コーポレイトディレクション(CDI)への転職を考えている方に向けて、仕事内容や社風、年収、働き方を紹介します。中途採用の選考と入社後のキャリアについても解説します。
コーポレイトディレクション(CDI)とは
CDIは、ボストン コンサルティング グループの日本法人に在籍していたメンバーが1986年に設立しました。日本企業が欧米の経営手法をそのまま入れるのではなく、自社の歴史、組織、人を踏まえて変わる方法を探ることを出発点としています。
上場企業を中心とする累計顧客は約1,000社です。少人数の組織ながら、長い歴史と幅広い顧客基盤を持つファームです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社コーポレイト ディレクション |
| 英文名 | Corporate Directions, Inc. |
| 略称 | CDI |
| 設立 | 1986年1月 |
| 顧客 | 上場企業を中心に累計約1,000社 |
| 主な事業 | 経営戦略、実施支援、組織・IT、M&A |
CDIの主な仕事内容
全社・事業戦略
会社全体の成長方向、事業ポートフォリオ、競争戦略、新規事業などを扱います。市場を分析して正解を提示するだけでなく、クライアント企業が自分たちで変わる過程を支援します。
日本企業では、経営陣が戦略を決めても、部門の歴史や暗黙の役割分担によって実行が止まることがあります。CDIは組織の癖まで見ながら、経営者と一緒に変革の進め方を作ります。
組織・実行支援
戦略を実行するための組織、権限、会議、評価指標を設計します。制度を導入することより、現場の人が行動を変え、経営課題が解けることを重視します。
たとえば新規事業を伸ばすなら、専任組織を作るだけでは足りません。既存部門から人と資金を移す条件、撤退基準、経営会議での扱い、事業責任者の評価まで考えます。
M&A・コーポレートファイナンス
M&A戦略、対象企業の検討、戦略的な提言、仲介などを扱います。買収そのものを目的にせず、企業が実現したい戦略の手段としてM&Aを位置づけます。
中途採用では、コーポレートファイナンス、M&A、IPO、IR、事業会社の財務経験者を歓迎しています。数字の専門性を、経営戦略と企業変革へ広げたい人に接点があります。
ヘルスケア・アジアなどの専門領域
CDIグループには、ヘルスケアを扱うCDIメディカル、戦略実行を支援するアクティベーションストラテジー、中国・ベトナム・シンガポールの拠点などがあります。
Asia Business Unitでは、現地市場の調査、戦略、M&Aだけでなく、日本企業がアジアで活動できる組織へ変わることを支援します。海外勤務を希望する中途候補者向けの募集もあります。
CDIの強み
日本企業の変わり方を長く考えてきた
CDIは、欧米の経営理論を輸入するだけでは日本企業は変わらない、という問題意識から始まりました。企業ごとの歴史、組織、人間関係を踏まえ、実際に動ける変革を作ります。
経営の正論と、組織が受け入れられる進め方の両方を考えるため、相手の気持ちや暗黙の前提を読みながら仕事を進めた経験が活きます。
小規模で個人の問題意識を仕事にできる
CDIは、サービスラインと売上目標が先にあり、人を配置する会社ではないと説明しています。コンサルタント自身が取り組みたいテーマを持ち、仲間を集め、仕事を作る考え方です。
組織が決めた専門領域を深めるより、自分が社会や企業に感じる問題を仕事にしたい人に向きます。その代わり、会社がキャリアを用意してくれるのを待つ姿勢では働きにくい環境です。
一人前のコンサルタントを育てる徒弟制
CDIには「コンサルタント」と「コンサルタント見習い」しかいない、という考えがあります。Managing Directorが師匠となり、仕事の作り方、クライアントとの向き合い方、専門性の育て方を直接指導します。
大規模ファームの共通研修や明確な分業とは違い、誰のもとで学ぶかがキャリアへ強く影響します。選考の途中で、候補者がどのManaging Directorの選考へ進むかを選ぶ仕組みも、この考え方から来ています。
戦略の対象を限定しない
CDIは「コンサルティングとは何をすることか」を固定しません。経営者が未知の問題へ挑むために必要なら、戦略、組織、M&A、海外、事業づくりなど領域を越えます。
方法論を使うことより、目の前の経営者にとって何が必要かを自分で考える力が求められます。
コーポレイトディレクションの年収
CDIの年収は、投稿した回答者の平均で1,076万円、中央値は810万円です。回答者の平均年齢は28.0歳で、年収レンジは565万〜6,000万円でした。コンサルタント職の平均は1,110万円です。
職位は、アソシエイト、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャー、プリンシパル、マネージングディレクターと上がります。平均と中央値に差があるのは、上位職の報酬が大きい給与構造を反映しています。
中途採用は年俸制です。提示条件を見るときは、入社職位、年俸、賞与、評価の基準に加え、誰のもとでどのような案件を経験するかを確認します。CDIでは、短期の金額だけでなく、独立したコンサルタントになるまでの育成環境が転職価値の大きな部分です。
働き方と社風
CDIは、組織より個人の自立を重視します。コンサルタントは会社の指示をこなす従業員ではなく、自分で問題を見つけ、仕事を作り、クライアントから直接相談される存在を目指します。
自由度が高い一方、何を専門にするか、どの案件を作るかを自分で考える必要があります。明確なサービスラインや昇進条件を好む人より、自分の問題意識を育てたい人に合います。
中途採用の勤務は東京が基本で、希望によって大阪、中国、東南アジアも相談できます。フレックスタイム制とリモートワークを採用しています。
プロジェクトの忙しさは、テーマと局面で変わります。少人数で経営者と向き合うため、一人当たりの責任は大きく、考える時間とクライアントとの対話が多い仕事です。
CDIの中途採用
中途採用には、経営戦略コンサルタントとAsia Business Unitコンサルタントがあります。経営戦略コンサルタントは、企業や官公庁での勤務経験がある人を対象とし、次の経験者を歓迎しています。
- コンサルティング、調査、企画
- コーポレートファイナンス、M&A、IPO、IRなどのアドバイザリー
- 証券アナリスト
- 事業会社の財務
Asia Business Unitでは、上記に加えて経営企画、海外事業統括、英語・中国語などの語学力が評価されます。
未経験者に求められること
コンサル経験は必須ではありません。ただし、小規模な戦略ファームで経営者と働くため、論理的思考力と学習力に加え、自分の仕事観が問われます。
現職で課題を与えられるのを待つのではなく、自分で問題を見つけ、周囲を動かした経験を用意します。成果の大きさだけでなく、なぜその問題を放置できないと思ったのかを話せると、CDIの文化との接点が出ます。
CDI独自の選考プロセス
応募時には、履歴書、職務経歴書、志望動機書を提出します。書式は自由です。1次面接を通過すると、候補者がどのManaging Directorの選考へ進みたいかを選びます。
その後の基準と進め方は、師匠となるManaging Directorごとに定められます。全候補者に同じ質問と回数を当てる選考ではありません。
志望動機書
志望動機書には、自分が何を問題だと感じ、どのようなコンサルタントになりたいのか、そのためにCDIの仕事や育成の方針とどう接点があるのかを書きます。公開情報だけでファームの違いを説明するのは難しいため、実際に見聞きした課題から志望理由を組み立ててください。
CDIの志望動機では、過去の経験から生まれた一つの問題意識を軸にすると、会社との接点が伝わります。たとえば、日本企業の新規事業が制度だけ作って実行できないこと、医療現場と経営の会話が分断されていることなど、自分が実際に見た問題から始めます。
Managing Director選び
Managing Directorを選ぶ際は、経歴と問題意識を調べ、自分が学びたい仕事、取り組みたいテーマ、仕事観との相性を考えます。
面接は、候補者が会社を選ぶ場でもあります。どのような案件を作ってきたか、弟子をどう育てるか、自分の問題意識をどう見ているかを質問します。
面接・ケース対策
面接では、職務経験、志望理由、考え方に加え、論理的思考を見る議論やケース問題が入る可能性があります。決まった型を再現するより、前提を問い、面接官と一緒に考えを深める力が大切です。
CDIは個人の「おもしろさ」を重視しますが、奇抜な回答を求めているわけではありません。自分なりの視点を持ち、その視点がどの経験から生まれたかを論理的に説明します。
CDIが向いている人・向いていない人
向いている人
- 日本企業の経営と組織を深く考えたい
- 自分の問題意識から仕事を作りたい
- 経営陣の近くで少人数の案件を経験したい
- 特定のManaging Directorから直接学びたい
- 将来、一人でクライアントから相談されるコンサルタントになりたい
向いていない人
- 大規模組織の研修と明確なキャリア制度を求める
- 会社に専門領域と案件を決めてもらいたい
- 多数の同年代と同じペースで昇進したい
- 方法論と分業が整った環境を好む
- 自分の仕事観や問題意識を考えることを避けたい
他の日本発ファームとの違い
IGPIはコンサル、財務、投資、事業経営を横断し、DIは事業・産業創造を「ビジネスプロデュース」として進めます。P&Eディレクションズは成長戦略の計画と実行、フロンティア・マネジメントは再生、M&A、経営執行に強みがあります。
CDIは、提供サービスより「どのようなコンサルタントになるか」を前面に出す会社です。組織の看板で仕事をするより、個人として経営者に選ばれる力を身につけたい人に向きます。
まとめ
コーポレイトディレクションは、日本企業の変革に向き合いながら、自分で仕事を作れる一人前のコンサルタントを育てる独立系ファームです。小規模組織、徒弟制、Managing Directorを選ぶ選考など、他社とは違う考え方を持っています。
中途選考では、経歴やケース面接の力だけでなく、自分が何を問題だと考え、どのようなコンサルタントになりたいかが問われます。会社にキャリアを用意してもらうのではなく、自分のテーマを持って働きたい人に合う環境です。
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