ベイン・アンド・カンパニーへの転職を考えている方に向けて、会社の仕事と働く環境を紹介します。戦略コンサルティングの中でどのような強みを持つのかを整理し、年収や社風、中途採用の選考、入社後のキャリアまで取り上げます。
ベイン・アンド・カンパニーとは?成り立ちと日本の拠点
戦略コンサルティングファームは、企業の経営陣から依頼を受けて、全社戦略や新規事業、M&A、事業の立て直しといった大きな判断を支える会社です。ベイン・アンド・カンパニーはその代表的な一社で、1973年にビル・ベインがボストンで創業しました。いまでは世界中に拠点を持ち、国をまたいだチームで案件を進めています。
創業の理念と成果連動の契約
ベインは創業のときから、コンサルタントがクライアントに届けるべきものは報告書ではなく結果だ、と考えてきました。英語ではResults, not reportsと言い、創業から50年以上たったいまもベインの信条の中心にあります。
この考え方は契約の形にも出ています。コンサル会社の収入は、案件に関わった人数と期間で決まるのが一般的です。ベインはそれとは別に、報酬の一部をクライアントの成果に連動させる契約を、さまざまな形で結んできました。この契約では、クライアントの業績が実際に動かない限り、ベイン自身の収入も増えません。
東京オフィスと日本での規模
日本の拠点は東京オフィスで、1982年に開設されました。会社の基本情報は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 創業 | 1973年(米国ボストン) |
| 拠点 | 世界40か国67都市 |
| 社員数 | 約19,000人 |
| 東京オフィス | 1982年開設、東京都港区赤坂(東京ミッドタウン・タワー) |
| 日本の人員 | 300人以上 |
日本にいる300人以上のプロフェッショナルは、海外オフィスの社員とも組みながら案件を進めています。
国内の拠点は東京の一か所だけで、中途採用も東京オフィスでの勤務が前提になります。国内に5つの拠点を構えるBCGとは、この点が大きく違います。MBBの3社をほかの戦略ファームと並べ、Tierの区分とあわせて比べたい人には、戦略コンサルのランキング記事が参考になります。
ベインの組織:業界別と機能別のプラクティス
戦略ファームの多くは、クライアントの業界ごとの専門チームと、戦略やM&Aのような経営テーマごとの専門チームを組み合わせて組織をつくっています。業界に詳しい人とテーマに詳しい人が同じ案件に入れば、業界の事情を踏まえた答えを出せるからです。ベインでは前者を業界別プラクティス、後者を機能別プラクティスと呼んでいます。

画像:ベイン・アンド・カンパニー 業界別プラクティス
業界別プラクティスは、航空宇宙・防衛、公益事業・再生可能エネルギーなど22分野です。消費財、小売、金融サービス、テクノロジー、ヘルスケアといった業界と並んで、プライベートエクイティが一つの業界として独立しているところに、ベインらしさが出ています。PEファンドとその投資先を、一つの顧客層としてまとめて支援する体制です。

画像:ベイン・アンド・カンパニー 機能別プラクティス
機能別プラクティスには、戦略、M&A、組織、オペレーション、マーケティング・営業、カスタマー・エクスペリエンスといった経営テーマが並びます。このうちフルポテンシャル・トランスフォーメーションは、戦略、コスト、組織などを組み合わせて、企業の業績を本来の力まで引き上げる全社変革の支援です。ベインが手がけるコンサルティングの約6割は、この種類の案件です。
東京オフィスで目立つ領域
東京オフィスのパートナーの担当分野を見ると、業界では小売・消費財とテクノロジーを挙げる人が多く、テーマではフルポテンシャル・トランスフォーメーション、戦略、M&Aがよく並びます。PEを専門にするパートナーも複数います。
転職する側から見ると、消費財メーカーや小売で事業企画やマーケティングを担ってきた人、IT・通信業界にいた人、投資やM&Aの実務に関わってきた人にとって、前職の知識を案件でそのまま使える場面が多いファームです。
コンサルタント以外のチーム
ベインの社員は、クライアントと日々向き合う戦略コンサルタントのチーム、専門知識で案件を支えるエキスパートのチーム、社内の運営を担うオペレーションのチームの三つに大きく分かれます。エキスパートのチームには、AIとデジタルの専門家を集めたAI, Insights, & Solutions(AIS)、世界の案件チームを分析で支えるベイン・ケイパビリティ・ネットワーク(BCN)、デジタル変革を担うEnterprise Technology、マーケティングの専門家によるFRWDなどがあります。
データやエンジニアリング、マーケティングの専門職としてベインに入る道もあります。ただ、東京オフィスの中途採用の枠は戦略コンサルタントの職位向けなので、専門職を考えている人は募集職種の検索で東京の求人を探すことになります。
ベインの強み:PE支援と業績を変える変革支援
戦略ファームの強みは、どの業界に詳しいか、どんな種類の案件を多く手がけてきたかに表れます。ベインの場合、ほかのファームとの違いがいちばんはっきり出るのは、プライベートエクイティ(PE)向けの仕事と、提言の先の実行まで関わる変革支援の二つです。
プライベートエクイティ向けの支援
PEファンドは、投資家から集めた資金で企業を買収し、経営に深く関わって企業価値を高めてから売却する投資会社です。ベインは、このPE業界向けのコンサルティングで最大手の地位を築いてきました。世界の大手PEファンドの約8割と仕事をしていて、2000年以降に世界で行われた5億ドル超のバイアウト案件のうち、半数以上に関わっています。PE向けの事業の規模は、最も近い競合の約3倍です。
支援の範囲は、投資先を探す段階から、買収前のデューデリジェンス、買収後の企業価値の向上、ファンド自体の戦略や運営まで、投資のサイクル全体に及びます。これまでに手がけたデューデリジェンスは22,000件を超え、投資先企業の支援も6,500件以上にのぼります。日本のPE市場の分析にも力を入れていて、2026年6月には『日本プライベート・エクイティレポート』の2026年度版を発表しました。
PE案件が多いことは、働く側の仕事の中身にも直結します。デューデリジェンスでは、買収を検討している企業について、入札や投資判断の日程から逆算し、短い期間で市場と事業の見通しを立てます。投資銀行やPEファンド、事業会社のM&A部門にいた人なら、前職で見てきた取引を、事業の中身を評価する側から扱うことになります。反対に、事業会社のクライアントと長く付き合う仕事を中心にしたい人は、応募するチームでPE案件がどのくらいを占めるのかを、面接で聞いておいたほうがよいでしょう。
業績を変えるところまで関わる変革支援
もう一つの柱が、提言を出したあと、クライアントの業績が実際に変わるところまで関わる変革支援です。ベインは、変革の取り組みの7割以上は失敗に終わるという前提に立っています。そのためResults Deliveryという独自の方法を使い、案件の初日から変革に伴うリスクを予測・計測・管理します。チームがクライアントの組織の中に入り、現場と一緒に施策を動かしていく進め方です。
先に触れた成果連動の契約も、この姿勢から生まれた仕組みです。戦略をつくったあとの実行まで見届けたい人には、ベインの仕事の進め方はよく合います。分析と提言に集中したい人は、実行支援の比重がどのくらいあるのかを確かめておくと、入社後のずれを防げます。
NPSを生んだ顧客戦略の知見
顧客ロイヤルティを測る指標として多くの企業が使っているNPS(ネット・プロモーター・スコア)は、ベインが開発したものです。顧客戦略とマーケティングはベインが長く得意としてきたテーマで、小売・消費財の案件が目立つ東京オフィスの顔ぶれとも重なります。
ベインの社風:True NorthとOne Teamの文化
コンサルティングファームの社風は、評価のしかたやチームの組み方、先輩が後輩をどう育てるかに表れます。同じ戦略ファームでも、個人の成果を強く打ち出す会社もあれば、チームで助け合うことを前面に出す会社もあります。ベインは後者の代表格で、助け合いの文化を価値観や運営方針としてはっきり言葉にしています。
True Northと4つのコアバリュー
ベインの価値観の土台はTrue Northと呼ばれる信条で、常にクライアント、社員、コミュニティに対して正しいことを行う、という意味です。その下に、パッションとコミットメント、オープンで誠実、実践的、One Teamという4つのコアバリューがあります。
このうちオープンで誠実とは、いま信じていることが1%でも誤っている可能性があれば、それを正直に伝える姿勢のことです。クライアントにとって都合の悪い分析結果でも、ありのままに伝えることが求められます。
仲間を支える運営方針
ベインには、働き方の指針となるオペレーティング・プリンシプル(運営方針)があります。その一つが、A Bainie never lets another Bainie fail(ベインの社員は仲間を決して失敗させない)です。仕事では互いに助け合い、個人的に困ったときにも支え合う、という意味で使われています。
入社した日からコーチングとメンターシップの文化の中で働き、上の職位の人から多くのフィードバックを受けられるのも、この考え方の表れです。トレーニングの内容は、実際にその職位を経験した社員が作っています。職位が上がるごとに求められる仕事がどう変わるのかを、経験者から具体的に学べる仕組みです。
働きがいへの外部の評価
こうした文化は、社外からも評価されています。米国のGlassdoorが選ぶ働きがいのある企業のランキングでは、2009年の開始以来、コンサル会社の中で毎年最上位に入り、総合1位も過去最多の7回獲得しました。アジア太平洋地域のコンサル会社を対象にしたVaultのランキングでも、2026年版で1位に選ばれています。
支え合う文化があるとはいえ、仕事の水準はMBBらしく高いままです。担当する論点について自分の考えを持ち、必要な分析を最後までやり切ることは、どの職位でも当然の前提です。そのうえで、周りに早めに相談しながら自分の持ち場に責任を持つ働き方が求められます。
ベインの年収はいくら?平均年収と他社比較
戦略ファームの年収は、コンサル業界の中でも最も高い水準にあります。報酬は職位ごとの幅で決まり、昇進するたびに一段ずつ上がっていくのが一般的な仕組みです。ベインと主な戦略ファーム、参考として総合ファームについて、投稿された年収の平均を並べると次のようになります。
| 会社 | 平均年収 |
|---|---|
| ベイン・アンド・カンパニー | 1,427万円 |
| マッキンゼー・アンド・カンパニー | 1,528万円 |
| ボストン・コンサルティング・グループ | 1,648万円 |
| カーニー | 1,631万円 |
| アーサー・D・リトル | 1,459万円 |
| ローランド・ベルガー | 1,368万円 |
| PwCコンサルティング(総合系) | 1,079万円 |
| アクセンチュア(総合系) | 931万円 |
ベインの投稿回答者の平均年収は1,427万円です。MBBの3社の中では最も低いものの、アーサー・D・リトルとほぼ同じで、戦略ファームの中でも上位の水準にあります。総合ファームの大手とは、およそ350万〜500万円の開きがあります。
年収に差が出る理由
戦略ファームの年収が高いのは、クライアントから受け取る報酬の単価が高いからです。経営陣の大きな判断がかかった案件を少人数のチームで引き受け、コンサルタント1人あたりの単価を高く設定しています。PEファンドの買収判断のように、分析の結論ひとつで大きな金額が動く案件では、クライアントは高い料金を払ってでも、確かな答えを短期間で出せるファームを選びます。
単価が高いぶん、求められるデリバリーの品質も一段と高くなります。経営陣がそのまま判断に使える水準の分析と提言を、限られた期間で出し続けることが前提です。ベインには成果に連動した契約もあるので、提言の出来はもちろん、実際に数字が動いたかどうかまで問われます。高い年収は、この水準の仕事を案件ごとに続けることへの対価でもあります。
総合ファームの平均が低めに出るのは、システムの導入や運用のように、大人数で長く進める案件の比率が高く、1人あたりの単価が戦略案件ほど高くならないためです。同じコンサルでも、どの種類の案件で稼いでいる会社かによって、年収の水準は大きく変わります。
職位と入社時のポジション
ベインのコンサルタントの職位は、アソシエイトコンサルタント、シニアアソシエイトコンサルタント、コンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー、アソシエイトパートナー、パートナーの順に上がっていきます。上の職位ほど、賞与など業績に連動する部分の割合が大きくなるのが、戦略ファームの一般的な報酬の形です。
東京オフィスの中途採用では、実務経験が2年以上13年未満の人をアソシエイトコンサルタントからコンサルタントまでの職位で、10年以上の人をマネージャーからアソシエイトパートナーまでの職位で募集しています。同じ会社への転職でも、どの職位で入るかによって、提示される年収は数百万円単位で変わります。
職位別の年収の目安
職位名は時期や地域によって異なります。次の表は、当サイト運営者が整理した呼称と年収の目安です。
| 役職 | 年収の目安 | 主な役割 |
|---|---|---|
| アソシエイトコンサルタント | 700万〜1,000万円 | 情報収集、分析、資料作成、担当論点の検証 |
| シニアアソシエイトコンサルタント | 900万〜1,300万円 | 担当領域の分析を主導し、示唆をまとめる |
| コンサルタント | 1,200万〜1,800万円 | 仮説設計から分析、提言まで一つの領域を担当 |
| マネージャー | 1,800万〜2,500万円 | プロジェクト全体の進行、品質、顧客対応、チーム運営 |
| アソシエイトパートナー | 3,000万〜5,000万円 | 複数案件の統括、顧客関係、提案、人材育成 |
| パートナー | 5,000万円〜 | 案件創出、重要顧客との関係構築、組織経営 |
中途採用では、入社時の役職が初年度の年収を大きく左右します。オファーを受けたら、基本給のほか、賞与の算定方法、評価期間、次の昇進に必要な役割まで確かめておくと安心です。
ベインは激務?働き方と制度
コンサルタントの忙しさは、会社の名前より、担当する案件の種類と局面で決まります。報告会や経営会議の直前に作業が集中し、区切りを越えると落ち着く、という波はどのファームにもあるものです。
ベインで忙しさの波が大きくなりやすいのは、PE向けのデューデリジェンスです。入札や投資委員会の日程が先に決まっていて、その日までに市場と事業の見通しを固めなければならないため、短い期間に作業が集中します。一方、複数年にわたる全社変革の案件では、チームがクライアントの社内に入り、施策の進み具合に合わせて長く伴走します。同じベインの中でも、案件によって忙しさの質はかなり異なります。
働き方を支える制度
勤務は、オフィスとリモートを状況に応じて使い分けるハイブリッド型です。福利厚生には、メンタルヘルスやカウンセリングの支援、確定給付年金、社宅制度などがあります。休みや働く時間の面では、年次有給休暇や育児・介護休業のほか、一定の条件で取れるパーソナル休職、学び直しのためのリスキル休職、パートタイムへの切り替えといった選択肢もそろっています。
社員のウェルビーイングを支える社内の取り組みとして、Balanced, Energized, Success, Teamの頭文字をとったB.E.S.T.もあります。忙しい時期があることを前提にした、心身の負担を和らげるための取り組みです。
面接で聞いておきたいこと
制度があっても、実際の働き方はチームと案件で決まります。面接やオファー面談では、応募するチームの仕事について具体的に聞いておきましょう。
たとえば、直近で担当した案件の種類と期間を聞けば、PEのデューデリジェンスのような短期集中型が多いのか、全社変革のような長期の伴走型が多いのかが分かります。忙しい時期の作業分担を聞けば、One Teamの文化が日々の仕事にどう表れているかを確かめられます。海外オフィスと組む案件の割合も、時差のある会議や出張の負担を見積もる材料です。
入社前の想定と入社後の実態がずれやすい点や、内定を承諾する前に聞いておきたいことは、コンサル転職の後悔をテーマにした記事で詳しく取り上げました。
ベインの中途採用:応募資格と選考の流れ
戦略ファームの中途採用は、書類選考とWebテストのあとに、ケース面接を中心にした面接を何度か受ける流れが一般的です。ベインの東京オフィスもこの形をとっていますが、若手の職位では、面接を選考会という決まった日程にまとめて行うのが特徴です。
募集ポジションと応募資格
東京オフィスの中途採用は、職務経験の年数によって二つの枠に分かれています。
| 区分 | 対象の職位 | 主な応募資格 |
|---|---|---|
| ジュニア | アソシエイトコンサルタント〜コンサルタント | 職務経験2年以上13年未満、日本語・英語ともにビジネスレベル |
| シニア | マネージャー〜アソシエイトパートナー | 戦略コンサルティングの実務経験と、10年以上の職務経歴 |
ジュニアの枠は、応募資格にコンサルの経験が入っておらず、事業会社や金融機関などからの転職者も応募できます。日本語が母語でない人はJLPT N1相当の日本語力が必要で、東京で勤務できること、以前に応募した人は前回の選考から1年以上たっていることも条件です。
シニアの枠は、戦略コンサルの経験者に向けた募集です。戦略コンサルの経験がない人は、実務経験が13年未満のうちにジュニアの枠で応募するのが基本になります。
女性の候補者に向けては、Tokyo Be Bold Programという選考支援のプログラムもあります。現役の面接官との交流やケースのワークショップ、1対1の模擬面接を約1か月かけて行い、そのあと選考会の面接に進む形です。コンサル未経験でケース面接の準備に不安がある人にとって、選考の前に面接官と接点を持てるのは大きな利点です。
選考の流れ
ジュニアの枠の選考は、書類選考、オンラインテスト、選考会、その後の面接の順に進みます。選考会は土曜日の開催で、1次面接と2次面接を原則として同じ日に受けることになります。選考会を通過すると、翌週以降の平日に対面での面接が続きます。
選考会は年間を通して定期的に組まれ、応募の締切も選考会ごとに決まっています。面接は原則として選考会でしか行わず、別の日程での個別調整は基本的に受けていません。在職中に受ける人は、狙う選考会の日程から逆算して、書類とケース面接の準備を間に合わせる必要があります。
書類選考のあとのWebテストも、早めに対策しておきたい工程です。市販の問題集を1冊決め、時間を計って解き切る練習を先に済ませておきます。ケース面接の練習を優先して適性検査を後回しにすると、面接に進む前に選考が終わってしまうからです。
東京オフィスが第一希望の人は選考会の申込フォームから、東京を第二・第三希望にする人は別の応募フォームから申し込みます。エージェントを通して応募する場合も、同じフォームにエージェント名を書き込む形です。シニアの枠は、書類審査のあとに複数回の面接があり、内定へと進みます。
準備にどのくらいの期間を見ておくかは、経歴やケース面接の経験によって変わります。目安の立て方は次の記事にまとめました。
ケース面接で見られること
ケース面接は、クライアントが実際に直面した課題を題材に、面接官の助けを借りながら解決策を考える面接です。ベインが見ているのは、適切な仮説を立てられるか、計算を素早くこなせるか、他の人のアイデアをもとに建設的に考えられるかの3点です。正確さと同じくらい創造性も評価され、決まった正解のない問題も出ます。面接で使う資料は、すべてベイン側が用意します。
3点目の、他の人のアイデアをもとに考える力は、One Teamの文化にもつながる評価項目です。面接官からヒントや反論を受けたときに、最初の案にこだわらず、受け取った情報で仮説を組み直せるかが見られます。ベインは練習用に、コーヒーショップの開業の是非を判断するケースと、5年間売上が落ち続けているファッション企業の戦略を考えるケースの例題を用意していて、アソシエイトコンサルタント向けとコンサルタント向けの模擬面接の動画も見られます。
選考会では同じ日にケース面接が重なるため、疲れが出てきても議論の質を保つ必要があります。本番と同じ時間帯に模擬面接を続けて組んで練習しておくと効果的です。
ケース面接の解き方と練習の進め方は、ケース面接の基本をまとめた次の記事で詳しく解説しました。
主な内定者の経歴
中途採用の内定者には、コンサルティングファームの出身者のほか、事業会社や金融機関で実績を積んだ人もいます。主な経歴は次の四つです。
- 戦略・総合コンサルティングファームで、全社戦略や事業戦略を担当してきた人
- 事業会社で、経営企画、新規事業、海外事業、事業再生などを主導した人
- 投資銀行、PEファンド、FASなどで、企業分析やM&Aに携わった人
- メーカー、IT、ヘルスケアなどで、特定業界の知見とプロジェクト推進経験を持つ人
面接官は勤務先の名前に加え、本人がその仕事で何を担ったかを詳しく聞きます。職務経歴書では、自分の役割、周囲との関わり方、成果が分かる案件を二つか三つ選び、担当した工程と判断の根拠まで説明できるようにしておきましょう。
志望動機とビヘイビア面接
コンサルティング職ではケース面接のほかに、仕事や学業、個人の場面で過去にどう行動したかを聞くビヘイビア面接が入ることがあります。これまでの経験やスキルが、ベインのオペレーティング・プリンシプルや応募する職務とどう関係するのかを聞く面接もあります。どの職種でも、ベインに入りたい理由を具体的に説明できることが求められます。
戦略ファームは公開情報だけで各社の違いをつかみにくいため、ベインを選ぶ理由を具体的に話せると面接官に伝わります。PE案件の多さ、成果に連動した契約、助け合いの文化といった特徴のうち、どれが自分の経験や目指す仕事とつながるのかを、具体的な場面とあわせて話せるようにしておきましょう。
経験の選び方と伝え方は、ビヘイビア面接の記事で解説しています。
英語力の目安
ジュニアの枠では、日本語と英語の両方がビジネスレベルであることが応募資格です。ベインのコンサルタントは世界各国のコンサルタントとチームを組むことがあり、案件によっては海外出張もあります。英語で会議に参加し、資料を読み書きできる程度の力は、入社の時点で求められると考えておきましょう。
英語が必要になる場面と、転職前の勉強の進め方は、次の記事にまとめています。
ベインのキャリアパスと入社後の成長
戦略ファームのキャリアは、分析を担う若手から、案件を率いるマネージャー、顧客との関係と組織の経営を担うパートナーへと、段階を追って進むのが基本です。ベインも同じ流れですが、職位ごとの役割がはっきり決まっていて、上の職位の人が下の職位を育てる仕組みが組み込まれています。
職位ごとの役割
| 職位 | 主な役割 |
|---|---|
| アソシエイトコンサルタント | 分析を担当し、結果をクライアントへのインパクトにどう生かすかを学ぶ |
| シニアアソシエイトコンサルタント | プロジェクトの一部をリードし、アソシエイトコンサルタントを指導する |
| コンサルタント | チームの中核としてプロジェクトをリードする |
| マネージャー | ケースチームを運営し、分析の全体を管理して解決策を提言する |
| シニアマネージャー | より複雑な案件を任され、リーダーシップの一員として動く |
アソシエイトコンサルタントがシニアの称号を得るのは、インパクトのある分析ができ、クライアントとの関係を深められるようになった段階です。コンサルタント以降は、案件のリードからチームの運営へと役割が移り、マネージャーになるとケースチームを自分で運営する権限を持ちます。
異動と海外オフィスでの勤務
入社後のキャリアの広げ方にも選択肢があります。ベインには、コンサルタントが一定期間ほかの国のオフィスで働く短期の異動の制度があり、時期や受け入れの可否は各オフィスの業務の状況で決まります。入社時とは違うチームに移る人もいれば、一度ベインを離れてから再入社する人もいます。
キャリアの型は、経営全般を幅広く学んでから専門性を高める戦略コンサルタントのほかに、特定の分野の知識でクライアントを支えるクライアント・デリバリー・エキスパートという道もあります。
ベイン出身者のキャリア
戦略ファームを卒業した人の進路は、事業会社の経営企画や事業責任者、PEファンド、スタートアップの経営陣などが代表的です。ベイン出身者にとっては、PE向けの案件で身につけた投資家の視点が、PEファンドや投資先企業の経営ポジションを目指すときの強みになります。卒業生のコミュニティも大きく、ベインを離れたあともつながりが続きます。
ベインへの転職に関するよくある質問
ベインキャピタルとは関係がありますか?
ベインキャピタルは、1984年に設立された投資会社です。設立にベイン・アンド・カンパニーの関係者が関わったことから名前が共通していますが、コンサルティングのベイン・アンド・カンパニーとは別の会社で、採用も別々に行っています。コンサルタントとして働きたいならベイン・アンド・カンパニー、PE投資の仕事がしたいならベインキャピタルと、応募先がまったく異なります。
マッキンゼーやBCGとは何が違いますか?
経営トップの課題を扱う点は3社とも同じで、違いが出るのは得意な領域と組織のつくりです。マッキンゼーは、産業別・機能別のグループにMcKinsey DigitalやQuantumBlackなどの専門組織を抱える大所帯で、全社戦略や組織改革に強いのが特徴です。BCGは日本に最も早く進出したファームで、国内5拠点と、テクノロジーの開発を担うBCG Xを持っています。ベインの特色は、PE向けの案件の多さ、成果に連動した契約、助け合いを重んじる文化です。
マッキンゼーの組織や選考は、企業ガイドで詳しく取り上げています。
コンサル未経験でも応募できますか?
応募できます。ジュニアの枠の応募資格は、フルタイムの職務経験が2年以上13年未満であることと語学力で、コンサルの経験は求められていません。選考ではケース面接が中心になるので、未経験の人ほど練習に時間をかけておきたいところです。
第二新卒でも応募できますか?
フルタイムの職務経験が2年以上あれば、中途採用の枠で応募できます。2年に満たない場合は、経験を積んでから応募することになります。第二新卒でコンサルを目指すときの考え方は、次の記事にまとめました。
不合格になったら再応募できますか?
前回の選考から1年以上たっていれば、再び応募できます。前回から何が変わったのかを、職務経験とケース面接の両面で説明できるようにしておくと、面接で話がかみ合います。戦略ファームの再応募の考え方は、次の記事で扱っています。
まとめ
ベイン・アンド・カンパニーは、MBBの一角を占める戦略ファームです。戦略の提言からクライアントの業績が変わるところまで関わることを創業以来の軸にしていて、PE向けの支援では世界でも突出した実績を持ちます。社員どうしが支え合う文化も、ほかのファームと比べたときの大きな特徴です。
年収は戦略ファームの中でも上位の水準にあり、実際の金額は入社時の職位で決まります。中途採用は選考会の日程を軸に進むので、ケース面接の準備を早めに始め、なぜベインなのかを自分の経験から語れるようにしておくことが、選考の土台になります。
ベインに転職したい人におすすめの転職エージェント
ベインを含む戦略ファームへの応募を考えているなら、ケース面接の対策実績や選考情報に詳しい転職エージェントを比較できます。










