電通コンサルティングへの転職を考える方に、会社が手がける仕事と募集職種を紹介します。電通グループとの関わりや、戦略・ブランド・デザイン・デジタルという職種の違いにも触れます。年収や働き方、中途採用の選考まで解説します。
電通コンサルティングとは
電通コンサルティングは、2006年に設立された電通グループ100%出資のコンサルティング会社です。企業や社会を動かす「人」に焦点を置き、構想力、突破力、自己変革力、異能連携力を価値観として掲げています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社電通コンサルティング |
| 設立 | 2006年10月 |
| 所在地 | 東京都港区東新橋 |
| 株主 | 株式会社電通グループ100% |
| 主な職種 | ブランディング、デザイン、戦略、デジタルの各コンサルタント |
| 選考 | 書類、適性検査、ケース試験、面接3回 |
電通コンサルティングの4つの職種
中途採用では、ブランディングコンサルタント、デザインストラテジスト、戦略コンサルタント、デジタルコンサルタントを募集しています。共通するのは、戦略を作るだけでなく、事業や顧客体験として形にする役割です。
ブランディングコンサルタント
事業戦略を支えるブランドの役割を決め、社外への発信と社内への浸透を進めます。ロゴや広告表現を作る仕事に限りません。誰にどの価値を提供する会社なのか、競合と何が違うのか、社員がどのように行動すべきかを設計します。
事業会社のマーケティング、ブランド、新規事業、経営企画、広告会社の経験者が候補です。クリエイターとの協働経験があると、戦略から表現・実行へつなぐ場面で強みになります。
デザインストラテジスト
顧客や生活者の行動を観察し、本人も言葉にできていない課題を見つけ、事業やサービスの形へ落とします。市場データだけでなく、インタビュー、体験設計、プロトタイプなどを使う点が特徴です。
ビジネスデザイン、サービスデザイン、UX、新規事業の経験者に向きます。デザインを見た目の話として扱わず、経営課題と顧客体験をつなげられることが求められます。
戦略コンサルタント
課題設定、リサーチ、仮説、コンセプト、ビジネスモデル、事業性検証、事業計画まで、戦略案件の一連の仕事を担当します。成長戦略、新規事業、市場参入、商品・サービスの構想などが中心です。
一般的な戦略ファームと比べると、電通グループの生活者データ、マーケティング、クリエイティブの知見を使い、顧客に選ばれる理由まで具体化しやすい点が違いです。
デジタルコンサルタント
デジタルを使った顧客・従業員の体験設計、ITロードマップ、アーキテクチャ、ソリューション、業務プロセスを設計します。実行準備では、品質、コスト、納期を見ながらプロジェクトを前へ進めます。
SIer、ITコンサル、デジタルマーケティング、事業会社のDX部門などの経験者が候補です。技術を導入することではなく、顧客や従業員へどのような価値を作るかから考えます。
電通コンサルティングの強み
生活者の理解を事業戦略へ持ち込める
電通グループは、企業と生活者の接点を長く扱ってきました。電通コンサルティングは、その知見を広告だけでなく、事業や経営の課題へ使います。
たとえば新規事業では、市場規模が大きいかだけでなく、生活者がどの場面で困り、どの体験なら行動が変わるかを考えます。戦略の数字と、人が選ぶ理由を同じプロジェクトで扱えることが強みです。
ロジックとデザインを行き来する
経営課題は、データだけでも、感性だけでも解けません。事業性を数字で検証しながら、インタビューやプロトタイプで顧客の反応を確かめます。
論理的に正しいが誰も使いたくないサービス、魅力的だが利益が出ないサービスのどちらにもならないよう、ビジネスとデザインを行き来します。
電通グループの専門家と組める
マーケティング、クリエイティブ、メディア、データ、テクノロジーなど、電通グループの異なる専門家とチームを作れます。自社だけで解決策を閉じず、案件に必要な能力を集められる点が「異能連携力」です。
一方、グループ内の関係者が増えるほど、役割の整理と合意形成が必要になります。自分の専門性を持ちながら、異なる言葉を使う相手と協働できる人に向く環境です。
構想から実行まで扱う
ブランド戦略なら、ブランドの定義だけでなく、組織への浸透や顧客接点へ落とします。新規事業なら、コンセプトだけでなく、事業性の検証、サービス設計、実行体制まで進めます。
戦略と実行の間にある「人が動くか」という問題を重く見ることが、電通コンサルティングの特徴です。
年収と評価制度
電通コンサルティングの回答者が投稿した年収の平均は1,009万円です。
給与は年俸制で、業績賞与があります。中途採用の提示額は、経験、職位、専門性によって決まります。職位はアナリスト、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネジャー、プリンシパル、パートナーと上がります。
若手はリサーチ、分析、資料作成、仮説構築を担います。マネジャー以上は、プロジェクト設計、顧客との合意、チーム管理、提案活動が加わります。前職と役職名が同じでも責任が違うことがあるため、オファー面談では職位名より役割を確認します。
働き方と社風
電通コンサルティングは、戦略ファームの論理性と、電通グループのクリエイティブな文化を合わせた組織です。求める人物像には、個人の偏愛や美意識、周囲を前向きにする姿勢も含まれます。
実際の仕事では、データを分析し、顧客、生活者、クリエイター、エンジニアなど、異なる専門性の相手と議論します。自分の考えを論理的に説明しつつ、他者の発想で案を変えられる柔軟さが必要です。
働き方はプロジェクトで変わります。経営会議、新商品発表、実証実験などの前は忙しくなります。テレワークも導入されていますが、顧客やチームとの対話が多い仕事なので、完全に一人で完結する働き方ではありません。
中途採用で求められる経験
電通コンサルティングは、職種と職位ごとに求める経験を明確にしています。
若手・中堅層
- コンサルファームで戦略、事業開発、ブランド、デジタルを扱った経験
- 事業会社で新規事業、事業企画、マーケティングを担った経験
- デザインファームでサービス・UXを設計した経験
- IT企業やSIerでデジタル戦略、システム企画、PMOを担った経験
- 広告会社で広告領域を越えた事業支援を行った経験
未経験者にも入口はありますが、ポテンシャルだけでなく、現在の仕事で高い成果を出し、専門領域を広げられることが求められます。
マネジャー以上
マネジャー以上では、プロジェクトを率いた経験が必要です。顧客の課題を定義し、複数の専門家を動かし、成果物の品質を守った経験を示します。
プリンシパルやパートナーでは、案件獲得、チーム作り、顧客との長期的な関係まで期待されます。前職での売上だけでなく、どのような課題から提案を作り、社内の能力を組み合わせたかを説明できることが大切です。
選考フロー
中途採用の選考フローは、次の5段階です。
- 書類審査
- 適性検査
- ケース試験
- 面接3回
- オファー
選考では、論理的思考力だけでなく、職種に合う専門性、顧客や生活者への関心、異なる専門家との協働が見られます。
選考対策
職務経歴書は応募職種に合わせる
4職種は似ているようで、採用理由が違います。職務経歴書では、応募職種に近い経験を前に出し、自分が担った役割と成果を具体的に書きます。どの工程で専門性を発揮したかも、面接で詳しく聞かれる可能性があります。
戦略コンサルタントなら、課題設定、事業性の検証、経営判断への影響。ブランディングなら、顧客理解と事業戦略をどうつないだか。デザインなら、ユーザー調査からサービスをどう変えたか。デジタルなら、経営課題からITや業務をどう設計したかを示します。
志望動機では「なぜ電通グループか」を具体化する
電通コンサルティングを志望するなら、生活者の理解、ブランド、デザイン、クリエイティブ、電通グループの専門家を使って、どのような事業を作りたいのかまで話してください。各ファームの違いが見えにくい中でも、応募先ならではの仕事と自分の経験を結びつけることで、志望理由が面接官に伝わります。
自分の経歴との接点も必要です。マーケティング経験者なら、広告施策だけでは解けなかった事業課題。SIer出身者なら、システム導入だけでは変わらなかった顧客体験。そこから電通コンサルティングを選ぶ流れを作ります。
ケース試験は事業性と人の行動を両方見る
ケース試験では、市場規模、成長戦略、新規事業、ブランド、顧客体験などが候補になります。市場が伸びるかだけでなく、誰のどの行動を変えるのか、なぜその会社が勝てるのか、どう実行するのかまで考えます。
新しいサービスを提案する場合は、顧客の課題、価値、競合との差、収益モデル、提供体制を一続きで話せるようにします。
面接では自分の「偏り」も言葉にする
電通コンサルティングは、幅広く対応できるだけの人より、何かに強い関心と専門性を持つ人を評価します。自分が時間を忘れて調べるテーマ、仕事で譲れない考え、他の人より深く見てきた顧客や技術を整理します。
ただし、個性を演出する必要はありません。実際の仕事で何に違和感を持ち、どの行動を取ったかを話せば、その人らしい視点が伝わります。
向いている人・向いていない人
向いている人
- 戦略に生活者理解やデザインを取り込みたい
- 新規事業、ブランド、顧客体験を構想から実行まで扱いたい
- クリエイター、デザイナー、エンジニアと協働したい
- 論理だけでなく、相手が動く表現や体験にも関心がある
- 小規模な組織で専門領域を越えて働きたい
向いていない人
- 財務分析や競争戦略だけに専門性を絞りたい
- 大規模システム導入を中心に経験したい
- 自分の担当範囲を明確に区切りたい
- 定型的な方法論に沿って仕事を進めたい
- 異なる専門性の相手との議論を負担に感じる
転職前に比較したいファーム
電通コンサルティングと比較するときは、戦略ファームだけでなく、総合ファームの戦略・デザイン部門、ブランドコンサル、デジタルコンサルも候補になります。
比較する軸は、戦略案件の比率、生活者調査、クリエイティブとの距離、システム実装の規模、組織の大きさです。自分が扱いたい課題が、経営戦略、事業創造、ブランド、顧客体験、ITのどこにあるかで選びます。
まとめ
電通コンサルティングは、戦略、ブランド、デザイン、デジタルを組み合わせ、企業の成長を構想から実行まで支援する会社です。広告会社の延長ではなく、電通グループの生活者理解と専門家ネットワークを、経営や事業の課題へ使う点に特徴があります。
中途選考では、応募する4職種の違いを理解し、自分の経験がどこで使えるかを明確にします。論理的に考える力に加え、顧客や生活者を理解し、異なる専門家と一緒に新しい価値を作れる人に向く転職先です。
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電通コンサルティングは応募する職種によって求められる経験が違います。戦略、ブランド、デザイン、デジタルのどの領域を扱うか確かめながら相談先を選べます。




