戦略コンサルも総合コンサルも、いまは学生と社会人の両方から人気を集める仕事です。2027年卒の東大・京大生を対象にしたワンキャリアの就活人気企業ランキングでは、1位がボストン コンサルティング グループ(BCG)、3位がKPMGコンサルティング、5位がベイカレントでした。上位10社のうち6社がコンサル・シンクタンクで、戦略ファームと総合ファームがそろって上位に並んでいます。

中途採用でも、事業会社の企画職やSIerのエンジニア、金融機関の出身者など、さまざまな経歴の人がコンサルに転職するようになりました。ところが求人を探し始めると、戦略コンサルと総合コンサルという二つの呼び方があることに気づきます。職種名は同じコンサルタントでも、担当する案件やチームの規模、年収の水準、選考で見られることはかなり違います。

しかも最近は、戦略ファームがAIのシステムを作って現場に導入したり、総合ファームが経営判断に関わる案件を手がけたりして、名前だけでは違いが分かりにくくなってきました。そこで、まず典型的な案件と実際のプロジェクトから仕事の違いを確かめ、そのあとで年収、働き方、選考を比べていきます。

戦略コンサルと総合コンサルの違い

コンサルティングは、クライアント企業の経営課題を解決する仕事です。戦略コンサルと総合コンサルの違いは、案件のどの段階を担い、どこまで責任を持つかにあります。

戦略コンサルは、経営陣が下す大きな判断を支えます。どの事業に投資し、どこから撤退するか。どの会社を買うか。新しい市場に入るべきか。こうした問いに調査と分析で答えを出し、経営会議や取締役会に提言します。クライアントが方針を決めたところで仕事が一区切りになるのが、もともとの形でした。

総合コンサルは、戦略づくりから業務の見直し、システムの導入、導入後の運用までを一つのファームで引き受けます。決まった方針を実際に動く仕組みにする段階が、仕事の大部分です。新しい業務やシステムが動き出し、成果が出るまで関わり続けます。実行や運用まで担うため、社員の数も戦略ファームよりずっと多くなります。主な違いを表にまとめました。

比較項目 戦略コンサル 総合コンサル
主に担う段階 方針を決める構想の段階 構想から実行、運用・定着まで
よくあるテーマ 全社戦略、M&A、新規事業、事業ポートフォリオの見直し 業務改革、基幹システムの導入、DX推進、PMO
主な成果物 経営会議や取締役会に出す提言、事業計画 新しい業務の手順、稼働したシステム、運用の体制
クライアント側の相手 社長・役員、経営企画部門 役員から事業部門、IT部門、現場の担当者まで
期間とチーム 比較的短い期間、少人数 長期間が多く、大人数
代表的なファーム McKinsey、BCG、Bain、Kearneyなどの外資系、Big4の戦略組織、日系のブティック系 アクセンチュア、Big4(デロイト トーマツ、PwC、EY、KPMG)、アビーム、ベイカレント

Big4には、PwCのStrategy&、デロイト トーマツのMonitor Deloitte、EYのEY-Parthenonのように、戦略案件を専門に扱う組織があります。会社としては総合ファームの一部でも、仕事の中身は戦略コンサルです。転職市場でも、戦略ファームと並べて比べられています。

戦略コンサルの仕事内容や職位、必要なスキルの全体像は、次の記事で詳しく解説しています。

【2026年最新】戦略コンサルとは?仕事内容・年収・必要スキル・転職方法を解説戦略コンサルとは何か、仕事内容、職位、必要なスキル、年収、主な企業、転職方法、キャリアパスまで解説。未経験から業界研究・選考対策を進めたい人向けに、戦略コンサルの実態をまとめます。...

戦略コンサルと総合コンサルの仕事内容の具体例

二つの違いがいちばんはっきり表れるのが、担当する案件の中身です。それぞれの典型的な案件を挙げたうえで、M&Aという同じ題材で役割がどう分かれるかを見ていきます。

戦略コンサルの仕事

戦略コンサルの案件は、経営陣が答えを出さなければならない問いから始まります。代表的な案件は次のとおりです。

案件の種類 具体的な仕事の中身
全社戦略・中期経営計画 市場の変化を見通して、会社としてどの事業で稼ぐかを描き、取締役会で議論できる計画にまとめる
事業ポートフォリオの見直し 事業ごとの収益性と成長性を比べ、投資を増やす事業と、売却や撤退を検討する事業を仕分ける
新規事業・新市場への参入 市場規模や競合を調べ、参入するかどうか、自社で始めるか買収や提携で入るかの判断材料をつくる
M&A戦略 買収候補の事業の強さと事業計画の実現性を検証するビジネスデューデリジェンスを行い、統合で見込めるシナジーを試算する
コスト構造改革の構想 全社のコストを分解して、どの領域でどこまで下げられるかの目標と方向性を決める
営業・マーケティング戦略 どの顧客層に、どの商品を、どんな価格と売り方で届けるかを見直す

チームは、マネージャーの下に数人のコンサルタントがつく少人数の編成が基本です。コンサルタントは業界データを分析し、顧客や業界関係者へのインタビューを重ねて仮説を確かめ、週ごとの会議で経営陣と議論します。成果物は、経営会議や取締役会で使われる提言の資料です。方針が決まれば案件はいったん終わり、実行はクライアント自身が進める、という進め方が長く続いてきました。

総合コンサルの仕事

総合コンサルの案件は、決まった方針を業務やシステムの形にして、実際に動かす段階が中心です。典型的な案件を挙げると、次のようになります。

案件の種類 具体的な仕事の中身
業務改革(BPR) 受発注や経理などの業務の流れを見直し、ムダな工程を減らした新しい手順と体制をつくる
ERP・基幹システムの導入 SAPなどのパッケージを使い、要件定義、設計、テスト、旧システムからの移行までを進める
PMO 複数の部門やベンダーが関わる大規模プロジェクトで、進捗、課題、品質、予算を管理する
DXの実行支援 データ基盤を整えてAIを業務に組み込み、社内で使いこなせる人材を育てる
PMIの実行支援 買収後に二つの会社の会計、人事制度、ITシステムを統合し、業務をそろえる
BPO・マネージドサービス 導入した業務やシステムの運用そのものを引き受ける

総合コンサルらしい案件の一つに、アクセンチュアが出光興産と進めたタンクローリーの配車計画のAI化があります。出光興産では約70名の配車担当者が、1日最大約5,000件のオーダーに対応する配車計画を手作業で立てていました。プロジェクトではまず、熟練した担当者がどうやって計画の質を保っているのかを探り、業務を三つの工程に分けて分析したうえで、配車計画作成システムのaIDEMを開発しました。aIDEMには需要予測、計画配車の立案、配車の最適化という三つのモデルが組み込まれていて、配車計画を作る時間は25%短くなる見込みです。

総合コンサルの特徴は、業務の分析からシステムの構築、現場への定着までを一貫して引き受ける点にあります。案件の期間も長く、明治安田生命のように、アクセンチュアと2030年3月までのパートナーシップ契約を結んで全社のデジタル変革を進めている例もあります。チームにはコンサルタントのほか、エンジニアやデータサイエンティスト、業務の専門家が加わり、クライアント側の相手も役員から現場の担当者まで広がります。

M&Aの案件で比べた違い

同じM&Aでも、戦略コンサルと総合コンサルが担うのは別の段階です。

戦略コンサルが入るのは、買収するかどうかを決める前です。買収候補の市場での立ち位置や競争力を調べるビジネスデューデリジェンス、統合で生まれるシナジーの試算、統合後にどんな会社を目指すかという構想づくりが主な仕事になります。成果物は、経営陣が買収の是非と条件を決めるための材料です。

総合コンサルの出番は、買収が決まったあとの統合の実行です。統合初日に向けた準備、会計や人事制度、ITシステムの統合、重なった業務の整理を、統合全体を管理するPMOとして進めます。関わる部門も作業も多いので、統合が落ち着くまで長く続く案件になりがちです。買収後の統合(PMI)の構想を戦略コンサルが描き、実行を総合コンサルが支える、という分担はM&Aの現場でよく見られます。

戦略コンサルと総合コンサルの境界はなくなったのか

ここ数年、戦略ファームと総合ファームは互いの領域に仕事を広げてきました。大手の戦略ファームは社内にエンジニアやデータサイエンティストの組織を持ち、提言のあとの実装まで手がけています。総合ファームの側も、経営の意思決定そのものに関わる案件が増えました。どこまで重なってきたのかは、実際の案件を見るとよく分かります。

戦略ファームが実装まで手がける例

BCGには、テクノロジーの開発とデザインを担うBCG Xという組織があります。ドイツの保険会社Signal Idunaの案件では、BCG、BCG X、Google Cloudが同社と組み、医療保険の窓口担当者を支える生成AIのアシスタントCo SI Health Insurance Agentを作って現場に展開しました。責任あるAIの設計や社員のスキル研修にも力を入れ、段階的に導入しています。担当者の間で顧客を引き継ぐ割合は27%から3%に下がり、2024年のNPS(顧客推奨度)は2倍になりました。

McKinseyはAI部門QuantumBlackの知見を生かし、米国の製薬会社Merckと18か月かけて臨床試験報告書(CSR)の作成アプリを共同開発しました。データサイエンス、AI、ライフサイエンスの専門家など80人を超える合同チームで取り組み、業務プロセスや役割の見直し、メディカルライターのスキル研修まで担っています。人の確認を経たCSRの初稿を作る時間は平均180時間から80時間に縮み、誤りの数は50%減りました。

Bainは、欧州の公的医療保険会社がデジタル化を進めるための開発組織、デジタルファクトリーの立ち上げを支援しました。開発の流れはアイデア、学習、構築、拡大の4段階にそろえ、各段階の期間を3か月以内に区切っています。約30人の試行から始まった体制は200人を超え、15件以上の開発を同時に進められるまでになりました。

総合ファームが戦略案件を手がける例

アクセンチュアは、東洋エンジニアリングが全社で進めるデジタル変革(DXoT)を支援しています。労働集約型のビジネスを、人とデジタルを組み合わせた付加価値の高いモデルに変える取り組みで、新規事業への投資を通じて事業ポートフォリオを組み立て直すところまで視野に入っています。この案件でアクセンチュアは、経営の意思決定を支える経営デジタルツインを構築しました。たとえば中核事業で利益を最大化する案と、新しい領域に人員を振り向ける案があれば、AIがそれぞれの実行計画をつくってKGIやKPIの見込みをシミュレーションし、その結果を見て経営陣が判断します。プロジェクトチームには、AIセンターの責任者と並んで、ビジネス コンサルティング本部ストラテジーグループのマネジング・ディレクターも名を連ねました。

PwCの戦略組織Strategy&は、日本企業の海外進出を、M&Aの検討段階から買収後まで支援してきました。海外市場参入の支援で手がけた案件には、EUの複数の国で事業を行うモビリティ企業のビジネスデューデリジェンスや、自動車メーカーとの取引拡大に向けて新興国への進出を検討していた企業のフィージビリティスタディがあります。高機能フィルム素材のグローバル展開戦略や、欧州の特定の疾患領域への新規参入調査も手がけました。どれも戦略ファームが得意としてきた種類の案件です。

デロイト トーマツのコンサルタントは、アステラス製薬が事業活動で生み出した社会的インパクトを金額に換算する取り組みを、3年にわたって支援しました。担ったのは、インパクトを算定するロジックづくりと、算定結果の使い方の検討です。医療インフラが弱い地域で活動するNGO・NPOを支える保健医療システムの改善支援では、投資額の約4.6倍に当たる社会的インパクトが生まれたと算出されています。

所属する組織による仕事の違い

こうした案件を見ると、会社の単位では戦略と総合の境界が薄れてきたのは確かです。それでも、一人のコンサルタントが担当する仕事は、どの組織に所属するかでほぼ決まります。BCGでも、戦略を担うコンサルタントとBCG Xのエンジニアでは、日々の仕事の中身はまったくの別物です。アクセンチュアでも、ストラテジーグループとシステム導入を担う部門では、担当する案件の種類が変わります。

戦略ファームの実装案件でも、システムを作るのは社内の専門組織で、コンサルタントは変革の設計と推進を受け持つのが一般的です。BCG XやQuantumBlackのような組織は、コンサルタントとは別にエンジニアやデータサイエンティストを採用しています。転職先を考えるときは、会社が戦略か総合かより、入る組織がどの段階の仕事をしているかで比べたほうが、入社後の働き方を具体的に思い描けます。

戦略コンサルと総合コンサルの年収の違い

コンサルの年収は、戦略ファームと総合ファームで水準が違い、平均で見ると戦略ファームのほうが高くなります。各社の平均年収を、戦略コンサルと総合コンサルに分けて並べました。

戦略コンサルの平均年収

会社 平均年収
マッキンゼー・アンド・カンパニー 1,525万円
ボストン コンサルティング グループ 1,640万円
ベイン・アンド・カンパニー 1,434万円
カーニー 1,630万円
ローランド・ベルガー 1,374万円
アーサー・ディ・リトル・ジャパン 1,444万円
オリバー・ワイマン 1,880万円
L.E.K.コンサルティング 1,150万円
ドリームインキュベータ 1,174万円
経営共創基盤(IGPI) 1,137万円
コーポレイト ディレクション(CDI) 1,076万円
YCP Japan 1,163万円
フロンティア・マネジメント 989万円
ピー・アンド・イー・ディレクションズ 990万円

出典:OpenMoney

MBB(McKinsey、BCG、Bain)とカーニー、ローランド・ベルガー、アーサー・ディ・リトルは、1,300万〜1,600万円台に集まっています。日系のブティック系は、おおむね1,000万円前後から1,100万円台です。

各社の得意領域や成り立ちの違いは、次の記事で比べています。

戦略コンサル会社ランキング・Tierの見方|年収・特徴・転職難易度を比較
戦略コンサル会社ランキング・Tierの見方|年収・特徴・転職難易度を比較戦略コンサルのランキングをTier別に整理。MBB、Strategy&やKearneyなどのTier2、外資の専門ファームや総合系の戦略部門、日系ブティックまで19社の特徴を、就職偏差値や年収、転職難易度の考え方とあわせて解説します。...

総合コンサルの平均年収

会社 平均年収
アクセンチュア 932万円
デロイト トーマツ 991万円
PwCコンサルティング 1,071万円
EYストラテジー・アンド・コンサルティング 997万円
KPMGコンサルティング 1,001万円
アビームコンサルティング 851万円
ベイカレント・コンサルティング 992万円

出典:OpenMoney

総合コンサルは850万〜1,070万円ほどで、多くの会社が1,000万円前後に並びます。MBBの平均と比べると、数百万円の差があります。

PwC、アクセンチュア、デロイト トーマツの組織や採用については、各社のガイドで詳しく扱っています。

ベイカレントの年収、強み、選考難易度は、ベイカレント転職ガイドで詳しく解説しています。

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年収の差が生まれる理由

差が生まれる理由は大きく二つあります。一つは、社員の職種構成の違いです。戦略ファームは社員の大半がコンサルタントですが、総合ファームにはシステムの開発や運用を担う社員が多く、会社によっては業務の運用受託(BPO)まで手がけているので、会社全体の平均にはそうした職種の年収も含まれます。同じ会社の中でも、戦略組織と実装を担う部門では給与の水準が違うことがあり、平均はその両方を混ぜた数字です。

もう一つの理由は、クライアントから受け取る報酬の単価です。コンサルティングの報酬は、ふつう案件に入るコンサルタントの職位と人数、期間をもとに決まります。戦略ファームが扱うのは、会社の将来を左右する投資や買収、事業の組み替えといった判断で、その重さに見合う報酬が支払われるため、コンサルタント一人あたりの単価も高くなります。総合ファームの案件は大人数で期間も長く、案件全体の金額は大きくなりますが、一人あたりの単価は戦略ファームより低めです。

単価が高いぶん、クライアントに納める分析や提言、つまりデリバリーの品質にも高い水準が求められます。経営陣がそれだけの報酬を払うのは、そのまま意思決定に使える答えを、限られた期間で出してもらうためです。経営会議に出す資料なら、数字の根拠から論理のつながり、一枚ごとのメッセージまで、パートナーやマネージャーが何度も確認します。期待を下回れば、次の依頼にはつながりません。年収トップ層のファームの給与は、こうした非常に高い品質のデリバリーを案件のたびに求められることへの対価でもあります。

戦略コンサルと総合コンサルの働き方の違い

どちらも忙しい仕事ですが、忙しくなる時期と理由は違います。戦略コンサルは、比較的短い案件を次々に担当し、終わるたびに別の業界やテーマへ移るのが普通です。少人数のチームなので一人が受け持つ範囲が広く、経営陣への報告や取締役会の前には、分析と資料の作り直しが集中します。途中で仮説が外れて、残りの期間で調べ直すこともよくあります。

総合コンサルは、一つのクライアントを長く担当することが多く、大規模な案件ではクライアントのオフィスに常駐して働く場合もあります。忙しくなるのは、設計の締切やテスト、旧システムから新システムへの切り替えの前後です。切り替えは業務への影響が小さい週末や夜間に行うことが多く、運用まで担う案件では、障害が起きたときの対応も入ってきます。

短い期間で集中して考え抜く忙しさと、長い期間にわたって多くの関係者と調整を続ける忙しさは、性質がまったく違います。向き不向きは、どちらが楽かより、自分がどちらの忙しさなら無理なく続けられるかで判断するのが現実的です。

戦略コンサルと総合コンサルの転職難易度と選考の違い

コンサルの中途採用は、戦略と総合で選考の中身が大きく違います。転職の難易度は戦略コンサルのほうが高めです。採用の枠が小さいうえに、中途の選考でもケース面接が複数回続くからです。ケース面接では、ある企業の売上を伸ばす方法や市場規模の推定といった問いに、限られた時間で答えを組み立てます。評価の対象は、問題の分け方、数字の扱い、面接官とのやり取りの中で考えを修正する力です。前職の業界はさまざまで、事業会社や金融機関から転職する人もいます。

総合コンサルは募集の数が多く、部門やポジションごとに求人が出ています。面接の中心は、応募する部門の専門性と、これまでのプロジェクト経験です。SAPの導入、クラウド、サプライチェーン、会計、金融規制といった経験を具体的に聞かれ、ケース面接を行うかどうかは部門によって変わります。アクセンチュアの場合、ケース面接を行うのはビジネス コンサルティング本部や一部のコンサルティング職種の選考です。

入りやすさでは総合コンサルに分がありますが、応募する部門の専門性と経験が合わなければ採用には至りません。Big4の戦略組織は、選考の形も難しさも戦略ファームに近く、ケース面接の出来が合否を左右します。ケース面接の基本と練習方法は、次の記事で詳しく解説しています。

ケース面接とは?例題・解き方・評価基準・対策方法を解説
ケース面接とは?例題・解き方・評価基準・対策方法を解説ケース面接とは何かを、評価される7つの項目、フェルミ推定とケースの解き方の型、WHO→WHAT→HOWの施策の組み立て、例題、出題タイプ別の構造化、練習方法まで解説します。...

戦略コンサルと総合コンサルに向いている人

どちらに向いているかは、仕事の進め方の好みと、これまでの経験の二つの面から判断できます。

戦略コンサルに向いている人

戦略コンサルに向いているのは、答えのない問いを短い期間で考え抜くことが好きな人です。限られた情報から仮説を立て、経営陣と対等に議論する場面が続きます。案件のたびに業界やテーマが変わる環境を楽しめるかどうかも、長く続けられるかの分かれ目です。

前職でいえば、経営企画や事業開発で投資判断や事業計画に関わった人、投資銀行やPEファンドでM&Aを経験した人は、その経験を戦略コンサルの仕事につなげて話せます。将来、事業会社の経営陣やPEファンド、スタートアップの経営に進みたい人にとっても、経営課題に正面から向き合った経験は次の仕事で生きます。

総合コンサルに向いている人

総合コンサルに向いているのは、決めたことが実際に動き、成果が出るまで見届けたい人です。仕事の大半は、事業部門やIT部門、ベンダーなど大勢の関係者と調整しながら、時間をかけて一つの変革を進めていくものです。

SIerなどでシステム開発や要件定義に携わってきたエンジニア、メーカーの生産・調達・物流や、金融機関の業務・リスク管理に詳しい人は、その専門性がそのまま評価されます。業界や業務の知識を土台に、コンサルタントとしての提案力を身につけたい人に合う環境です。

総合ファームで経験を積んでから、社内の戦略組織や戦略ファームに移る人もいます。最初の転職で戦略か総合かを決めきれなくても、いまの経験を生かせるほうから入る選び方は十分に成り立ちます。

どちらを目指すか決めたあとの、応募先の絞り方や書類・面接の進め方は、コンサル転職の全体を扱った次の記事にまとめています。

コンサル転職の完全ガイド|未経験から応募先を決め、選考を進める方法
コンサル転職の完全ガイド|未経験から応募先を決め、選考を進める方法コンサル転職は未経験でも可能か、難易度を決めるもの、ファームの種類と仕事内容、選考で評価される経験から、応募経路の選び方、選考の流れと対策、スケジュールの組み方、よくある失敗まで解説します。...

戦略コンサルと総合コンサルに関するよくある質問

Big4の戦略部門は戦略コンサルですか?

仕事の中身で見れば戦略コンサルです。PwCのStrategy&、デロイト トーマツのMonitor Deloitte、EYのEY-Parthenon、KPMGコンサルティングのStrategy & Transformation(ST)は、いずれも経営層向けの戦略案件を担う組織です。独立系の戦略ファームとの違いは、同じグループの会計、税務、M&A、テクノロジーの専門家と組んで案件を進められることにあります。KPMGのSTのように、戦略立案から実行、課題解決までを伴走型で支援する組織もあります。

未経験から入りやすいのはどちらですか?

入口は、募集の数が多い総合コンサルのほうが広くなります。ただ、コンサル未経験可の求人でも、業界や業務、ITの専門性は求められます。戦略コンサルも中途採用ではコンサル以外の職歴を持つ人を採っていて、選考の中心はケース面接です。前職の業界より、面接で筋道立てて考えを組み立てられるかどうかで結果が決まります。

総合コンサルから戦略コンサルに転職できますか?

できます。総合ファームから戦略ファームへの転職は、コンサル業界の中でよくある移り方です。経営層向けの案件や業務改革の構想、PMIなどに関わった経験は、戦略ファームの選考でも評価の材料になります。ケース面接の準備は別に必要で、実装の経験を話すときも、経営の判断にどう関わったかを軸に話せるかが問われます。総合ファームの中には、社内の戦略組織へ移る道を用意している会社もあります。

コンサルを経たあとのキャリアに違いはありますか?

進む先の傾向が違います。戦略コンサル出身者に多いのは、事業会社の経営企画や事業責任者、PEファンド、スタートアップの経営陣です。総合コンサル出身者は、事業会社のDX部門やIT部門の責任者、IT企業、専門領域の近い事業会社に移るほか、戦略ファームに進む人もいます。どちらの場合も、コンサルで身につけた専門性が次の仕事につながります。

総合コンサルから戦略コンサルへ移るときに評価される経験と選考対策は、総合コンサルから戦略コンサルへ転職する方法の記事で詳しく扱っています。

まとめ

戦略コンサルと総合コンサルの違いは、どこまで責任を持つかにあります。戦略コンサルは経営陣の判断を支える構想の段階が中心で、総合コンサルは決めた方針を業務やシステムに落とし込み、成果が出るまで関わります。

会社の単位で見ると境界は薄れてきましたが、一人のコンサルタントの仕事は、所属する組織でほぼ決まります。年収は戦略ファームのほうが高く、そのぶん求められる成果物の質も高くなります。選考では、戦略はケース面接の出来、総合は部門の専門性と経験が問われます。

応募先は、会社の分類より、自分の経験がどちらの仕事で生きるか、どんな忙しさなら続けられるかを基準に選ぶのが、後悔の少ない決め方です。