EYストラテジー・アンド・コンサルティングへの転職を考える方に向けて、会社が担う仕事と組織を紹介します。幅広い職種があるため、応募先を考えるうえでは会社全体と各職種の両方を知っておきたいところです。年収や働き方、中途採用の選考、入社後のキャリアまで解説します。

Contents
  1. EYストラテジー・アンド・コンサルティングとは?EY Japanの中の位置づけ
  2. EYストラテジー・アンド・コンサルティングの組織|セクターとユニット
  3. EYストラテジー・アンド・コンサルティングのユニットと前職別の選び方
  4. EYストラテジー・アンド・コンサルティングの強みと社風
  5. EYストラテジー・アンド・コンサルティングの年収はいくら?平均年収と他社比較
  6. EYストラテジー・アンド・コンサルティングは激務?働き方の制度と繁忙期
  7. EYストラテジー・アンド・コンサルティングの中途採用と選考フロー
  8. EYストラテジー・アンド・コンサルティングの研修制度とキャリアパス
  9. EYストラテジー・アンド・コンサルティングに関するよくある質問
  10. まとめ
  11. EYストラテジー・アンド・コンサルティングに転職したい人におすすめの転職エージェント

EYストラテジー・アンド・コンサルティングとは?EY Japanの中の位置づけ

Big4は、世界の4大会計事務所を母体とするプロフェッショナルファームのグループです。EYはその一つで、世界150以上の国と地域に約40万人のメンバーを抱えています。日本では、2017年に設立されたEYジャパン合同会社のもとに、監査、税務、法務、コンサルティングなどの法人が並んでいます。案件ごとに、法人をまたいでチームを組む体制です。

このうち、経営コンサルティングとM&A支援を受け持つ法人がEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社です。人員は約4,400名。本社は東京ミッドタウン日比谷にあり、大阪、京都、福岡にもオフィスを置いています。

EY Japanの主な法人

求人を探していると、EYの名前が付いた法人がいくつも出てきます。コンサルタントとして転職する人に関わりの深い法人を表にまとめました。

法人 主な業務
EYストラテジー・アンド・コンサルティング 経営コンサルティング、戦略、M&A支援
EY新日本有限責任監査法人 監査・保証
EY税理士法人 税務
EY弁護士法人 法務
EYビジネスパートナー 経理・会計・給与計算などのアウトソーシング

監査法人や税理士法人のメンバーとは、案件で一緒に働くことはあっても、雇用主は別です。会計やリスク管理の分野は監査法人の側にもアドバイザリーのサービスがあり、仕事の名前だけでは区別がつかない場合もあります。求人票を開いたら、職種名と一緒に募集している法人名も見ておくと安心です。

2020年の統合と2025年の再編

EYSCは、2020年10月1日に二つの法人が統合して発足しました。M&A支援を担っていたEYトランザクション・アドバイザリー・サービス(EYTAS)と、経営コンサルティングを担っていたEYアドバイザリー・アンド・コンサルティング(EYACC)です。発足時の柱は、コンサルティングと、ストラテジー・アンド・トランザクションの二つのサービスラインでした。

2025年7月1日には、戦略コンサルティングのブランドだったEY-Parthenonが拡張され、戦略策定からM&A支援まで、ストラテジー・アンド・トランザクションの領域全体を受け持つ体制に変わりました。いまのEYSCは、業務改革やテクノロジーを担うコンサルティングと、戦略とM&Aを担うEY-Parthenonの二本柱です。

口コミサイトや転職記事では、いまも旧社名のEYACCやEYTAS、SaT(ストラテジー・アンド・トランザクション)という部門名を見かけます。2020年9月以前の口コミは、統合前の別々の法人の話です。SaTの名前で語られる組織は、いまのEY-Parthenonにあたります。書かれた時期を確かめながら読めば、古い情報をいまの話と取り違えずに済みます。

EYストラテジー・アンド・コンサルティングの組織|セクターとユニット

大手の総合ファームでは、クライアントの業界で分けた組織と、提供するサービスの専門で分けた組織を組み合わせた形が一般的です。EYSCでは、業界の側をセクター、専門の側をユニットと呼んでいます。セクターのメンバーが担当業界のクライアントと長く付き合いながら課題を見つけ、ユニットの専門家と組んで解決まで進める形です。

EYストラテジー・アンド・コンサルティングの採用サイトに並ぶ7つのセクターと業界横断の取り組み

画像:EYストラテジー・アンド・コンサルティング 仕事を知る - セクター

7つのセクター

セクターは7つあり、それぞれの主なクライアントは次のとおりです。

セクター 主なクライアント
テクノロジー・メディア・通信 半導体・エレクトロニクス、メディア・エンターテインメント、通信
公共・社会インフラ 官公庁・自治体、鉄道・不動産などの社会インフラ
医療・医薬 製薬、医療機器、医療機関、医療政策
自動車・運輸等 自動車メーカー、部品サプライヤー、機械・重工、化学・素材
消費財・小売流通 消費財メーカー、小売
エネルギー 電力・ガス、石油・天然ガス、鉱業・金属、商社
金融サービス 銀行・証券、資産運用、保険

7つのうち、金融サービスだけは組み立てが少し違います。銀行・証券、資産運用、保険のクライアントに向けて、戦略、オペレーション、リスク、テクノロジー、M&Aまで、金融の案件に要る専門家を一つの組織に集めています。金融機関の出身者なら、ユニットと掛け合わせて考える前に、金融サービスの中のチームから応募先を探すのが早道でしょう。

公共・社会インフラも大きなセクターで、パートナーを含む約200名が5つのチームに分かれ、官と民の両方のクライアントを受け持っています。エネルギーでは、メンバーの約半数に、電力会社や商社などの事業会社で働いた経験があります。

業界横断のチーム

セクターのほかに、業界をまたいで動くチームもあります。経済安全保障やルール形成を扱うストラテジックインパクト、日本企業の海外展開を支えるジャパン アウトバウンド ビジネス、九州・福岡の地域と連携しながらエンジニアを集めるEYデジタルハブなどです。

この中でEYSCらしさがよく出ているチームは、ストラテジックインパクトです。経済安全保障、サイバーセキュリティ、脱炭素などの分野で政策アドバイザーを務めるコンサルタントが中心になり、各国の政策やルールの変化を、企業の戦略や事業の組み替えに落とし込んでいます。官公庁やシンクタンクで政策に携わってきた人なら、その経験を企業の戦略の仕事に持ち込めます。

EYストラテジー・アンド・コンサルティングのユニットと前職別の選び方

ユニットは、戦略、M&A、ファイナンス、人事、テクノロジーといった専門ごとに分かれた組織です。前職の職種で培った専門を軸に応募先を探すなら、まずユニットの一覧から見ていくことになります。

EYストラテジー・アンド・コンサルティングの採用サイトに並ぶ10のユニット

画像:EYストラテジー・アンド・コンサルティング 仕事を知る - ユニット

ユニットは全部で10あり、そのうち戦略コンサルティング、PMI・カーブアウト・組織再編、事業再生・バリューアップ、M&Aアドバイザリーの4つがEY-Parthenonに属しています。残りの6つは、コンサルティングのサービスラインに属するユニットです。

ユニット 主な仕事
戦略コンサルティング 全社・事業戦略、ポートフォリオ戦略、新規事業、M&A戦略
PMI・カーブアウト・組織再編 買収後の統合、事業の切り出し、グループ再編
事業再生・バリューアップ 業績の厳しい企業の再建計画と実行支援
M&Aアドバイザリー 財務デューデリジェンス、M&Aの助言、企業価値評価
顧客体験 新規事業・サービスの創出、マーケティング・営業・アフターサービスのDX
サプライチェーン 調達・生産・物流を含むサプライチェーンの改革
ファイナンス 経理業務の改革、経営管理、シェアードサービス
組織・人材マネジメント 人事・組織の変革、人材戦略、人事システムの導入
リスク 全社のリスク管理、デジタルガバナンス、社会的リスクへの対応
テクノロジー IT戦略、システム導入、AI・データ、サイバーセキュリティ

以下、前職の経験ごとに、候補になるユニットを紹介します。

経理・財務、経営企画の経験者

経理や経営管理の経験を生かすなら、候補はファイナンスです。約130名の規模で、CFOが抱える課題を7つの専門領域に分けて支援しています。決算の早期化、IFRSの導入、経営管理の高度化、海外子会社を含むシェアードサービスの立ち上げ、グループの資金管理といった案件が中心です。シニアコンサルタントとコンサルタントの応募資格には、事業会社の経理や経営企画での実務経験が挙がっています。

生産・調達・物流の経験者

生産管理や調達、物流の経験を生かす先は、サプライチェーンです。このユニットの特徴は、材料の調達難、需要の変動、国内の働き手の減少、米中の対立といった社会の変化を、サプライチェーンの課題と結びつけて扱う点です。案件は、EYの海外のチームとも連携して進めます。メンバーは専門ごとのチームに所属しつつ、案件にはユニットの枠を越えて入ります。一つの業務の専門を深めながら、サプライチェーン全体を見渡す経験も積める仕組みです。

営業・マーケティングの経験者

営業企画やマーケティング、カスタマーサポートの経験は、顧客体験(CXT)のユニットで生かせます。顧客と社員の体験を変えて、クライアントの売上を伸ばすことを目指しています。顧客を起点にした新規事業やサービスの立ち上げと、マーケティング・営業・アフターサービスのデジタル化が主なテーマです。大手自動車メーカーのグローバルなCX施策や、鉄道会社のコンタクトセンター改革といった案件を手がけてきました。

IT・エンジニアの経験者

IT系の経験者の入口はテクノロジーです。IT戦略の策定からシステムの導入までを受け持つユニットで、Digital Platforms、AI & Data、Technology Strategy & Transformation、Digital Engineering、Cybersecurity、FS Technologyなどのチームに分かれています。ERPや業務パッケージの導入、AIやデータ基盤、セキュリティなど、得意分野に合わせてチームを選べます。

金融機関向けのFSテクノロジーでは、システム会社で企画や開発をしてきた人や、金融機関のIT部門にいた人なら、コンサル未経験でも応募できます。開発の現場にいたエンジニアには、業界横断のEYデジタルハブという選択肢もあります。

人事の経験者

人事の経験者向けには、組織・人材マネジメント(People Consulting)があります。4つの専門チームからなり、人事・組織の変革戦略から、中長期の人材ポートフォリオの策定、SAP SuccessFactorsのような人事システムの導入までを手がけています。クロスボーダーのM&Aで、人事面のデューデリジェンスから買収後の組織再編までを支援した案件もあり、人事の立場からM&Aに関わることもできます。

リスク管理・内部監査の経験者

リスク管理や内部監査の経験者は、リスクのユニットを見ておきたいところです。リスクマネジメント、デジタルリスク、パブリックアジェンダ、プロセス&コントロールといったチームがあります。DXを進めるためのガバナンスづくり、地政学リスクへの対応、社会インフラに関わるリスクなど、テーマの幅は広めです。

内部監査の経験は、事業部門・管理部門・内部監査の役割を整理する3線モデルの導入のような案件で生きてきます。パブリックアジェンダには、官公庁、IT企業、金融機関、製造業など、コンサル業界の外から入ったメンバーも多く在籍しています。

M&A・事業再生の経験者

投資銀行やPEファンド、監査法人、事業会社のM&A部門でM&Aに携わってきた人には、EY-Parthenonの3つのユニットが主な入口になります。M&Aアドバイザリーは、財務デューデリジェンス、M&Aの助言、企業価値評価、インフラや不動産の取引支援などを扱います。PMI・カーブアウト・組織再編は、買収後の統合、事業の切り出し、持株会社化を含むグループ再編を、構想から実行まで支援するユニットです。買う側の案件も、売る側の案件も手がけています。

事業再生・バリューアップは、パートナーを含む約50名のチームです。現状の把握から計画づくり、クライアントの役職員と進める構造改革まで、ハンズオン型の支援を続けてきました。メンバーの出身は、監査法人、金融機関、事業会社、コンサルティングファームとさまざまです。

戦略コンサルタント志望の場合

戦略コンサルタントを目指すなら、応募先はEY-Parthenonの戦略コンサルティングになります。EY-Parthenonのルーツは、1991年に設立された戦略ファームのパルテノンです。パルテノンは2014年にEYに加わりました。日本の戦略チームは25名のパートナーを中心にセクター別の体制をとり、ポートフォリオ戦略、成長戦略、新規事業、M&A戦略などを扱っています。同じ会社にM&A、PMI、事業再生のユニットがあるので、戦略を描いたあとの買収や統合、再編の実行まで一続きで関われます。

EY-Parthenonをほかの戦略ファームと並べて比べたい人は、戦略コンサルのランキング記事が参考になります。

https://mbb-tenshoku.com/strategy-consulting-ranking/

EY-Parthenonのチームごとの仕事、年収、選考は、次の記事で詳しく扱っています。

https://mbb-tenshoku.com/ey-parthenon-guide/

EYストラテジー・アンド・コンサルティングの強みと社風

Big4系のファームの強みとしてよく挙がるのは、世界規模のネットワークと、監査・税務・法務の専門家と組める体制です。どちらも4社に共通する特徴で、EYSCらしさはむしろ、法人をまたいだチームのつくり方と、協働を重んじる社風に表れています。

法人をまたぐチーム

EY Japanでは、EYジャパン合同会社のもとで、監査法人、税理士法人、EYSCのメンバーが案件ごとにチームを編成します。この体制を生かして、2024年度にはFamily Consulting Organizationが立ち上がりました。EYSCとEY税理士法人の共同事業で、オーナー系企業の経営者と一族が抱える課題を扱います。事業の承継、一族のガバナンス、グループの再編のように、税務と経営の両方がからむテーマを、一つのチームで引き受けています。

協働を重んじる社風

EYSCは、チームや組織をまたいだ協働を大事にする会社です。セクターとユニットが組んで案件を進めるのが基本の形です。たとえばリスクのユニットは、セクターのチームや海外のリスク・コンサルティングのチームと一緒に、提案からデリバリーまでを手がけています。一つの案件に専門の違うメンバーが入るのが普通なので、自分の専門を持ちながら、ほかの専門の人と議論して答えを出す仕事が好きな人に向いています。

法人としては2020年発足と比較的新しく、採用を続けながら規模を広げてきました。組織の区切りや部門の名前が数年ごとに変わってきたのも、拡大の途中にある会社らしいところです。そのぶん、新しいチームやサービスの立ち上げに関われる機会も多くあります。

戦略ファームと総合ファームでは、案件のどの段階を受け持つかが大きく違います。どちらを目指すかで迷っている人のために、両者の違いを次の記事で整理しました。

https://mbb-tenshoku.com/strategy-vs-general-consulting/

ほかのBig4系ファームの組織の分け方は、それぞれの企業ガイドで紹介しています。

https://mbb-tenshoku.com/pwc-consulting-guide/
https://mbb-tenshoku.com/deloitte-consulting-guide/

EYストラテジー・アンド・コンサルティングの年収はいくら?平均年収と他社比較

コンサルタントの年収は、どの種類のファームにいるか、どの職位にいるかでおおよその水準が決まります。Big4系を含む総合ファームはおおむね1,000万円前後に集まり、戦略ファームはそれより数百万円高い水準です。主な総合ファームと戦略ファームについて投稿された年収の平均を並べました。

会社 平均年収
EYストラテジー・アンド・コンサルティング 999万円
PwCコンサルティング 1,079万円
KPMGコンサルティング 1,006万円
ベイカレント・コンサルティング 993万円
合同会社デロイト トーマツ 993万円
アクセンチュア 931万円
アビームコンサルティング 855万円
ボストン・コンサルティング・グループ(戦略系) 1,648万円
マッキンゼー・アンド・カンパニー(戦略系) 1,528万円
ベイン・アンド・カンパニー(戦略系) 1,427万円

EYSCの平均年収は999万円で、KPMGコンサルティング、ベイカレント、デロイト トーマツとほぼ同じ水準です。Big4系の中ではPwCコンサルティングが一段高く、アクセンチュアとアビームはEYSCを下回ります。1,400万〜1,600万円台の戦略ファームとは、数百万円の開きがあります。

年収に差が出る理由

平均年収の差は、社員の職種の構成と、クライアントから受け取る報酬の単価の二つから生まれます。EYSCの999万円には、EY-Parthenonで戦略やM&Aを担うメンバーも、システムの導入を担うテクノロジーのメンバーも含まれています。

M&Aの助言や戦略の案件は、少人数のチームが短い期間で、経営の判断に直結する答えを出す仕事です。1人あたりの単価は高く設定されますが、数字一つの誤りが取引の条件や経営の決定に響くので、分析にも資料にも高い精度が求められます。大規模なシステム導入や業務改革は、多くの人数で長い期間をかけて進めるため、1人あたりの単価は戦略案件ほど上がりません。

平均年収で上位に並ぶ戦略ファームは、単価の高い案件を中心に組織を回しています。報酬が高いぶん、その単価に見合う品質のデリバリーを、案件ごとに続けることが前提です。EYSCの中でも、どのユニットで働くかによって、年収の水準も、求められる仕事の密度も違ってきます。

職位と年収の決まり方

EYSCの職位は、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー、ディレクター、アソシエートパートナー、パートナーの順です。中途入社の年収は、どの職位で採用されるかで大きく変わります。職位の判断材料になるのは、チームごとの応募資格に書かれた経験年数と、プロジェクトを率いた経験の有無です。

EYストラテジー・アンド・コンサルティングは激務?働き方の制度と繁忙期

コンサルの忙しさは、会社による違いよりも、案件の種類と局面で決まる部分が大きいものです。EYSCでいえば、M&Aの案件は取引の日程に、システム導入は本番稼働の日に、官公庁の案件は年度の区切りに縛られ、山場が来る時期も、その長さも違います。同じ会社でも、どのユニットでどんな案件に入るかによって、働き方はかなり変わってきます。

勤務制度とリモートワーク

働き方の制度は、働く場所と時間を柔軟にするEYフレリモ、育児や介護と仕事の両立支援、心身の健康を支えるWell-beingの三つが柱です。女性の活躍推進ではえるぼし認定の3段階目、子育て支援ではくるみん認定を取得し、健康経営優良法人の上位500法人が選ばれるホワイト500にも認定されました。

リモートの使い方はチームによって幅があります。事業再生・バリューアップには、フレックスリモートの制度を使って地方に住みながら働くメンバーがいます。EYデジタルハブは住む場所を問わずにエンジニアを採用していて、サイバーセキュリティのチームも、全国どこからでも案件に参加できます。反対に、エネルギーの募集の中には、名古屋、大阪、福岡でクライアント先に常駐できることを条件にしたものもあります。

繁忙期について聞いておきたいこと

忙しい時期の働き方は、制度より案件とチームの事情で決まります。面接やカジュアル面談では、応募するチームの直近の案件で負荷がいちばん上がった工程と、その状態が続いた期間を聞いてみてください。M&Aの取引日程なのか、システムの切り替えなのか。答えを聞けば、そのチームの繁忙期と仕事の負荷を具体的に確かめられます。

アサインがユニットの中で決まるのか、セクターや他のユニットの案件にも入るのかも、あわせて聞いておくと役に立ちます。ユニットをまたいで案件に入るチームなら、担当する業界やテーマが広がるぶん、案件ごとに覚える知識も増えるからです。

入社前の想定と入社後の実態がずれる典型的なパターンは、コンサル転職の後悔を扱った記事にまとめました。

https://mbb-tenshoku.com/consulting-career-change-regret/

EYストラテジー・アンド・コンサルティングの中途採用と選考フロー

総合ファームの中途採用は、チームや職種ごとに出ている求人に個別に応募するのが基本です。書類選考のあとに複数回の面接が続き、適性検査やケース面接が入るかどうかは、職種と応募者の経験によって変わります。EYSCも、キャリア採用の募集部門の一覧から、経験に合うポジションを選んで応募する形です。選考はおおむね次の順に進みます。

選考 主に確認されること 準備すること
求人選択・オンライン応募 経歴と募集要件の一致 応募部門と職種を絞る
書類選考 専門性、担当範囲、成果 求人に合わせて職務経歴書を直す
適性試験・選考課題 基礎能力、論理、職種別の実務力 案内された形式を確認する
複数回の面接 経歴、志望理由、問題解決力、EYとの相性 経歴面接とケース対策を分ける
オファー 職位、報酬、所属、入社日 期待役割と配属先を確認する

複数の職種に関心がある場合も、応募はポジションごとの手続きになります。第一希望の求人と、その求人を選ぶ理由を先に決めておくと、書類と面接の話がぶれません。

応募先の選び方

応募先を絞るときは、EYSCの採用ブローシャーが役に立ちます。チームごとに事業領域と人数、応募資格、歓迎スキル、直近の入社者の職階と前職が載っていて、自分の経験がどの職階で見られそうか、おおよその見当をつけられます。

求人票では、必須要件のうち実務で経験したものと、入社後に担当する案件と自分の領域との接点を確かめます。すべての要件を満たす必要はありません。ただ、中心となる要件との接点が薄い求人に応募すると、志望理由も職務経歴書も抽象的になります。同じ製造業の出身者でも、業界知識を軸にするのか、生産・物流の専門性を軸にするのかで、応募するチームは変わります。

いますぐ応募するか決めかねている人には、キャリア情報配信登録という窓口もあります。応募書類なしで登録でき、新しいポジションや、社員とのカジュアル面談の案内が届きます。知人がEYSCで働いているなら社員紹介の制度もあり、所定の期間に紹介経由で応募して入社すると、入社一時金が支払われます。

応募資格と職階の目安

中途採用の職階は、経験年数と、プロジェクトを率いた経験の有無で分かれるのが一般的です。EYSCの募集でも、ファイナンスのマネージャー以上には、経理業務の改革や経営管理の高度化などのプロジェクトを5〜7年程度以上リードした経験が求められています。サイバーセキュリティのチームでは、経験年数の目安がコンサルタント2年以上、シニアコンサルタント3年以上、マネージャー5年以上です。

事業会社の出身で、プロジェクトを率いた経験がまだ少ない人は、シニアコンサルタントかコンサルタントで入るのが現実的です。入社時の職位は年収にも昇進の時期にも響きます。

第二新卒で入る場合

新卒と第二新卒で入社した人は、チームの求人から入る経験者とは別の流れでキャリアを始めます。ビジネスコンサルタントはAdvisory Consultant Group(ACG)、テクノロジーコンサルタントはTechnology Consultant Group(TCG)の所属です。研修で基礎を学んだあとは、分野を限らずさまざまなプロジェクトを経験し、シニアコンサルタントに昇格するタイミングで所属するチームが決まります。

専門をまだ決めきれていない人にとっては、いろいろな業界やテーマを経験してから進む道を選べる入口です。第二新卒の選考で見られる点や応募先の選び方は、次の記事で詳しく扱っています。

https://mbb-tenshoku.com/second-new-graduate/

書類選考

書類選考では、履歴書と職務経歴書から、募集ポジションで早く役割を持てるかが見られます。会社名やプロジェクト名に加えて、自分の役割と成果を書きます。技術職なら、構想、要件定義、設計、開発、導入のどこを担い、何を専門にしているかも明記しておくと、面接で担当範囲を深掘りされても説明がつながります。

職務経歴は、課題、自分の役割、判断、行動、結果の順で書くと伝わります。「基幹システム刷新を担当」とだけ書くより、「販売・会計部門の要件が対立する中で論点を整理し、役員会で決定できる比較案を作った」と書けば、本人の役割が分かります。成果を数字で示すときは、「月間400時間かかっていた集計作業を、6か月で280時間に減らした」のように母数と期間も添えます。数字を出せない仕事なら、意思決定が進んだ、障害が再発しなくなったといった状態の変化で十分です。

コンサル向け職務経歴書の組み立て方は、次の記事で解説しています。

https://mbb-tenshoku.com/consulting-resume/

Webテスト・適性試験

職種によって、選考課題やオンライン適性試験が加わります。中途採用で全員が同じ試験を受けるわけではないので、受検案内が届いたら、試験会社、科目、制限時間を確かめてから対策を始めます。形式が分かる前は、割合、増減率、表の読み取り、長文の論理関係といった計数と言語の基礎を戻しておけば、形式が分かってからの演習に移りやすくなります。

性格検査は、EYが掲げる人物像に寄せて答えるより、仕事中の自分を基準に一貫して答えるほうが安全です。

Webテストの見分け方と準備方法は、次の記事にまとめています。

https://mbb-tenshoku.com/consulting-web-test/

面接で見られること

面接では、なぜコンサルなのか、なぜEYSCなのかとあわせて、応募したチームの仕事と前職の経験がどうつながるかを掘り下げて聞かれます。総合ファームは公開情報だけで違いをつかみにくいため、セクターとユニットを組み合わせて案件を進める体制や、戦略からM&A、再生までを同じ会社で扱えるEY-Parthenonなど、EYSCの組織を理解して話せると評価につながります。

専門性は、知識の名前より、仕事で使った場面まで話します。SAPの経験なら、モジュール名を並べるより、業務要件の整理、設計、移行、定着のどこを担ったか。金融の出身なら、商品や規制の知識を使ってどんな判断をしたかです。EYSCは業界と専門領域をまたいでチームを組むため、顧客や社内の関係者が反対した場面で、誰と何が対立し、どの材料を示して判断を得たのかという経験も、伝えやすい材料になります。

面接の前に、次の質問には1〜2分で答えられるようにしておきます。

  • なぜ今、転職するのか
  • なぜEYSCなのか、なぜこの部門・ポジションなのか
  • これまで最も難しかった仕事と、自分が決めたこと
  • 反対する関係者へどう働きかけたか
  • 失敗したあと、仕事の進め方をどう変えたか
  • 応募領域の市場をどう見ているか

回答を丸暗記するより、結論と事例の順序だけを決めておくほうが、質問の角度が変わっても話を組み立て直せます。過去の経験を詳しく聞かれる面接の答え方は、ビヘイビア面接の記事にまとめました。

https://mbb-tenshoku.com/behavior-interview/

ケース面接・選考課題

戦略や経営課題に近い職種では、ケース面接や課題の提出を想定しておく必要があります。テクノロジー職では、担当したシステムの構成、障害対応、設計の判断など、実務を題材にした質問が中心になる場合もあります。

ケース面接では、フレームワークを見せるより、目的と前提を確かめてから問題を分けます。売上向上のお題なら、売上を顧客数と顧客単価に分ける前に、対象事業、地域、期間、改善したい指標を確認します。EY-Parthenonのように戦略・M&A寄りの求人では、市場規模、競争環境、参入判断、企業価値といった論点も練習しておきます。ケース面接の基本的な進め方は、次の記事にまとめています。

https://mbb-tenshoku.com/case-interview/

最終面接とオファー面談

最終面接では、経験が部門の仕事と合うかに加え、職位、キャリアの方向、EYSCで働く理由が改めて確認されます。マネージャー以上なら、案件を遂行した経験だけでなく、提案、顧客関係、チーム育成、売上への関与も話せるようにしておきます。

オファーが出たら、金額のほかに次の点を確かめておくと、入社後のずれを減らせます。

  • 入社時の職位と期待される役割
  • 所属する部門・チームと、想定される案件
  • 評価期間と昇進の考え方
  • 配属の決まり方と、ほかのチームへ移る仕組み
  • 働く場所、出張、入社日の条件

書類の作り方や応募の進め方など、会社を問わないコンサル転職の全体像は、次の記事で解説しています。

https://mbb-tenshoku.com/consulting-career-change/

EYストラテジー・アンド・コンサルティングの研修制度とキャリアパス

大手ファームなら、入社後の研修やキャリアを広げる制度はひととおりそろっているものです。EYSCの特徴は、自分で学ぶための支援の幅と、評価者とは別にキャリアの相談役が付く評価の仕組みにあります。

研修と学習支援

研修は、コンサルの基礎スキルから職位ごとに求められる内容まで幅広く用意され、企画から実施までを現役のコンサルタントが担っています。自分で学ぶための支援には、英語と日本語の語学学習の支援、Udemyなど外部のオンライン学習サイトの無料利用、資格取得の補助などがあります。

ハルト・インターナショナル・ビジネススクールと提携したEY Tech MBAでは、働きながらオンラインで修士号を目指せます。社内のスキル認定制度のEY Badgesは、テクノロジー、サステナビリティ、リーダーシップなどの分野で身につけた力をバッジとして認める仕組みです。

評価とカウンセラー制度

評価は、LEADと呼ばれる対話を重視した仕組みで行われます。案件ごとの上司が評価者としてスキルを見て、それとは別に、所属組織の上長がカウンセラーとして日々の相談や中長期のキャリアを支える形です。評価を受ける本人はカウンセリーと呼ばれ、この三者で育成のサイクルを回したうえで、期末のレビューで総合評価が決まります。

案件の上司が変わっても、カウンセラーは継続して付くので、長い目で見た成長の相談ができます。転職したばかりの時期に、案件の外で相談できる相手がいるのは心強いところです。

キャリアチェンジ制度

入社後に別のチームへ移りたくなったときは、キャリアチェンジ制度を使って異動を希望できます。セクターとユニットの数が多い会社なので、最初のチームで専門の土台をつくり、あとから隣の領域へ広げていくキャリアも描けます。最初の応募先で迷ったら、この制度で実際に移った人がいるかを面接で聞いてみると、入社後の選択肢の広さが分かります。

EYストラテジー・アンド・コンサルティングに関するよくある質問

EYストラテジー・アンド・コンサルティングとEY-Parthenonは別の会社ですか?

同じ会社です。EY-Parthenonは、EYSCの中で戦略とM&Aを担うブランドで、メンバーはEYSCに所属しています。2025年7月の再編で、戦略コンサルティングからM&A支援までの全体を受け持つようになりました。

EY新日本有限責任監査法人とは何が違いますか?

EY新日本有限責任監査法人は、監査と保証業務を担う別の法人です。EYSCは経営コンサルティングとM&A支援の会社で、同じEY Japanのメンバーとして案件で協力することはあっても、雇用主と採用の窓口は分かれています。

コンサル未経験でも応募できますか?

応募できる求人は多くあります。セクターやユニットには事業会社の出身者も大勢いて、エネルギーのセクターではメンバーの約半数が事業会社で働いた経験を持っています。FSテクノロジーのように、システム会社や金融機関のIT部門の出身者なら、コンサル未経験でも応募できるチームもあります。前職で扱っていた業界か職種と重なるチームから探すと、応募先を絞り込めます。

英語力は必要ですか?

チームによって違います。医療・医薬の一部のチームのように、英語で案件を進められるレベルを応募資格に入れているところもあれば、歓迎スキルにとどめているところもあります。海外のEYメンバーと組む案件は多く、入社後は語学学習の支援も使えます。

英語が必要になる場面と準備の仕方は、次の記事で詳しく扱っています。

https://mbb-tenshoku.com/consulting-english-skill/

面接は何回ありますか?

応募するサービスラインと職種で変わります。選考が始まった段階で、面接の回数と各回の面接官の所属を確かめておくと、経歴面接とケース面接のどちらに備えるべきかが分かります。

ケース面接はありますか?

戦略や経営課題に近いコンサルタント職では準備しておくべきです。実施の有無は求人によって異なり、採用担当者に確認してかまいません。テクノロジー職では、担当システムの構成や設計の判断を問う質問が中心になることがあります。

転職の難易度は高いですか?

Big4系の人気ファームなので、応募資格を満たしていても選考の水準は高めです。問われる中身は、チームによって大きく変わります。M&Aアドバイザリーなら会計や財務の専門知識、テクノロジーなら技術の経験年数が見られます。どのチームでも、前職で積んだ経験をそのチームの案件にどう持ち込めるかを具体的に話せるかどうかが、評価の分かれ目です。

まとめ

EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、EY Japanで経営コンサルティングとM&A支援を担う会社です。業界別のセクターと専門別のユニットを組み合わせた組織で、戦略とM&AはEY-Parthenon、業務改革やテクノロジー、人事、リスクはコンサルティングのユニットが受け持っています。

応募先を考えるときは、業界の知識を生かすのか、職種の専門を生かすのかを先に決めると、見るべきセクターやユニットが絞れてきます。年収はBig4系の中で標準的な水準で、忙しさは案件の種類と局面次第です。2020年の統合、2025年の再編と組織が動いてきた会社なので、古い口コミは書かれた時期を見ながら読むのがよいでしょう。選考の中身も部門ごとに変わるため、応募する求人を一つに絞り、書類、経歴面接、ケース面接を分けて準備するのが近道です。

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