働くことが転職理由の上位にあるなら、グローバルモビリティ制度が選択肢に入ります。選抜された職員を海外のPwCメンバーファームへ派遣する制度で、プロジェクト単位のアサイン、2〜3年の長期出向、3カ月から1年程度の短期交換アサインがあります。会社として全社員の10%を経験者にする目標を掲げていますが、派遣されるのは選抜を通った職員に限られます。海外のPwCから日本に赴任しているメンバーも多く、国内にいながら海外の同僚と働く機会もあります。

PwCコンサルティングに関するよくある質問

PwCコンサルティングへの転職難易度は高いですか?

Big4系の中でも人気が高く、転職難易度は高い部類に入ります。とはいえ、難しさの中身は求人ごとに違います。ETCのERP導入とPwC Intelligenceの分析とでは、求められる経験がまるで別物です。合否を分けるのは、求人の要件と自分の経験がどれだけ重なっているかです。

コンサル未経験でも応募できますか?

応募できるかどうかは、求人ごとの応募要件で決まります。コンサル経験を条件にしていない求人でも、業界・業務・技術のどれかで具体的な経験は求められます。入社時研修も、コンサル経験者は希望する講座だけを選べる仕組みで、経験の有無によって受け方を分けています。未経験の人は、前職で取り組んだ課題が応募先の部門の仕事にどうつながるかを、説明できるように準備しておきましょう。

Strategy&とX-Value & Strategyは何が違いますか?

どちらもStrategy Consultingに属する戦略の組織です。Strategy&は全社・事業戦略、オペレーション戦略、イノベーション戦略、海外市場参入戦略など、戦略ファームとして伝統的なテーマを幅広く扱います。X-Value & Strategyは、成長・エコシステム戦略、デジタルストラテジー、トランスフォーメーションデザイン、ストラテジックファイナンス、M&Aトランスフォーメーションを掲げ、経営課題の把握から解決までを一貫して支援する組織です。組織名の印象で決めず、求人の職務内容と直近の案件を見比べて選ぶのが確実です。

英語は必須ですか?

ポジションによります。求人の応募要件に英語力が書かれていれば、それが応募の条件です。入社後は、英語学校費用の補助やサマースクール研修などの英語プログラムと、社内英語研修で伸ばせます。海外のPwCと組む案件やグローバルモビリティを目指すなら、英語力が高いほど有利です。

PwCアドバイザリーとはどう違いますか?

PwCアドバイザリーは、M&Aの戦略や実行、事業再生など、ディールに関わる助言を担う別の法人で、採用サイトも分かれています。M&Aの実行やデューデリジェンス、バリュエーションといった取引の実務に関わりたいならPwCアドバイザリー、経営戦略の策定や業務・組織の変革を担いたいならPwCコンサルティングが候補です。M&Aに関心がある場合、PwCコンサルティング側でもX-Value & StrategyがM&Aトランスフォーメーションを掲げています。

まとめ

PwCコンサルティングは、業界別とソリューション別の部門を組み合わせた組織で、戦略から実行、運用までを一つの会社の中で扱う総合ファームです。転職を考えるなら、自分の経験を業界の知識として生かすのか、職種の専門性として生かすのかを先に決めると、応募する部門が絞れてきます。

年収は総合ファームの中では高い水準にあり、忙しさは部門と案件によって変わります。PwCの名前が付く法人はほかにも多いので、求人を見るときは雇用主の法人名もあわせて確かめておきましょう。入社後は社内異動や海外派遣の制度もあり、最初の部門を足がかりにキャリアを広げていけます。