EYパルテノンへの転職|年収・強み・中途採用・選考を解説
EYパルテノンへの転職を考えている方に向けて、組織ごとの仕事内容と働く環境をまとめました。EYの中でどのような仕事を担っているのかを紹介し、年収や働き方、中途採用の選考を解説します。応募先を考える際に関わる入社後のキャリアにも触れます。
EYパルテノンとEYSCの担当領域の違い
EYパルテノンは、戦略とM&A・トランザクションアドバイザリーを束ねるブランドです。日本で採用の窓口になるのは主にEYSCです。案件では、EYの税務、法務、会計、テクノロジーの専門家ともチームを組みます。
EYSC全体との違いを簡単に並べると、次のようになります。
| 比較項目 | EYパルテノン | EYSCのコンサルティング領域 |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 全社・事業戦略、M&A戦略、デューデリジェンス、PMI、事業再生、FA、バリュエーション | 業務改革、テクノロジー導入、リスク、人事、サプライチェーンなど |
| 主な顧客課題 | 経営資源をどこへ配分するか、買うか売るか、企業価値をどう上げるか | 決めた変革を、業務・組織・システムへどう実装するか |
| 案件の特徴 | 経営層との議論、投資判断、短い期限のトランザクション案件が多い | 大人数・長期間で進める変革やシステム案件も多い |
| 採用で見られる経験 | 戦略、M&A、財務、事業再生、経営企画、業界知識 | 業務、IT、人事、リスクなど応募部門ごとの専門性 |
両者の境界は、案件ごとにはっきり分かれるわけではありません。買収後の統合であれば、EYパルテノンが統合方針と価値向上策を考え、EYSCのテクノロジーや人事のチームがシステムや組織の変更を担うことがあります。戦略と実行をEYの中でつなげられる点は、EYパルテノンの大きな特徴です。
2025年7月から戦略とトランザクションを一つのブランドに統合
EYSCは2025年7月、EYパルテノンを戦略策定からM&A支援まで一体で扱うブランドへ広げました。現在は戦略コンサルティングに加え、トランザクションの実行、事業再生、財務デューデリジェンス、M&Aアドバイザリー、バリュエーションなどもEYパルテノンに含まれます。
この再編以前の転職記事では、EYパルテノンを戦略チームだけの名称として紹介していることがあります。現在の採用では、Strategy and Executionに加えて、TSE、TRS、TCFといったチームも同じブランドの中にあります。
採用担当者から届く連絡が「EY」名義になっている場合もあります。ブランド名よりも、求人票に記載されたチーム名と職務内容を見るほうが、実際の仕事を正確につかめます。
EYパルテノンの主な仕事
EYパルテノンの仕事は、大きく分けると、経営戦略を考える仕事とM&A・企業再編を支える仕事があります。どちらも経営陣の判断に関わりますが、案件で扱う数字も、転職時に評価される経験も異なります。
戦略・アンド・エグゼキューション
戦略側では、全社戦略、事業ポートフォリオ、成長戦略、新規事業、コスト構造改革、デジタル戦略、地政学戦略などを扱います。MBBなどの戦略ファームと競合する領域です。
EYパルテノンは、戦略からM&A、税務、組織、テクノロジーへ仕事をつなげやすいのが特徴です。たとえば海外市場への参入を考える案件では、市場を選んだ後に、買収候補の評価、取引の設計、買収後の統合へ進めます。
トランザクション戦略と実行支援
企業や投資ファンドがM&Aを検討するとき、買収先の市場、競争力、成長余地を調べるのがコマーシャルデューデリジェンスです。買収後は、統合計画、シナジーの実現、事業分離、売却準備まで支援します。
この仕事では、短期間で大量の情報を読み、投資するかどうかを判断できる形までまとめます。戦略コンサルのほか、投資銀行、FAS、PEファンド、事業会社のM&A部門で働いてきた人が経験を生かせる領域です。
リストラクチャリング・再建戦略
業績が悪化した企業には、事業計画の見直し、収益改善、資金繰り、利害関係者との調整を組み合わせて再建を支援します。成長戦略とは違い、時間と資金に制約がある中で、何を残し、何をやめるかを決める仕事です。
再建には、どの事業で利益を出し直すのかを考え、実際に収益構造を変える仕事が伴います。事業再生、金融機関での審査・再生支援、経営企画での構造改革といった経験がそのまま生きます。
トランザクション・アンド・コーポレートファイナンス
この領域には、M&Aのファイナンシャルアドバイザリー、財務デューデリジェンス、バリュエーション、モデリング、資本配分、インフラ、不動産などのチームがあります。戦略コンサルというより、財務・会計・取引実務の専門性が採用の中心です。
求人名が似ていても、戦略、取引の実行、財務のどこを中心にするかで仕事は変わります。応募するチームが違えば、面接で評価される経歴や専門知識も変わるため、ブランド名だけで求人を選ぶのは避けたいところです。
4領域の違いを、案件の入口と主な成果物で整理すると次のようになります。
| 領域 | 案件の入口 | 主な成果物・役割 | 接続しやすい経験 |
|---|---|---|---|
| 戦略・アンド・エグゼキューション | 成長、新市場、事業ポートフォリオを見直したい | 経営戦略、投資方針、変革計画、実行ロードマップ | 戦略コンサル、経営企画、新規事業、事業責任者 |
| トランザクション・ストラテジー・アンド・エグゼキューション | 買収、売却、統合、分離を成功させたい | オペレーショナルDD、シナジー評価、PMI、カーブアウト計画 | PMI、M&A推進、業務改革、会計・IT統合 |
| ターンアラウンド・アンド・リストラクチャリング・ストラテジー | 業績・資金繰りを立て直したい | 再生計画、収益改善、資金繰り管理、利害関係者調整 | 事業再生、銀行審査、経営改善、構造改革 |
| トランザクション・アンド・コーポレートファイナンス | 取引価格と条件を決め、売買を実行したい | FA、財務DD、企業価値評価、モデリング、交渉支援 | 投資銀行、FAS、会計士、財務、ファンド |
同じM&A案件でも、TSEとTCFでは役割が違います。TSEが扱うのは統合や分離の進め方です。TCFは財務分析、企業価値評価、取引交渉を中心に進めます。両方に応募できる経歴であっても、入社後に深める専門性は同じではありません。
EYパルテノンの強み
戦略とM&Aを一本につなげられる
EYパルテノンの特徴が最もよく表れるのは、戦略を考えるチームと取引を進めるチームが同じブランドの中にいることです。新規事業や既存事業の成長だけでなく、買収や売却も含めて企業価値をどう高めるかを考えます。
MBBをはじめとする戦略ファームは経営戦略や事業成長を得意とし、FASはデューデリジェンス、バリュエーション、取引実行を得意とします。EYパルテノンは両者をまたぐ案件を持っており、戦略とM&Aの双方を経験できる点に特色があります。
もう一つはクロスボーダー案件です。EYパルテノンは世界150以上の国・地域に25,000人を超えるプロフェッショナルを抱えています。日本企業の海外買収、海外企業の日本進出、複数国にまたがる事業再編では、現地チームと共同で進める場面が多くなります。
投資家の視点で事業を評価する
EYパルテノンでは、事業会社の経営陣だけでなく、プライベートエクイティファンドや投資家の判断も支援します。市場が伸びるかだけでは足りません。競争力は維持できるか、投資額に見合うリターンを出せるか、買収後に何を変えれば価値が上がるかまで考えます。
この視点は、通常の成長戦略でも変わりません。既存事業へ追加投資するのか、別の事業へ資金を移すのか、売却して資本を回収するのか。市場の魅力度だけでなく、限られた資金をどこへ配分するかまで踏み込みます。
EY内の税務・法務・会計・テクノロジーと組める
M&Aを実行すると、税務、契約、会計、人事、IT、サイバーセキュリティなどの論点が同時に出てきます。EYパルテノンだけですべてを抱えるのではなく、EY税理士法人、EYの法務・会計領域、EYSCのテクノロジーや人事チームと組み、案件を前へ進めます。
カーブアウトを例にとると、事業を売る方針を決めただけでは取引は進みません。移す従業員と契約を特定し、IT環境を分け、移行期間中の業務まで設計します。税務や法務の論点も避けて通れません。一つの専門を持ちながら、周辺領域まで視野を広げていく仕事です。
戦略ファームと総合ファームの仕事の違いは、次の記事で詳しく比較しています。
https://mbb-tenshoku.com/strategy-vs-general-consulting/
EYパルテノンとMBB・FAS・EYSCの違い
EYパルテノンは、戦略ファームともFASとも仕事が重なります。違いが出るのは、案件がどこから始まり、どこまで続くかです。
| 比較先 | 強みが出る仕事 | EYパルテノンとの違い |
|---|---|---|
| MBB | 全社戦略、成長戦略、大規模変革 | EYパルテノンはM&A実行、財務、税務など取引周辺まで同じネットワークでつなぎやすい |
| Strategy&などBig4系戦略部門 | 戦略から総合ファームの実行部門への接続 | EYパルテノンは戦略とトランザクションを同じブランドに統合している |
| FAS | 財務DD、バリュエーション、FA、再生 | EYパルテノンの戦略チームでは、取引前の事業戦略や成長余地から入れる |
| EYSCのコンサルティング領域 | 業務、IT、人事、リスクを含む変革実行 | EYパルテノンは経営資源の配分、投資判断、M&A、企業価値を中心に扱う |
全社戦略を中心に経験したい人にとっては、MBBを含む戦略ファームが有力です。買収、売却、事業再生まで一続きで扱いたい人にとっては、EYパルテノンの仕事に魅力があります。会社の上下ではなく、関わりたい経営判断の違いです。
FAS出身者にとっては、財務DDや価値評価の専門性を深める道と、事業戦略やPMIへ広げる道があります。EYパルテノンのどのチームへ入るかで、その後の専門性は大きく変わります。
EYパルテノンの年収
EYSC全体について投稿された年収の平均は999万円、コンサルタント職では994万円です。EYパルテノンには戦略・トランザクション系の専門職が多く、報酬は配属チームと入社職位によって変わります。
職位別の年収は、次の水準が目安です。
| 職位 | 年収の目安 | 主な役割 |
|---|---|---|
| コンサルタント | 600万〜900万円 | 情報収集、分析、資料作成、担当論点の検証 |
| シニアコンサルタント | 900万〜1,200万円 | 担当領域の設計、分析の主導、顧客との実務調整 |
| マネージャー | 1,200万〜1,600万円 | 案件全体の進行、品質管理、チーム運営 |
| シニアマネージャー | 1,500万〜2,000万円 | 複数案件、提案、重要顧客との関係を担当 |
| ディレクター以上 | 1,800万円〜 | 案件創出、組織運営、人材育成を担う |
転職時の年収を決めるのは、年齢より入社職位です。事業会社で課長だった人でも、コンサルティングの進め方を一から学ぶ必要があると判断されれば、マネージャーで入れるとは限りません。反対に、戦略ファームやFASで同じ種類の案件を率いてきた人は、現職と近い職位で評価されます。
ほかの戦略ファームを含めた年収比較は、戦略コンサルのランキング記事にまとめています。
https://mbb-tenshoku.com/strategy-consulting-ranking/
EYパルテノンは激務?案件によって忙しさの質が違う
EYパルテノンの仕事は忙しく、余裕を持って進む案件ばかりではありません。ただ、その忙しさはチームによってかなり違います。
成長戦略や全社戦略は、経営会議や中間報告に向けて作業が集中します。トランザクションは入札や契約の期限が先に決まっているため、数週間の短期間に調査、分析、資料作成が重なります。PMIや事業再生は期間が長くなりやすく、クライアントの経営陣と現場の間に入り続ける負荷があります。
クロスボーダー案件では、海外チームとの会議が朝や夕方に入ります。英語そのものより、時差の中で意思決定をそろえることが負担になる場合もあります。
実際の働き方を知るには、平均残業時間に加えて、応募先の案件について聞いておきたいところです。直近の案件で戦略、デューデリジェンス、PMIがそれぞれどの程度を占めるのか。1案件は何カ月続くのか。海外チームとはどのくらいの頻度で組むのか。面接でこのあたりを聞くと、配属後の働き方を確かめられます。
EYパルテノンの社風・評価・育成制度
プロジェクト自体は少人数で進みますが、案件の途中ではEY内のさまざまな専門家が加わります。税務、法務、会計、ITの担当者から必要な知見を集め、それを顧客にとって一つの答えにまとめる。個人の分析力に加えて、専門の異なる人たちと仕事を組み立てる力が問われる組織です。
評価はLEADとカウンセラー制度を軸に進む
EYSCの評価・育成は「LEAD」という仕組みを軸に進みます。案件ごとのフィードバックを蓄積し、今後のキャリアや伸ばしたい力をカウンセラーと話し合います。年度末の評価にも次の配属にも、日々の仕事で得たフィードバックを生かします。
配属の希望は、「戦略をやりたい」という大きなくくりより、案件テーマまで具体的にしたほうが伝わります。消費財の成長戦略、PEファンド向けのデューデリジェンス、海外子会社のカーブアウトでは、必要な経験がまるで違うからです。希望どおりの案件が常にあるわけではありませんが、カウンセラーが次の配置を考える材料になります。
専門研修と実案件で学ぶ
EYパルテノンでは、先輩の仕事を間近で学ぶアプレンティスシップと、職種別のスキル開発に力を入れています。共通のコンサルティング研修に加え、TSEでは統合・分離やシナジー評価、TCFでは財務分析や企業価値評価など、チームごとの知識を身につけます。
中途入社者が戸惑いやすいのは、業界知識より仕事の進め方です。仮説を置き、必要な分析を絞り、途中段階で上司に見せる。事業会社で完成度を高めてから報告してきた人ほど、この短い確認の繰り返しに慣れるまで時間がかかります。
海外チームとの共同作業が多い
日本企業の海外買収や海外事業の見直しでは、現地のEYパルテノンと一つのチームを組みます。現地市場の調査を任せるだけでなく、各国で出た分析をまとめ、日本側の経営判断につなげるところまで日本チームの仕事です。
英語が流暢でも、論点や期限が曖昧では仕事は進みません。結論、依頼事項、締切を短く伝える力のほうが、実務では効きます。クロスボーダー案件を希望する人には、会話力だけでなく、英語でプロジェクトを動かす力も求められます。
EYパルテノンに向いている人
EYパルテノンで経験を生かしやすいのは、戦略を考えるだけでなく、取引や実行まで関わってきた人です。採用につながりやすい経歴には、次のようなものがあります。
- 戦略ファームや総合ファームの戦略部門で、全社戦略や成長戦略を担当した経験
- 投資銀行、FAS、PEファンドで、M&Aや企業分析を担当した経験
- 事業会社の経営企画やM&A部門で、投資判断やPMIを進めた経験
- 会計士、金融機関、再生支援会社で、財務分析や事業再生に関わった経験
- 特定業界で事業責任を持ち、海外を含む変革を進めた経験
コンサル未経験者にも採用の機会はありますが、評価される経験はチームごとに異なります。メーカーでの新規事業立ち上げは戦略、商社での投資案件はトランザクション、銀行での再生支援はリストラクチャリングと相性がよい経歴です。同じEYパルテノンでも、応募先によって経歴の見せ方は変わります。
経営企画・事業開発出身者
経営企画や事業開発の経験者は、社内で経営判断が決まる過程を知っています。選考で材料になるのは、市場調査そのものより、その調査を受けて経営会議へ何を提案し、投資や撤退の判断がどう変わったかです。新規事業が計画どおりに進まず、前提を見直して立て直した経験も、戦略案件との接点になります。
M&A・財務の経験者
投資銀行、FAS、会計士、事業会社のM&A担当者には、取引を正確に進めてきた強みがあります。その専門性を事業性の評価へ広げたいのか、契約成立後のPMIまで担当したいのかによって、合うチームは変わります。
戦略チームを志望する場合は、数字を扱えることに加えて、財務情報の奥にある事業課題まで見た経験が欲しいところです。分析を受けて経営陣がどんな判断をしたのかまで話せると、戦略とのつながりが伝わります。
業界の専門家・事業責任者
製薬、エネルギー、金融、製造などで長く働いた人は、業界構造と現場の制約を理解しています。コンサル未経験でも、専門知識を経営課題へ結び付けられれば評価されます。規制変更を受けて事業計画を直した、複数部門をまとめて収益を改善した、海外拠点の立て直しを主導したといった案件テーマが材料です。
一方、担当領域を狭く固定したい人とは相性が分かれます。同じM&A案件の中でも、戦略、財務、税務、ITの境界を越えて動く場面があるためです。専門を深めつつ周辺領域にも踏み込む働き方が合わなければ、より専門特化した組織のほうが働きやすいでしょう。
EYパルテノンの中途採用と選考フロー
中途採用は、応募するチームと職位によって内容が変わります。基本は次の流れです。
- 履歴書・職務経歴書の提出
- Webテストまたは適性検査
- 複数回の面接
- 最終面接と条件面談
戦略系の職種ではケース面接、トランザクションや財務系の職種では会計・M&Aの専門質問が入ります。マネージャー以上は、案件を取る力、顧客との関係、チーム育成まで確認されます。
選考は、人物面接、ケース面接、専門面接の三つに分けて考えると準備しやすくなります。人物面接では経歴と志望理由、ケース面接では考え方、専門面接では応募チームの実務知識が中心です。TSEならPMIやカーブアウトの優先順位、TRSなら再建計画と資金繰りのつながり、TCFなら企業価値評価や財務諸表の読み方が質問の材料になります。財務モデルを作ってきた人は、モデルの範囲、主要な仮定、感応度分析、レビューの方法まで説明できるようにしておきます。守秘義務に触れる案件は、業界、規模、論点を一般化して話せば十分です。
マネージャー以上では、分析力よりも、顧客の役員と合意を作った経験や、難しい局面でチームを率いた経験が重くなります。提案から次の案件につなげた実績も評価の対象です。チーム全体の成果と自分の判断を分けて話せると、上位職として担った役割が伝わります。
職務経歴書は案件テーマを応募先に合わせる
職務経歴書では、応募するチームに近い案件を前に出してください。面接官が知りたいのは、案件の名前に加えて、本人がどの工程を担い、どのような判断と成果につなげたかです。専門性を発揮した場面も書いておくと、面接での深掘りに対応しやすくなります。
戦略・アンド・エグゼキューションなら、どの市場を選び、何を根拠に経営判断を変えたか。トランザクションなら、どの取引局面で、どのリスクを見つけ、意思決定へどう反映したか。PMIなら、部門間の利害をどう調整し、統合計画を動かしたかまで書きます。
コンサル向け職務経歴書の書き方は、次の記事で詳しく解説しています。
https://mbb-tenshoku.com/consulting-resume/
Webテストは玉手箱とTG-WEBを先に固める
EYSCの中途採用では、玉手箱またはTG-WEBが使われます。玉手箱なら計数と言語、TG-WEBなら推論と図形を優先します。受検案内が届いてから初めて問題を見るのでは遅いため、応募前に両方の基本問題を解いておきます。
職種によっては、テストの代わりに選考課題が出ることもあります。スライドで提出する課題なら、分析の量を増やす前に、問い、前提、結論、根拠をそろえ、1枚ごとのメッセージを一文で置きます。
テストの特徴とおすすめ問題集は、Webテスト対策の記事にまとめました。
https://mbb-tenshoku.com/consulting-web-test/
ケース面接は投資家の視点まで入れる
戦略系のケース面接では、売上向上や市場参入を整理するだけでなく、企業価値がどう変わるかまで考えます。M&Aに関わるチームの場合、「魅力的な市場だから買う」では結論になりません。買収価格、成長余地、リスク、統合後に施策を実行できるかまでが検討範囲です。
たとえば「食品メーカーが健康食品会社を買収すべきか」というお題なら、市場成長率だけでなく、自社の販売網で伸ばせるか、既存ブランドと競合しないか、統合にいくらかかるかを整理します。EYパルテノンらしい回答は、戦略の良し悪しを、取引と実行の条件までつないだ回答です。
練習するお題は、次の四つの型に分けておくと、応募するチームの仕事に近いものから準備できます。
| テーマ | 主な論点 |
|---|---|
| 成長戦略 | 市場、顧客、競争優位、実行能力 |
| 新規参入 | 市場の魅力度、参入障壁、勝ち筋、投資回収 |
| 商業デューデリジェンス | 市場規模、成長率、競争、対象会社の計画の妥当性 |
| 収益改善 | 売上、価格、顧客構成、原価、固定費、実行の順序 |
どの型でも、最初に確かめたいのは誰の意思決定かです。買い手が投資を判断したいのか、経営者が成長策を選びたいのかで、必要な分析が変わります。結論は、推奨、理由、主要なリスク、次に確認することの順で短くまとめます。
ケース面接の基本手順は、次の記事で練習できます。
https://mbb-tenshoku.com/case-interview/
志望動機は「戦略とM&Aの接続」で作る
戦略やM&Aに関われる会社は複数あります。EYパルテノンを志望するなら、戦略の立案から取引後の実行まで、どの仕事に惹かれたのかを自分の経験と結びつけて説明することが大切です。
EYパルテノンを選ぶ理由は、自分が経験してきた課題を、戦略、取引、実行のどこまで広げたいかで作ります。経営企画で買収後の統合に苦労した人なら、買収前の戦略からPMIまで一貫して関わりたい。FASで財務デューデリジェンスをしてきた人なら、数字の検証に加えて事業の成長余地を判断したい。このつなぎ方なら、応募先の仕事と自分の経験が合います。
逆質問で確認したいのは、ブランド全体の一般論より、面接官が所属するチームの実情です。直近1年で多かった案件、他チームと一緒に動く場面、中途入社者が最初の半年で任される役割。このあたりを聞くと、配属後の仕事がかなり具体的になります。
面接で聞かれやすい質問
経歴面接では、具体例を挙げて過去の行動を説明する質問が中心です。次の質問には1〜2分で答えられるようにしておきます。
- なぜ今、転職するのか
- なぜEYパルテノンなのか、なぜこのチーム・求人なのか
- 最も難しかった経営課題は何か
- 不十分な情報で判断した経験はあるか
- 反対意見のある相手をどう動かしたか
- 分析が外れたとき、何を変えたか
状況と結果を説明するときは、その判断を選んだ理由まで話します。なぜその選択肢を選んだかが抜けると、問題解決の再現性が伝わりません。答え方の組み立ては、ビヘイビア面接の記事で解説しています。
https://mbb-tenshoku.com/behavior-interview/
最終面接とオファーで確認すること
最終段階では、長期的なキャリア、応募チームとの相性、職位の妥当性が確認されます。オファー面談では、金額のほかに次の点を確かめておきます。
- 法人、所属チーム、勤務地
- 入社時の職位と評価される役割
- 戦略、M&A、財務の案件の想定比率
- 基本報酬、賞与、初年度の計算条件
- 出張や海外チームとの協働
- 評価期間と昇進の仕組み
EYパルテノンという名前だけで仕事内容を決めず、所属法人、チーム、案件のフェーズまで確かめておくと、入社後のずれを防げます。
EYパルテノン入社後のキャリア
EYパルテノンでは、担当領域の専門性を深める道と、複数領域をまたいで案件を率いる道があります。戦略チームで特定業界を深める人、TSEでPMI・カーブアウトの専門家になる人、TRSで再生局面の経営支援を続ける人など、キャリアの作り方は一つではありません。
社内異動は、名称の近さだけで簡単に決まるものではありません。戦略からTSEへ移るならM&A後の実行経験、TCFから戦略へ広げるなら市場・競争分析の経験が問われます。現在の案件で隣接チームと組み、次の仕事につながる実績を作ってから動くのが現実的です。
退職後は、事業会社の経営企画、M&A・PMI責任者、CFO組織、PEファンド、投資先企業の経営幹部などが候補になります。転職先の選択肢は、関わった投資判断や変革の実績、数字で示せる成果によって変わります。入社後は、戦略、取引、実行のうち、どの経験をどう組み合わせるか考えておくと、その後の選択肢が増えます。
EYパルテノンに関するよくある質問
EYパルテノンはEYSCと別会社ですか?
別会社ではありません。EYパルテノンはEYの戦略・トランザクション領域のブランドで、日本では主にEYSCのチームがサービスを提供しています。応募時はブランド名だけでなく、求人を出している法人と配属チームまで見ます。
EYパルテノンは戦略コンサルですか?
戦略コンサルティングを行っています。同時に、M&Aのデューデリジェンス、PMI、FA、バリュエーション、事業再生も扱います。純粋な戦略案件だけを希望するなら、Strategy and Executionなど応募先のチームを絞ります。
英語は必要ですか?
クロスボーダー案件では必要です。海外チームとの会議、英語資料の読解、海外企業へのインタビューで使います。国内案件を中心に入社できる職種もありますが、職位が上がるほど英語で仕事を進める場面は増えます。
EYSCの選考と何が違いますか?
応募から面接までの仕組みは、EYSCの採用プロセスと同じです。違いは中身で、EYパルテノンでは戦略、トランザクション、コーポレート・ファイナンスに近い問題解決力と専門性に重点が置かれます。EYSC全体の組織や選考は、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの記事で扱っています。
https://mbb-tenshoku.com/ey-consulting-guide/
ケース面接はありますか?
戦略コンサルティングの職種では実施されます。財務・M&Aの専門職では、ケースに加えて会計、企業価値評価、取引実務の質問が増えます。応募する求人の仕事内容によって、準備する専門知識も変わります。
まとめ
EYパルテノンは、戦略の立案とM&Aなどの取引を一つの流れで扱う組織です。チームによって仕事が異なるため、応募時には自分が希望する領域とその理由を整理してください。
全社・成長戦略、M&A戦略、デューデリジェンス、PMI、事業再生、FA、バリュエーションのうち、どこでこれまでの経験を使い、次に何を身につけるのか。応募するチームが決まると、職務経歴書で前に出す案件も、面接で話す内容も自然に絞られます。
EYパルテノンに転職したい人におすすめの転職エージェント
EYパルテノンは応募するチームによって仕事が変わります。チームごとの求人や選考について相談できる転職エージェントを比較してみてください。