コンサルティング業界では、ここ数年で中途採用の門戸が大きく広がりました。事業会社やSIerからコンサルタントに転じる人も珍しくなくなり、その代表的な転職先の一つがアクセンチュアです。日本の社員は約3万人で、採用される正社員の多くを中途入社が占めています。

ただ、外からは分かりにくいところも多い会社です。まず浮かぶのは、コンサルティング会社なのかIT企業なのか、という疑問でしょう。年収がほかのファームと比べてどの程度なのか、激務と言われた働き方が今も続いているのかも、気になるところです。組織も2025年から大きく組み替えられ、転職サイトで見かける部門名と今の体制が合っていないこともあります。

組織の分かれ方は、応募する職種を選ぶときの前提にもなります。まずは、アクセンチュアがどんな会社なのかを押さえておきましょう。

Contents
  1. アクセンチュアとは?現在の組織体制とReinvention Services
  2. アクセンチュアの採用職種と前職別の選び方
  3. アクセンチュアの求人の読み方:職位・応募要件・業務内容
  4. アクセンチュアの強みと志望動機の考え方
  5. アクセンチュアの戦略コンサルティング職の位置づけと選考の違い
  6. アクセンチュアの年収はいくら?総合系ファームとの比較と報酬制度
  7. アクセンチュアは激務?Project PRIDEと働き方の制度
  8. アクセンチュアの中途採用:選考フローと書類・面接のポイント
  9. アクセンチュアの応募条件:未経験・第二新卒・専門経験者の場合
  10. アクセンチュアに関するよくある質問
  11. まとめ

アクセンチュアとは?現在の組織体制とReinvention Services

アクセンチュアは、経営戦略の立案から業務改革、システムの構築、業務運用の受託までを一社で手がける総合系のコンサルティング会社です。コンサルティング業務は1953年、ゼネラル・エレクトリック(GE)に対してコンピューターをビジネスに初めて導入したことから始まりました。日本では1962年に事務所を開きました。テクノロジーから出発した経緯は、システムの実装や運用まで自社で引き受ける今の姿にもつながっています。

事業はReinvention Services(リインベンション・サービス)という一つの事業体制にまとまり、その中が3つのグループに分かれています。顧客企業の変革を支援するリインベンション・パートナー、専門人材の育成やツール・手法の開発を担うリインベンション・エンジン、提案とデリバリーの品質を管理するクライアント・サクセスです。転職先として中心になるのは、顧客の変革を直接支援するリインベンション・パートナーです。

リインベンション・パートナーの7部門

リインベンション・パートナーには7つの部門があります。業界ごとの知見をもとにバリューチェーン全体の変革を担うのがIndustry and Enterpriseで、残りの6部門は、サイバーセキュリティ(Cybersecurity)、データやクラウドなどのデジタル基盤(Digital Core)、財務(Finance)、マーケティングや顧客体験(Song)、サプライチェーンとエンジニアリング(Supply Chain and Engineering)、人材と組織(Talent)というテーマごとに分かれています。

アクセンチュアのReinvention Servicesのうち、リインベンション・パートナーの7部門(Cybersecurity、Digital Core、Finance、Industry and Enterprise、Song、Supply Chain and Engineering、Talent)の一覧

出典:アクセンチュア Reinvention Services

業界の軸とテーマの軸が並ぶ組織なので、同じ製造業の仕事でも、業界の知見を生かすのか、サプライチェーンやデジタル基盤の専門性を生かすのかで、近い部門が変わります。

リインベンション・エンジンとクライアント・サクセス

パートナーが顧客企業の変革を支援するのに対し、リインベンション・エンジンの役割はアクセンチュア自身の変革です。AI and Data、Industry and Process、Technologyの3部門があり、専門人材の育成、AIを使ったサービスの提供、ツールや手法の開発を受け持っています。全社のサービスを大規模に展開するための土台でもあります。

クライアント・サクセスは、顧客への価値提供を一貫させるための組織です。提案を担うCommercial、提供価値とソリューションを開発するOfferings and Products、デリバリーの品質を管理するIntegrated Delivery Governance and Integrated Qualityで構成されます。

2025年以降の組織再編

今の体制は、2度の再編を経てできあがりました。アクセンチュアは2025年6月20日に成長モデルの変更を発表し、同年9月1日付で、それまでのStrategy、Consulting、Song、Technology、Operationsの5事業をReinvention Servicesに統合しました。2026年3月31日付の新体制で、その内部が今の3つのグループに再編されています。

転職サイトでStrategy & Consulting、Technology、Operationsを独立した部門として並べた図は、2025年の統合前の組織を説明したものです。部門の名前は変わっても、旧5事業が担ってきた仕事は採用職種として残っています。応募の単位も、次に見る採用職種と個別の求人です。

アクセンチュアの採用職種と前職別の選び方

コンサルティング会社の経験者採用は、部門や職種ごとに求人が分かれているのが普通で、どの窓口から応募するかを最初に決めることになります。アクセンチュアでは、その単位が25の採用職種です。戦略コンサルティングやコンサルティングのようなコンサルタント職、クラウド、SAP、Salesforce、ソフトウェアエンジニアリングのような技術職、クリエイティブ&デザインやマーケティング&コミュニケーションまでが同じ一覧に並ぶ、幅の広い構成です。

アクセンチュアの採用サイトに並ぶ25の採用職種(AI/データサイエンスからテクノロジープラットフォームまで)の一覧

出典:アクセンチュア 採用職種・領域

構想から実装、運用までを自社で引き受けている会社なので、コンサルタントもエンジニアもデザイナーも同じ一覧から採用しています。入社直後は前職の経験を生かせるポジションから始めるのが一般的で、配属はビジネスの状況と本人のスキルや希望を踏まえて決まります。職種も、憧れの領域より、前職で成果を出してきた領域に近いところから選ぶほうが、選考でも入社後でも無理がありません。

前職別に近い採用職種

前職ごとに近い採用職種をまとめると、次のようになります。

前職・専門 近い採用職種
経営企画、事業開発、M&A 戦略コンサルティング、コンサルティング
SIer、事業会社のIT部門 テクノロジー、クラウド、SAP
データ分析、AI開発 AI/データサイエンス
マーケティング、デザイン、EC マーケティング&コミュニケーション、クリエイティブ&デザイン
製造、調達、物流 エンジニアリング&マニュファクチャリング、サプライチェーン
経理・財務、人事 経理・財務、コンサルティング
セキュリティ、リスク管理 セキュリティ

組織との対応でいえば、SIerや社内IT部門の出身者はDigital CoreやTechnology、データ分析の出身者はAI and Data、マーケティングやデザインの出身者はSong、製造や物流の出身者はSupply Chain and Engineeringが近い部門になります。ただし、実際の所属は求人ごとに異なります。製造業向けの求人をIndustry Xの名前で探して見つからないときは、エンジニアリング&マニュファクチャリングかサプライチェーンの採用職種から探すと、今の求人にたどり着けます。

職種を絞りきれない場合

応募する職種を一つに絞れないときに使える仕組みが、二つあります。一つは書類選考で、応募したポジションの要件に合わなかった場合も、採用チームが経歴に合うほかのポジションを検討します。もう一つはキャリア登録です。職務経歴書などを登録しておくと、経歴に合う募集職種が出たときに、リクルーティングチームから個別に案内が届きます。職種を限定せずに応募したい人向けの仕組みですが、案内が来るのは合う募集があったときだけです。

アクセンチュアの求人の読み方:職位・応募要件・業務内容

同じ採用職種の中でも、求人ごとに募集する職位、応募要件、担当する役割は違います。求人票でこの三つを見ておけば、自分の経歴がどの求人に合うのかを判断できます。

職位については、同じ職種を職位で分けて募集している求人があります。アジャイル CoEとは別に、管理職向けのアジャイル CoE_管理職が出ているのがその例です。採用の区分にも、経験者採用とは別に管理職採用があります。マネジャー以上の選考ではチームマネジメントの経験を求めるポジションが多いので、職務経歴書には率いたチームの人数まで書いておくと、応募する職位に見合う経験だと伝わるでしょう。

応募要件は、必須の条件(MUST)と望ましい経験・スキル(WANT)に分けて書かれています。戦略コンサルタント(M&A領域)の求人では、MUSTにコンサルティングファームや投資銀行での経験と並んで、事業会社での経営企画、財務企画、M&A推進の経験が入っていました。英語によるビジネスコミュニケーション能力はWANTの扱いです。戦略職でも、事業会社で経営企画やM&Aを担ってきた人は応募の対象になります。

担当する役割も、求人票で見ておきたい点です。一つの求人で二つの役割を募集しているものがあり、製造プロセスDXの求人では、CEOやCXOクラスとの対話を通じて生産・製造領域のあるべき姿を描くコンサルタントと、DXロードマップの策定からシステムの導入、運用の定着までをリードするアーキテクト・エンジニアを、同じ求人番号で募っています。どちらの役割で応募するかによって評価される経験は変わるので、職務経歴書の冒頭の職歴要約で、希望する役割をはっきり書いておきましょう。

アクセンチュアの強みと志望動機の考え方

戦略から実行までを一社で担えることは、総合系ファームの多くが掲げる強みです。その中でアクセンチュアが際立つ点は、実行を担う人材の厚みと、職種の違う人が一緒に動くプロジェクトの組み方にあります。

アクセンチュアの強み

実行を担う人材の多さは、数字にも表れています。社員数は世界で約79万9千人、日本で約3万人という規模です。システムの構築や業務の運用まで自社で引き受けていて、国内でも福岡にオペレーションセンターとテクノロジーセンター、熊本に顧客の業務オペレーションを代行する拠点を置いています。構想を描いて終わりにせず、実装と定着まで同じ会社の中で見届けられることが、ほかのファームとの大きな違いです。

案件は部門横断で組まれることが多く、コンサルタント、エンジニア、デザイナー、データサイエンティストが一つのプロジェクトに加わることもよくあります。中途か新卒かの採用区分に関係なくチームを組むのも、中途入社者の多い会社らしいところです。

転職する側から見ると、専門の違う人と組んで仕事を進める場面が増えます。SIer出身者なら業務構想の段階から関われますし、事業会社の企画職なら、描いた構想がシステムとして動くところまで立ち会えます。希望するプロジェクトに入れるかどうかはビジネスの状況次第ですが、手を挙げた人には機会を提供しようという社風があります。

志望動機の考え方

志望動機も、こうした特徴と結びつけると具体的になります。アクセンチュアの面接で志望動機の軸になるのは、今の環境ではやりたいことができないのか、なぜできないのか、コンサルティング業界やアクセンチュアならできそうなのか、という問いへの答えです。前の職場では関われなかった工程に、部門横断のチームでどう関わりたいのか。それを自分の経験に沿って話せれば、志望動機として十分に伝わります。

アクセンチュアの戦略コンサルティング職の位置づけと選考の違い

総合系ファームの中にも、成長戦略やM&Aのような経営課題を専門に扱う戦略コンサルティングの部門があります。アクセンチュアでは25の採用職種の中で独立した領域になっていて、今もアクセンチュア ストラテジーの名前で探す人が多い職種です。採用の枠と報酬の水準も、ほかのコンサルタント職と分かれています。新卒の標準年収額(賞与と月30時間ほどの残業代を含む想定額)は、2027年卒で戦略コンサルタントが754万円、ビジネスコンサルタントが663万円と別々に設定されています。

仕事の中身は、実行やテクノロジーとの距離が近いのが特徴です。戦略コンサルティングを率いるグローバルの責任者は、業界別のIndustry and Enterpriseの責任者も兼ねています。M&A領域の戦略コンサルタントは、戦略の立案から案件の実行、PMIまでを一貫して担い、生成AIなどを使った企業変革の案件にも関わります。MBBのような戦略専業のファームと比べると、構想から実行まで関わる案件や、テクノロジーを前提にした戦略の案件が多くなります。

選考の形も職種によって違います。ケース面接は、ビジネス コンサルティング本部や一部のコンサルティング職種の選考で行われます。クラウド、SAP、セキュリティなどの技術職では、実務経験や技術の中身を詳しく問う面接が中心になる求人もあります。

戦略コンサルと総合コンサルのどちらを狙うかは、案件のフェーズごとに比べた次の記事で整理しています。

戦略コンサルと総合コンサルの違い|仕事内容・年収・転職難易度を比較
戦略コンサルと総合コンサルの違い|仕事内容・年収・転職難易度を比較戦略コンサルと総合コンサルの違いを、典型的な案件、BCGやアクセンチュアが手がけた実際のプロジェクト、平均年収、働き方、転職難易度と選考の違いから比較します。境界があいまいになった今、どう選べばよいかも解説します。...

アクセンチュアの年収はいくら?総合系ファームとの比較と報酬制度

コンサルティング会社の年収は、職位が上がるにつれて大きく伸び、同じ会社の中でも職種によって差がつきます。アクセンチュアの平均年収は932万円で、ほかの総合系ファームや戦略系ファームと比べると次のようになります。

会社 平均年収
アクセンチュア 932万円
PwCコンサルティング 1,071万円
KPMGコンサルティング 1,001万円
EYストラテジー・アンド・コンサルティング 997万円
ベイカレント・コンサルティング 992万円
合同会社デロイト トーマツ 991万円
アビームコンサルティング 851万円
ボストン・コンサルティング・グループ(戦略系) 1,640万円
マッキンゼー・アンド・カンパニー(戦略系) 1,525万円
ベイン・アンド・カンパニー(戦略系) 1,434万円

出典:OpenMoney

アクセンチュアの平均は、PwC、KPMG、EY、ベイカレント、デロイト トーマツより低く、アビームを上回ります。戦略系の3社とは、大きな開きがあります。

年収差が生まれる理由

ファームごとの年収の差は、社員の職種構成と、クライアントから受け取るフィーの単価の違いから生まれます。コンサルタントの給与の原資は、クライアントが支払うフィーです。経営陣の意思決定に直結する戦略案件は、少人数・短期間のプロジェクトでも一人あたりの単価が高く、そのぶんクライアントが求める品質の水準も高くなります。報告に使う資料の一枚にも、経営判断にそのまま使える精度が求められます。戦略系ファームの年収が高いのは、高い単価と、それに見合う質の高いデリバリーを前提に報酬が組まれているからです。

システムの構築や業務の運用のように、大人数で長く続く案件では、一人あたりの単価は戦略案件より低めです。こうした案件を担うエンジニアや業務運用の職種は年収の水準もコンサルタント職より低く、その比重が大きい会社ほど全社の平均は下がります。アクセンチュアは技術職の社員が多い会社で、全社の平均が総合系の中でも低めに出る理由はここにあります。戦略コンサルティング職は新卒の段階から報酬の水準が分けられていて、同じ会社でも、どの職種で入るかによって年収の相場は変わります。

報酬制度とマネジメントレベル

アクセンチュアの報酬は、マネジメントレベルと呼ばれる職位を軸に組み立てられています。基本給は職務、スキル、パフォーマンス、職位をもとに決まり、居住地の賃金水準に合わせて調整される仕組みです。手当には時間外勤務手当と深夜勤務手当があり、従業員株式購入プラン(ESPP)はマネジメントレベル5以下、業績株式報酬はマネジメントレベル6以上が対象になります。どのレベルで入社するかによって、金額も報酬の中身も変わってきます。

アクセンチュアと比べた戦略系ファーム各社の年収や特徴、Tierの位置づけは、次の記事で比べています。

戦略コンサル会社ランキング・Tierの見方|年収・特徴・転職難易度を比較
戦略コンサル会社ランキング・Tierの見方|年収・特徴・転職難易度を比較戦略コンサルのランキングをTier別に整理。MBB、Strategy&やKearneyなどのTier2、外資の専門ファームや総合系の戦略部門、日系ブティックまで19社の特徴を、就職偏差値や年収、転職難易度の考え方とあわせて解説します。...

アクセンチュアは激務?Project PRIDEと働き方の制度

コンサルティングは提案や報告の前に仕事が集中する働き方になりがちで、業界全体に長時間労働のイメージがつきまといます。アクセンチュアもかつては、長時間労働の多い会社と見られていました。

Project PRIDEによる働き方改革

会社として働き方を変え始めたのは2015年です。Project PRIDEを立ち上げ、長時間労働やハラスメントの問題にも向き合ってきました。その結果、管理職未満の平均残業時間は一人あたり1日1時間未満まで減り、離職率も取り組みを始める前の約半分に下がっています。

2024年からはPRIDE+として、時間あたりの生産性とスキルの強化を両立させる段階に入り、「厳しくて温かい会社」を目指すと打ち出しました。働く時間を減らす取り組みを経て、いまは限られた時間で成果を上げることが社員に求められています。

働き方の制度と勤務地

制度面では、フレックス、在宅勤務、短日短時間勤務などがそろっています。いずれも利用には一定のルールと条件があります。年次有給休暇は年15日から20日で、日数はマネジメントレベルと勤続年数によって決まります。

勤務地は部門によって違いますが、多くの社員は顧客先に常駐し、プロジェクトによっては地方や海外への出張もあります。そのため全国勤務が入社の条件です。

住む場所については、2022年8月に始まったロケーション フレキシビリティ制度があります。部門長の承認を得れば、通勤圏外に住みながら在宅勤務を基本に働けます(海外居住は除く)。適用には条件があり、可否は選考の中で判断されるので、使いたい人は応募の段階で伝えておきましょう。

面接で確認したい働き方

1日1時間未満という平均残業時間は管理職未満の数字で、提案の前やシステム移行の前のような山場の忙しさも、平均の中でならされています。マネジャー以上で入社する人は、とくに応募部門の実情を確かめておきたいところです。

逆質問で制度や働き方について質問しても問題はなく、介護や育児で相談したいことがあれば、その場で伝えられます。繁忙期にどんな仕事が増えるのか、常駐や出張はどの程度あるのかは、面接で直接聞くのがいちばん確実です。

入社前後のギャップを見抜く質問の立て方は、会社を問わず使える形で次の記事にまとめています。

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アクセンチュアの中途採用:選考フローと書類・面接のポイント

コンサルティング会社の中途採用は、書類選考のあとに複数回の面接を重ねる形が標準です。アクセンチュアの経験者採用の選考も、ウェブ応募、書類選考、面接、オファー、入社の順に進みます。同時に応募できるのは一つのポジションだけで、ほかに希望があれば応募時の備考欄か採用担当者に伝える決まりです。面接はオンラインか対面で2〜3回あり、回数は応募部門によって異なります。ポジションによってはWebテストもあり、選考期間は1〜2か月程度です。すべての選考が終わってから1週間程度で結果が届き、オファーのあとも不安な点があれば、別に面談の場を設けてもらえます。

正社員の採用に占める経験者(中途)採用の割合は、2023年度78%、2024年度72%、2025年度67%でした。年々下がってはいるものの、今も入社する人の多数派は中途です。

応募書類や面接での生成AIの使い方にもルールがあります。会社や業界の調べもの、書類の推敲、面接の練習に使うのは差し支えありません。ただし、AIで作った虚偽の経験やスキルを書類に載せる、明示的に許可されていないアセスメントで使う、面接中にAIで回答を作らせるといった行為は、選考からの除外につながる場合があります。会社側も書類と職種の適合性の判断などにAIを使うことがあり、評価でのAI使用に同意するかどうかは応募者が選べます。

書類選考のポイント

書類選考で重視されるのは、所属組織の成果より、本人が誰に対して何を、どんな役割で実施し、どんな成果を出したかです。職務経歴書の分量はA4で2〜3枚が目安で、1枚目の3分の1から半分ほどを職歴要約に使います。エンジニアやデータサイエンティストは使える言語や開発・分析の経験年数を具体的に書き、デザイナーはポートフォリオを添付できます。語学スキルは全職種で確認されるので、TOEICなどのスコアも忘れずに書いておきましょう。

前面に出したい経験は、前職によって変わります。経営企画やM&Aの出身なら検討した選択肢と経営判断への影響、SIerや社内IT部門の出身なら担当した工程と設計の判断、製造や物流の出身なら品質や原価、リードタイムへの効果が、書類の中心になります。

雇用形態や在籍期間の正確さにも、厳しい目が向けられます。勘違いによる誤りでも、あとで判明すれば正しい申告をしていない、あるいは経歴詐称と捉えられ、採用可否に関わることがあります。転職回数が多い人ほど、提出前に在籍期間を一社ずつ照らし合わせておくと安心です。

面接の質問例とポイント

アクセンチュアの面接でよく聞かれるのは、自己紹介、職務経歴、長所・短所、志望動機、中長期のキャリア、転職活動の状況、逆質問です。内容は部門やポジションで変わりますが、システム導入、部門横断の改善業務、新規ビジネスの開発、部門の立ち上げ、チームリードや育成のような、決まった手順のない仕事の経験は、役割と成果を添えて話すと強みとして伝わります。

他社の応募状況は、正直に答えて問題ありません。志望度や応募先を理由に不合格にすることはなく、単願のように振る舞う必要もありません。見られているのは、会社選びの判断基準がはっきりしているかどうかです。

技術職なら採用した設計と見送った案、デザイン職ならポートフォリオの制作過程が、説明の軸になります。戦略・コンサルティング職でケース面接があるなら、解き方の基本は次の記事で押さえられます。

ケース面接とは?例題・解き方・評価基準・対策方法を解説
ケース面接とは?例題・解き方・評価基準・対策方法を解説ケース面接とは何かを、評価される7つの項目、フェルミ推定とケースの解き方の型、WHO→WHAT→HOWの施策の組み立て、例題、出題タイプ別の構造化、練習方法まで解説します。...

アクセンチュアの応募条件:未経験・第二新卒・専門経験者の場合

中途採用の応募条件は、社会人経験の年数と、応募する求人に合うスキルや経験の二つです。経験者採用の対象は社会人経験4年以上で、4か月以上4年未満の人は第二新卒の枠で応募します。性別、国籍、年齢、転職回数などによる制約はなく、判断の基準はスキルと経験です。

コンサル未経験の人は、前職の仕事をコンサル用語に言い換えるより、そのまま伝えたほうが通じます。M&A領域の戦略職でさえMUSTに事業会社での経営企画やM&A推進の経験が入っているように、業界や業務の実務経験そのものが評価の対象です。メーカーの業務改革、SIerの要件定義、金融機関のデータ活用を、解いた課題と自分の判断が伝わる言葉で書けば十分でしょう。入社後の育成にも力を入れている会社で、毎年10億ドル以上を研修と人材育成に投じています。

クラウド、SAP、セキュリティなどの専門職では、書類はスキルの細部まで読まれると考えておきましょう。資格や製品名とあわせて、その専門性で業務や事業の何が変わったかまで書くと、MUSTとの一致が伝わります。

応募先の比較から内定承諾までの進め方は、コンサル転職全体を扱った次の記事にまとめています。

コンサル転職の完全ガイド|未経験から応募先を決め、選考を進める方法
コンサル転職の完全ガイド|未経験から応募先を決め、選考を進める方法コンサル転職は未経験でも可能か、難易度を決めるもの、ファームの種類と仕事内容、選考で評価される経験から、応募経路の選び方、選考の流れと対策、スケジュールの組み方、よくある失敗まで解説します。...

アクセンチュアに関するよくある質問

コンサル未経験でも応募できますか?

応募できる求人はあります。戦略コンサルタント(M&A領域)の募集のように、事業会社での経営企画やM&A推進の経験を応募要件に挙げる求人もあります。求める経験は求人ごとに違うので、業界、業務、技術のどれかで、応募先でも生かせる経験を示せるかが分かれ目です。社会人経験が4年未満なら、窓口は第二新卒になります。

Reinvention Servicesへの統合で職種はなくなりましたか?

採用職種は今も残っています。Reinvention Servicesは全社の事業体制の名前で、採用の単位は25の採用職種と個別の求人です。旧部門名で探して求人が見つからないときは、採用職種の一覧から探し直すと見つかります。

英語は必須ですか?

英語力を入社時の条件にするかどうかは、募集職種によって違います。ビジネスレベルの英語力を求める職種もあれば、条件にしていない職種もあるので、応募する求人で英語がMUSTとWANTのどちらに書かれているかを見ると判断できます。入社後に英語力を伸ばしたい人向けの研修もあります。

東京以外に住んだまま働けますか?

東京のほか、北海道(札幌)、宮城(仙台)、福島(会津若松)、群馬(前橋)、愛知(名古屋)、関西(大阪)、福岡、熊本に拠点があり、地方採用の募集職種も出ています。拠点のない地域に住み続けたい場合は、ロケーション フレキシビリティ制度の対象になるかを応募時に相談することになります。

アクセンチュアはIT企業とコンサル会社のどちらですか?

両方の性格をあわせ持つ会社です。コンピューターの導入からコンサルティングを始め、今も戦略コンサルティングとSAP、Salesforce、ソフトウェアエンジニアリングが同じ採用職種の一覧に並んでいます。プロジェクトも部門横断で組まれることが多くあります。転職先として考えるなら、会社の分類より、自分がどの職種で採用されるかのほうが、入社後の仕事を大きく左右します。

まとめ

アクセンチュアは、戦略の立案からシステムの構築、業務の運用までを一社で担う総合系のコンサルティング会社です。組織の名前は再編で変わりましたが、応募は採用職種と個別の求人の単位で行うので、前職の経験に近い職種から選ぶのが現実的です。

年収は入社する職種と職位で差がつきます。働き方は改革が進み、今は限られた時間で成果を出すことが求められる段階にあります。構想から実装まで見届けたい人や、専門の違う人と組んで大きな変革に取り組みたい人に向いた会社です。