経営共創基盤(IGPI)への転職を検討する方に、会社の事業と働く環境を紹介します。経営支援で担う仕事と組織の特徴に触れ、年収や働き方、中途採用の選考を解説します。どのような人に合う会社かも取り上げます。
経営共創基盤(IGPI)とは
IGPIは、産業再生機構でCOOを務めた冨山和彦氏らが2007年に設立しました。現在はIGPIグループの傘下で、経営共創基盤がコンサルティングとマイノリティ投資を担っています。
プロフェッショナルは約220名です。IGPIカンパニーと、製造業に特化したものづくり戦略カンパニーがあり、デジタル、投資、事業経営を担うグループ会社とも連携します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社経営共創基盤 |
| 英文名 | Industrial Growth Platform, Inc. |
| 設立 | 2007年 |
| 代表 | 代表取締役CEO 塩野誠 |
| プロフェッショナル | 約220名 |
| 主な仕事 | 経営コンサルティング、財務アドバイザリー、投資 |
| 組織 | IGPIカンパニー、ものづくり戦略カンパニー |
IGPIの主な仕事内容
企業変革・全社改革
全社戦略、事業ポートフォリオ、収益構造、組織、業務をまとめて変える仕事です。経営会議向けの構想だけでなく、現場の業務、KPI、責任者、会議体まで設計します。
業績が悪化した会社だけを対象にするわけではありません。成長している会社でも、既存事業への依存、意思決定の遅さ、次の収益源不足といった問題があります。IGPIは財務と事業の両方から企業価値を見て、変えるべき場所を選びます。
事業再生・ターンアラウンド
資金繰りや収益が厳しい企業に入り、事業の立て直しを行います。財務計画を作るだけではなく、残す事業、撤退する事業、コスト、価格、営業、生産などを見直し、実行を管理します。
再生案件では、時間と資金に制約があります。金融機関、株主、取引先、従業員など、利害の異なる相手と合意を作りながら、現場で数字を変える力が求められます。
財務アドバイザリー・M&A
企業価値評価、事業デューデリジェンス、M&A戦略、再編、買収後の統合などを扱います。財務だけでなく、買収後に事業価値をどう上げるかまで考える点がIGPIらしいところです。
投資銀行、FAS、会計、金融機関の経験者は、財務分析を経営と実行へ広げられます。事業会社でM&AやPMIを経験した人も、クライアント側の難しさを理解できる点が強みになります。
新規事業・産業創造
新しい事業の構想、市場性の検証、提携先の選定、立ち上げを支援します。先端技術を扱うグループ会社や、事業投資の機能を使い、コンサルティングの提言だけでは実現しにくいテーマにも取り組みます。
技術が優れていても、顧客、収益モデル、組織、資金が揃わなければ事業になりません。IGPIはこれらを一つの経営課題として扱います。
投資・事業経営
IGPIグループには、日本共創プラットフォーム、みちのりホールディングス、先端技術共創機構などがあります。投資先やグループ事業の経営へ関与し、コンサルタントが事業当事者として働く機会があります。
クライアントワークだけを続けるのではなく、投資や事業経営へキャリアを広げられることはIGPIの大きな特徴です。ただし、希望すればすぐ移れるとは限らないため、採用面接で制度と実例を確認します。
IGPIの強み
経営から現場へ入るハンズオン支援
IGPIは経営と現場の要所へ入り、クライアントとともに変革を進めます。
たとえば事業再生では、週次の数字を追い、営業や生産の責任者と改善案を修正し、金融機関への説明まで進めます。成果が出るまでの摩擦を引き受ける働き方です。
コンサル・財務・投資をOne Poolで経験できる
IGPIカンパニーの中途採用では、経営コンサルティング、財務アドバイザリー、投資業務をOne Poolで扱います。サービス別に完全に分かれた組織より、企業の状況に合わせて異なる手段を学びやすい環境です。
一方、幅広さには学習負荷もあります。戦略だけ、財務だけに専門を限定したい人より、経営課題に合わせて領域を越えたい人に向きます。
自ら事業を経営してきた経験がある
IGPIグループは、公共交通や地域企業などの事業運営に関わってきました。提案する側だけでなく、人、資金、設備を抱えて経営する側の難しさを知っています。
この経験は、クライアントへ実行不可能な正論を出さないことにつながります。現場の制約を踏まえながら、企業価値を上げる方法を考える点が他社との違いです。
経営人材を育て、送り出す考え方
IGPIは、自社の中で長く働くことだけをキャリアの正解にしていません。投資先、グループ会社、事業会社などで経営を担う人材を育てる「プラットフォーム」を目指しています。
将来、事業責任者、CFO、経営者として働きたい人にとって、コンサル、財務、投資、事業経営を横断できる環境は魅力です。
経営共創基盤の年収
IGPIの年収に関する投稿では、回答者の平均が1,132万円、中央値が1,100万円です。回答者の平均年齢は29.4歳で、年収レンジは520万〜2,250万円でした。コンサルタント職の平均は1,157万円です。
職位は、アソシエイト、シニアアソシエイト、アソシエイトマネージャー、マネージャー、ディレクター、パートナーと上がります。若手は分析と実行を担い、マネージャー以降はプロジェクト責任、顧客との関係、提案、チーム育成が増えます。
中途採用では、戦略、財務、投資、事業経営のどこで即戦力になるかによって入社職位が変わります。オファー面談では、年俸、賞与、評価周期、昇進条件に加え、どの種類の案件へ入る可能性が高いかを確認します。
働き方と社風
IGPIは、経営の難しい問題へ当事者として入るため、仕事の負荷は軽くありません。再生案件やM&Aでは時間制約が強く、現場へ入り込む案件では出張や顧客先での仕事が増えます。
その一方、テーマは全社変革、財務、投資、地域交通、新規事業など幅広く、経営の結果へ近い場所で働けます。若手でも経営者や事業責任者と議論し、自分の分析が実行へつながる経験を積めます。
社風は、知的な分析だけでなく、現場へ入る覚悟を重視します。知らない領域を面白がり、必要なら専門の境界を越え、自分の手で動かす人に合います。
フレックスタイム制を採用し、標準労働時間は8時間です。勤務は東京が基本ですが、案件によって地方・海外へ行くことがあります。
中途採用で求められる人
IGPIカンパニーでは、中途採用を行っています。仕事は経営コンサルティング、財務アドバイザリー、投資業務で、One Pool制です。
評価されやすい経験
- 戦略・総合ファームで企業変革を支援した経験
- FAS、投資銀行、PE、金融機関でのM&A・財務経験
- 事業会社で経営企画、新規事業、再生、PMIを担った経験
- 製造業で原価、SCM、生産、研究開発を変えた経験
- 経営者や現場責任者と難しい合意を作った経験
- 数字へ責任を持ち、計画を実行した経験
IGPIが求めるのは、知識の多さだけではありません。従来の常識を疑う野心、業界や専門に閉じない知的好奇心、成果が出るまで関与する姿勢が見られます。
未経験から転職できるか
コンサル未経験でも、経営課題に近い実務、財務、事業開発、プロジェクト推進などの経験があれば候補になります。ただし、One Poolで幅広い案件を扱うため、特定業務の専門知識だけでなく、未知の問題を構造化する力が必要です。
現職の肩書を説明するより、どの課題を解き、どの数字を変え、関係者をどう動かしたかを示します。
IGPIの選考と対策
中途採用は、書類選考と複数回の面接が中心です。選考内容は応募するカンパニーや職位で変わり、論理的思考を見るケース面接や適性検査が入ることがあります。
職務経歴書
戦略、財務、実行のうち、自分が強い領域を明確にします。そのうえで、専門外の関係者と協働し、結果を出した経験を入れます。
事業再生や変革の仕事では、実行に関わった経験が評価されます。反対する現場へどう入り、数字をどう追い、途中で施策をどう修正したかまで書きます。
志望動機
IGPIを志望する理由は、自分がどの仕事で実行まで関わる必要を感じたのかから話します。コンサルティングだけでなく、投資や経営にも関わる同社の特徴を、経験と結びつけて説明してください。
コンサル、財務、投資を横断して何を実現したいのか、将来どのような経営人材になりたいのかまで話すと、IGPIを選ぶ理由が伝わります。
ケース面接
市場規模や成長戦略だけでなく、企業変革、事業再生、M&A、新規事業などを練習します。施策を出すときは、売上やコストへの効果だけでなく、誰が実行し、いつ数字が変わり、資金が持つかまで考えます。
面接官の指摘を受けたら、最初の案を守るより、前提を確かめて考えを更新します。ハンズオンの仕事では、現場から得た事実で計画を変える力が必要だからです。
IGPIが向いている人・向いていない人
向いている人
- 戦略だけでなく実行と結果に責任を持ちたい
- 財務、投資、事業経営まで経験を広げたい
- 経営者と現場の両方へ入りたい
- 将来、事業責任者や経営者を目指したい
- 専門領域を越えて難しい問題を解きたい
向いていない人
- 市場分析や戦略提言だけに集中したい
- 業界・機能を早く固定したい
- 顧客の現場へ深く入る仕事を避けたい
- 決まった方法論と分業を好む
- 財務や数字への責任を持ちたくない
転職前に比較したいファーム
IGPIと比較されやすいのは、ドリームインキュベータ、コーポレイトディレクション、P&Eディレクションズ、フロンティア・マネジメントなどの日本発ファームです。
DIは事業・産業創造、CDIは独立したコンサルタントを育てる文化、P&Eは成長戦略の計画と実行、フロンティア・マネジメントは再生・M&A・経営執行に特徴があります。IGPIは、コンサル、財務、投資、事業経営を一つの基盤で扱う点が違いです。
まとめ
経営共創基盤は、戦略コンサルティング、財務アドバイザリー、投資、事業経営を横断し、企業変革へハンズオンで入るファームです。外から提言するだけでなく、経営と現場の中へ入り、必要な手段を使って結果を出すことに強みがあります。
中途選考では、論理的思考力と専門性に加え、実行で何を変えたかが見られます。将来、コンサルタントの枠を越えて経営人材を目指す人にとって、幅の広い経験を積める環境です。
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