ケース面接は、ビジネスの課題を題材に、その場で考えて結論を出す力を見る選考です。コンサルティングファームを中心に広く使われてきましたが、最近は、面接官の役割の一部をAIが受け持つ形が出てきました。それがAIケース面接です。

新卒採用では、コンサルティングファームのアビームコンサルティングや総合商社の丸紅のように、選考フローにAIのケース面接を組み込む企業が出ています。相手がAIになると面接の進み方が変わり、人の面接官を想定した練習だけでは足りない部分が出てきます。

AIケース面接とは

AIケース面接は、特定の試験の名前というより、AIを使ったケース選考の総称です。問題を出す、答えを聞き取る、追加で質問する、採点するといった面接官の役割のうち、どこをAIが受け持つかは選考によって違います。答え方で分けると、録画、記述、対話の三つです。録画型は、画面に出た問題を読んで、決められた時間でカメラに向かって答えます。記述型は入力欄に文章で答え、対話型はAIの質問に声やチャットで答えながら、回答に応じた追加の質問を受けます。一つの選考で、いくつかの形式が組み合わさることもあります。

企業がAIを使う目的は、受検の日時や場所の制約を減らして応募者が受けやすくすることと、評価の基準をそろえることにあります。面接官の人数に縛られずに多くの応募者を面接でき、面接官ごとの評価のぶれも抑えられます。新卒採用のように応募者の多い選考で使われることが多いのも、そのためです。

受ける側から見ると、人の面接とのいちばん大きな違いは、やり取りの自由度です。人の面接官なら、前提が曖昧なときに聞き返したり、相手の反応を見て説明を足したりできます。録画や記述の形式ではそれができず、答えは記録として残って、あとから見返されます。何を評価するかも、企業や導入しているAI面接サービスごとに違います。

AIケース面接の使われ方

AIケース面接という名前は、企業の採用選考にも、個人向けの練習サービスにも使われる言葉です。名前が同じでも、回答が誰に見られ、何に使われるかは違います。

使われ方 回答の行き先 先に読むもの
企業の採用選考 応募先の選考材料 受検案内
練習サービス 自分の振り返り。企業のスカウトにつながるものもある 利用規約、プライバシーポリシー
診断サービス サービス独自の点数やコメント 評価軸の説明
一般的な生成AI 自分で面接官役を設定した練習 入力してよい情報の範囲

練習用か選考用かは、サービスの名前だけでは判断できません。CaseMatchは、2024年度のIPA未踏アドバンスト事業で開発が進められたAIケース面接の練習サービスです。求職者にはAIとのケース面接の練習を、求人企業にはAI面接の機能と登録者のタレントプールを提供していて、企業の選考で使うAI面接としての利用も進めています。同じサービスの中に、回答が練習の記録で終わる使い方と、企業の選考材料になる使い方が並んでいます。受ける前に、自分の回答がどちらの扱いになるかは押さえておきましょう。

企業向けのAI面接サービス

企業がAI面接を取り入れるときは、自社で仕組みを作るより、外部のサービスを使うのが一般的です。PeopleXとVARIETASは、どちらも企業向けに対話型のAI面接を提供しています。

PeopleX AI面接は、AIアバターの面接官と対話する形式で、一次面接までをAIが担うサービスです。面接が終わると、言語と非言語の表現、行動特性などの項目で、AIが評価レポートを作ります。

PeopleX AI面接のトップページ(AIアバターの面接官と対話する画面)

出典:PeopleX AI面接

VARIETASのAI面接官は、応募者のエントリーシートをもとにAIが面接を進めます。社会人基礎力などの観点から複数の角度で応募者を評価する、マルチアングル面接が特徴です。

VARIETASのAI面接官のトップページ(エントリーシートをもとにした面接で評価するサービスの説明)

出典:VARIETAS AI面接官

どちらも、ケース面接に限らず、一次面接までの面接全般をAIに任せるためのサービスです。評価の対象はサービスごとに違い、PeopleXは非言語の表現まで評価に含め、VARIETASはエントリーシートの内容をもとに社会人基礎力などを見ます。受検案内のメールや画面にサービス名が出ていたら、そのサービスの公式サイトで評価の考え方を調べておくと、何から準備するかを決める材料になります。

AIケース面接を実施している企業の例

選考フローにAIケース面接を明記している企業は、いまのところ新卒採用が中心です。コンサルティングファームに限らず、総合商社の選考にも入っています。

アビームコンサルティング

アビームコンサルティングの2028年卒採用では、Strategy Consultant職・Solution Consultant職・Planning & Operation職のいずれも、エントリーシートと適性検査(SPI)のあとにAI面接があります。対話型AIを使ったオンライン面接で、これまでの経験に関する質問とケース面接の二つを行い、ケース面接では論理的思考力を見ます。Strategy Consultant職は、その先にStrategy Jobと最終面接が続きます。

アビームコンサルティング2028年卒採用ページのAI面接受検の説明(声のトーンや表情を評価しないと記載)

出典:アビームコンサルティング 2028年卒 Strategy Consultant職

アビームのAI面接では、AIが合否を自律的に判断することはなく、AI面接の結果だけで合否が決まることもありません。結果はエントリーシートや適性検査とあわせて、面接官と選考担当者が判断するときの参考情報として使われます。声のトーンや表情、抑揚といった印象は評価の対象外で、この扱いは3職種とも同じです。

評価の対象がここまではっきりしていれば、準備の方向も決まります。カメラ映りや話し方を整えるより、前提から結論まで筋の通った話を組み立てる練習に時間を使うほうが、この選考には合っています。経験についての回答は後の選考でも参考にされるので、ケースの練習と並行して、これまでの経験を短く話せるようにしておくと安心です。

年度や職種で変わるアビーム固有の条件や、経験の質問との組み合わせ方については、次の記事を参考にしてください。

アビームのケース面接対策|出題例・選考フロー・回答のコツ
アビームのケース面接対策|出題例・選考フロー・回答のコツアビームコンサルティングのケース面接を解説。2028年卒のAI面接の形式、コース別の選考フロー、出題例と練習テーマ、施策の実行条件まで考える回答のコツ、中途採用の選考対策までまとめました。...

丸紅

丸紅は、2027年度入社の新卒オープン採用(3月・6月の年2回募集)で、選考フローにAIによるケース面接を組み込んでいます。書類選考を通過すると、AIによるケース面接と一次面接の案内が届き、二つは同じステップに並びます。どちらもWEBで受ける形式で、一次面接は学生1名に対して面接員2名が相手です。

丸紅の新卒オープン採用の選考フロー(STEP03にAIによるケース面接、形式:WEBと記載)

出典:丸紅 新卒採用 オープン採用

AIのケース面接と対人の一次面接は、同じ時期に来ます。書類選考の結果を待つ間に、ケースの練習と、志望動機や経験を話す面接練習を並行して仕上げておけば、慌てずに済みます。

中途採用の場合

ここまでの2社は、どちらも新卒採用の例です。中途採用のケース面接は、今も面接官と話す形式が中心です。

中途で応募する場合は、届いた選考案内にAI、録画、Webテストといった言葉があるかを見ておきます。案内から形式が読み取れなければ、採用担当者や転職エージェントに聞くのが早道です。案内にない形式にまで身構えるより、案内にある形式を先に仕上げるほうが、限られた準備期間を有効に使えます。

AIケース面接の受検案内で確認すること

AIケース面接の受検が決まると、メールや専用の受検ページで受検案内が届きます。書かれているのは、回答の形式と制限時間、使ってよい道具と禁止事項、評価の観点、受検環境と受検期限、トラブル時の連絡先といった項目です。どれも練習の中身と本番の段取りに関わるので、受検を始める前に一通り読んでおきます。

回答の形式と制限時間

案内でまず見るのは、どの形式で答えるかです。録画なのか、文章の入力なのか、AIとの対話なのかで、練習の方法はまったく変わります。出題のほうも、文章だけの問題か、グラフや表の資料が付く問題かで準備が変わります。ケースの前後に、志望動機やこれまでの経験についての質問が入る形式もあります。録画と対話は声で、記述は文章で答えるので、声に出す練習と書く練習のどちらに時間を割くかは、この項目で決まります。

制限時間は、全体の所要時間だけが決まっている選考と、設問ごとの持ち時間まで決まっている選考に分かれます。録画型では、問題を読んで考える時間と答える時間が分けて区切られているのが一般的で、記述型でも同じように分ける選考があります。問題数も形式によって違い、ケース1問にじっくり取り組むものもあれば、フェルミ推定のような短い問題が続くものもあります。

時間の区切り方が分かりやすい例が、Professional AIです。コンサルティングファームの採用試験を模した記述式の練習・診断サービスで、ビジネスケースの設問は40分を検討10分と入力30分に分け、一度送信した回答は訂正できません。この区切り方だと、検討の10分で結論と回答の骨組みまで決め、残りの30分は書くことに集中することになります。練習でも考える時間と書く時間を分けて計っておくと、本番で時間配分に迷いません。

Professional AIのAIケース面接説明ページ(出題形式ごとの設問と制限時間の一覧)

出典:Professional AI

使ってよい道具と禁止事項

使ってよい道具のルールは、企業によって厳しさにかなり差があります。紙とペンのメモは認められることが多く、検索や生成AIの利用は禁止が原則です。電卓や別のウィンドウの扱いは選考によって分かれるので、案内の該当箇所は読み飛ばさないようにします。電卓に頼って練習してきた人は本番で筆算に時間を取られるので、練習の段階から紙とペンで計算しておくのが確実です。

禁止事項としてよく挙がるのは、本人以外が受けることや他人の同席、検索や生成AIを使った回答、受検中の録画・録音やスクリーンショット、問題の内容を人に伝えることです。違反が見つかれば、選考の中止や内定の取り消しにつながります。

特に厳しいのがMcKinseyで、オンラインを含むすべての評価と面接に選考時のルールを設けています。使える画面は一つ、メモと計算は紙とペンだけで、アプリやWebサイト、生成AI、電卓、事前に用意したメモは使えず、面接中に手元のメモを見せるよう求められることもあります。意図せず面接を録音したり回答を補助したりするおそれのあるAIソフトも事前に無効にしておく決まりで、会議の文字起こしアプリやブラウザのAI拡張機能が典型です。ルールに反すると選考からの除外や内定の取り消しになることがあり、以後の応募が制限されることもあります。

評価の観点

評価の観点をどこまで細かく書くかは企業によって違いますが、ケース面接で見られることは大きく変わりません。問題を正しく捉えているか、前提の置き方に無理がないか、数字の扱いが正確か、結論が問いに答えているか。この四つが評価の土台です。

案内で特に読んでおきたいのは、評価しない項目です。声のトーンや表情を評価しないと書かれていれば、話し方の練習より中身の練習に時間を回せます。反対に、非言語の表現まで評価に含めるAI面接サービスもあるので、そうした記載があれば、カメラ目線や話す速さも本番前に見直しておきましょう。

AIの結果がそのまま合否になるのか、人が判断するときの参考情報の一つなのかも、案内から読み取れます。人があとから回答を見る選考なら、面接官が読んで納得できる説明になっているかどうかが分かれ目です。

受検環境と受検期限

受検環境の欄には、パソコンかスマートフォンか、推奨するブラウザ、カメラとマイク、通信環境、受検する場所の条件が並びます。スマートフォンで受けられる形式もありますが、資料を読む問題や文章で答える問題なら、画面の大きいパソコンのほうが楽です。場所は、静かで、途中で人が入ってこない部屋を選びましょう。

カメラの映し方まで細かく決められていることもあります。McKinseyの場合は、上半身と手元がカメラに映るようにし、バーチャル背景やぼかしの機能は切ることになっています。案内に動作確認のページがあれば、本番と同じ機材と場所で一度通しておくと、当日の機材トラブルをかなり減らせます。

受検期限も見落とせない項目です。期限を過ぎると受検用のURLが使えなくなり、通信が切れて再受検になった場合の手続きにも時間がかかるので、締め切り当日を避けて余裕のある日に受ける予定を立てます。本番の受検は一回限りが原則です。録画の撮り直しは何回までか、送信した回答を修正できるか、途中で画面を閉じたら再開できるか、といった条件もあわせて読み、撮り直しがきかない前提で一度で話し切る練習を重ねます。

トラブル時の連絡先

通信が切れる、画面が固まる、録画が保存されないといったトラブルは、本番でも起こります。案内に受検システムの問い合わせ窓口と応募先の採用担当の連絡先が別々に書かれていれば、システムの不具合は前者、日程や再受検の相談は後者が窓口です。

トラブルが起きたら、発生した時刻、表示されたエラーの内容、どこまで回答が進んでいたかをメモして、すぐに連絡します。止まってから案内のメールを探すと、それだけで時間がなくなります。連絡先は、受検を始める前に手元に控えておきましょう。

AIケース面接の形式別の対策

同じケースでも、録画、記述、対話のどれで答えるかによって、つまずく場所が違います。録画は話し始め、記述は時間切れ、対話は仮説の修正で失点しがちです。資料を読み解く問題が加わる場合も含めて、形式ごとに準備の重点を押さえておきます。

録画回答型

録画型では、最初の15秒で何を言うかを先に決めておきます。前置きは省き、「結論はAです。理由は二つあります」と始めるのが定石です。練習では自分の回答を録画して見返し、主語、数字の単位、誰に向けた提案かが聞き取れるかを確かめます。表情を作り込むのは、そのあとで構いません。

記述型

記述型では、書き始めたらまず問い、前提、分析、結論の見出しだけを入力欄に打ち込みます。途中で時間が切れても、回答の骨組みは残ります。いちばん避けたいのは、文章を整えているうちに結論が空欄のまま終わることです。送信後に直せない形式なら、最後の1分は単位の確認と、設問に答えているかの見直しに充てましょう。

対話型

対話型は、前の回答を受けてAIが次の質問を返してくる形式です。練習サービスのCaseMatchでは、AIが回答に応じて質問を重ね、何往復かやり取りしたあとで、回答全体と個別の回答へのコメント、点数を返します。企業向けのPeopleXにも、回答を深掘りする質問の機能があります。次に何を聞かれるかを相手が決める以上、想定問答を暗記しても役に立ちません。

最初の仮説を守り抜くより、新しい情報で何が変わったかを短く言えるほうが、やり取りとして自然です。紙のメモが認められていれば、手元に残すのは主要な前提、数字、暫定の結論だけで足ります。

資料読解・複合型

グラフや表が渡される問題では、数字を読み上げるだけで終わらせず、前期との差、結論への影響、追加で見たいデータまで言葉にします。期間、単位、母数の取り違えは、計算に入る前に確かめておきたい点です。

AIケース面接の回答の組み立て方

人の面接官なら、前提が曖昧なときに「国内市場の話ですか」と聞き返せますが、AIを介する選考ではそれができない場面が増えます。録画でも記述でも対話でも、準備の中心になるのは、回答だけを読んだ人が思考の道筋を最後まで追えるようにしておくことです。

回答に残しておきたいのは、次の情報です。

  • 何を決める問題か
  • どんな前提を置いたか
  • どこから見るか、その理由
  • 数字が何を意味するか
  • 何を選び、何を見送るか
  • 次に何が分かれば結論が変わるか

たとえば「新市場へ参入すべきか」のままでは、問いが広すぎて何から調べればよいかが決まりません。「国内の法人向け市場へ3年以内に参入し、黒字化できるか」まで絞れば、調べる範囲が見えてきます。前提は、与えられた事実と自分で置いた仮定の境目が分かる言い方にします。計算で100億円という数字が出たら、それが投資を回収できる規模かどうかまで言って、ようやく判断になります。結論が変わる条件も、どのデータがいくらなら参入を見送るかまで具体的に言えると、判断の根拠として伝わります。

ケース面接の解き方を最初から順に押さえたい人は、次の記事も読んでみてください。

ケース面接とは?例題・解き方・評価基準・対策方法を解説
ケース面接とは?例題・解き方・評価基準・対策方法を解説ケース面接とは何かを、評価される7つの項目、フェルミ推定とケースの解き方の型、WHO→WHAT→HOWの施策の組み立て、例題、出題タイプ別の構造化、練習方法まで解説します。...

AIケース面接の例題|地方スーパーの売上向上

同じ中身の回答でも、形式によって答え方は変わります。一つの例題を、記述、録画、対話のそれぞれの形式で答えてみます。

問題と分析の流れ

問題は、地方スーパーの既存店の売上を1年で10%伸ばすための打ち手です。売上を来店客数、購入率、客単価に分け、時間帯別の客数、会員と非会員の差、商品カテゴリ、欠品、競合との価格差を順に調べていきます。

仮に、平日夕方は客数が足りているのに、惣菜の欠品で購入率が下がっていたとします。ここで広告を増やして客を呼んでも、欠品が増えるだけで売上は伸びません。先に試すのは、夕方の製造量を需要に合わせる案です。

記述型の回答例

記述式なら、見出しを立てて短い文で残すのが基本です。

【問い】既存店の売上を1年で10%増やすため、最初に何を変えるか

【前提】平日夕方は客数が足りているが、惣菜の欠品で購入率が落ちている

【分析】売上は来店客数×購入率×客単価。改善の余地は購入率にある

【結論】一部店舗で夕方の製造量を調整し、売上、欠品率、廃棄率を4週間比べる

【次に見るもの】効果が小さければ、会員の来店頻度と客単価

録画型の回答例

録画式なら、最初の一文で結論を言い切ります。

既存店の売上10%増に向け、まず平日夕方の惣菜欠品を減らします。客数ではなく購入率に改善の余地があり、4週間で効果を測れるためです。

対話型の回答例

対話型で「廃棄率がすでに高い」と返ってきたら、同じ案を押し通さず、仮説を製造量から品目構成や補充のタイミングへ移します。「廃棄が多いなら、量より、何をいつ並べるかが問題かもしれません」と、考えを変えた理由を一言添えれば、それが追加の質問への答えになります。

AIケース面接の練習方法

練習の相手には、専用の練習サービス、一般的な生成AI、人を相手にした模擬面接があります。基礎の反復はAI、仕上げは人、と役割を分けて使うのが現実的です。

個人向けの練習サービス

ケース面接に絞って練習したい人には、専用のサービスがあります。CaseMatchは、AIとの対話でケース面接を練習できるサービスで、練習の結果は企業からのスカウトにもつながります。記述式で時間を区切って練習したいなら、先ほど触れたProfessional AIも使えます。

CaseMatchのトップページ(AIとの模擬ケース面接の画面イメージ)

出典:CaseMatch

REALMEは、株式会社ABABAが運営する新卒向けのAI面接サービスです。ケース面接用ではなく、AI面接全般の診断に使います。AI面接を受けると、志望企業の最終選考に進んだ学生の平均値と自分の回答を比べた35項目のレーダーチャートと、内定判定が返ってきます。利用は無料で、受けられる回数には条件があります。

REALMEのトップページ(内定判定とレーダーチャートを表示するアプリ画面)

出典:REALME

内定判定は、最終選考に進んだ学生の平均と比べた目安で、応募先の合否基準とは別のものです。それでも、アビームのようにケースと経験の質問を一度に行うAI面接もあるので、経験を話す練習の相手としては使えます。

練習ツールの選び方

出題から追加の質問、評価レポートまでを一つの流れで使えるのは、専用サービスの強みです。一般的な生成AIは業界や難易度を自由に指定できる代わりに、採点の基準が回ごとに揺れることがあります。人を相手にした模擬面接なら、話の間や反応、突っ込まれたときの立て直しまで見てもらえます。

専用サービスを使うなら、練習の記録がどう使われるかも見ておきたいところです。CaseMatchでは面接練習の結果が蓄積され、企業からの特別オファーや非公開求人につながるので、練習のつもりの回答が企業から声がかかる材料にもなります。スカウトを期待するなら利点ですが、何がどの企業に見えるかは、利用規約とプライバシーポリシー、アカウントの設定で決まります。登録の前に、この三つを確かめておきましょう。

生成AIを使った練習

生成AIに「ケース面接をしてください」とだけ送ると、いきなり模範解答を出したり、甘い評価を返したりすることがあります。役割と進め方は、最初に具体的に指定しておきます。

あなたはケース面接官です。売上改善の問題を一問出してください。質問は一度に一つまでとし、私が答え終えるまで解答は示さないこと。終了後は、問題定義、優先順位、数値、施策、結論の5項目について、私の発言を根拠に改善点を返してください。

フィードバックが返ってきたら、「その指摘の根拠になった私の発言箇所を示してください」「同じ回答をもう一度、同じ基準で採点してください」と続けて頼むと、評価がぶれていないかを確かめられます。

練習の素材選びにも気をつけます。現職の顧客名、未公開の案件、個人情報、社外秘の数字は使わず、架空の条件か公開情報で練習してください。

本番前の通し練習

受検の数日前に、本番と同じ制限時間と入力方法で、一問を最初から最後まで通して解いてみてください。問題を読んでから送信するまでのどこで時間がかかっているかが分かり、時間配分を直せます。通知や使わないアプリを止め、本番と同じパソコンと部屋で解けば、カメラやマイク、通信の確認も一度で済みます。

AIケース面接に関するよくある質問

AIが表情や声で合否を決めますか?

ケース面接で評価の中心になるのは、話の中身と考えの筋道です。表情や声を評価に含めるかどうかは、企業と導入しているサービスによって分かれます。アビームコンサルティングの2028年卒採用のAI面接は、AIが自律的に合否を決めることはなく、声のトーンや表情、抑揚も評価しません。一方で、PeopleXのように非言語の表現を評価レポートの項目に含む企業向けサービスもあります。自分の受検先がどちらに近いかは、案内に書かれた評価の観点で見分けられます。

練習サービスで高得点なら、本番も通りますか?

練習サービスの点数は、そのサービス独自の基準で付いた目安で、応募先の評価基準とは別物です。高得点でも、本番の合格が約束されるわけではありません。それでも、言い忘れや数字の矛盾を見つける相手としては十分に役立ちます。点数の上下を追うより、指摘された内容を記録して、同じ指摘が減っているかを見るほうが、次の練習に生かせます。

回答中に間違いに気づいたら、どうすればよいですか?

戻れる形式なら、「単位を取り違えたので計算を直します」と理由を短く述べて直せば十分です。送信後に直せない形式なら、送信前の見直し時間を最初から配分に入れておきます。

AIとの練習だけで、対人の面接にも対応できますか?

話の組み立てや計算の反復なら、AI相手で問題ありません。ただ、人との議論では、予想外の割り込みや、説明が相手に伝わっているかどうかも問われます。仕上げの段階では、対人の模擬面接を一度は入れておきましょう。

まとめ

AIケース面接は、面接官の役割の一部をAIが担うケース形式の選考です。録画、記述、対話と形式はいくつかあり、評価の観点も企業や導入しているサービスによって変わります。

準備は、受検案内を読んで形式と条件をつかむところから始まります。そのうえで、回答だけを読んだ人が考えの道筋を追えるように組み立てる練習を重ねましょう。練習サービスや生成AIは基礎の反復に使い、仕上げに人との模擬面接を入れておけば、AIの選考にも対人の面接にも落ち着いて臨めます。