アクセンチュアの中途採用でケース面接を受ける場合、どのような問題が出て、何を評価されるのか気になる方も多いでしょう。出題傾向と準備の方法を、例題や実際の面接体験を交えて紹介します。職務経歴を聞く面接との違いにも触れます。
アクセンチュアのケース面接とは?中途採用での位置づけ
ケース面接は、売上の伸び悩みや新しい市場への参入といったビジネスの課題を題材に、面接官と議論しながら考えを組み立てていく面接です。答えが一つに決まる問題はほとんどありません。見られるのは、前提の置き方、問題の分け方、結論までの筋道、そしてそれを相手に伝える力です。定義や解き方の基本は、ケース面接の親記事で詳しく扱っています。
アクセンチュアでケース面接を行うのは、ビジネス コンサルティング本部や、一部のコンサルティング職種の選考です。同じ会社に応募しても、ケースが出るかどうかはポジションによって違います。実施の有無は、選考の前に担当のリクルーターに確認できます。
ケース面接がある職種
アクセンチュアの経験者採用は、戦略コンサルティング、コンサルティング、AI/データサイエンス、クラウド、SAP、セキュリティといった採用職種ごとに分かれています。ケース面接の中心はコンサルタント職です。クラウドやSAP、セキュリティのような技術職では、ポジションによって扱いが変わります。職種ごとの準備の目安をまとめました。
| 採用職種 | 準備の目安 |
|---|---|
| 戦略コンサルティング | ケースが出る前提で、解き方の型と面接官との議論を練習する |
| コンサルティング | 実施はポジション次第。応募先の業界や業務を題材にした練習もしておく |
| 技術職 | 技術と実務経験の深掘りに先に備える。ケースの有無はリクルーターに聞く |
経験者採用で同時に選考を受けられるのは、一つのポジションだけです。応募したポジションの要件に合わない場合でも、採用チームは経歴に合うほかのポジションを検討します。技術職で応募した人が、コンサルティング職として選考に進む可能性もあるわけです。そうなったときに備えて、ケースの基本の型だけは押さえておくと安心でしょう。
選考の流れとケース面接のタイミング
経験者採用の選考は、ウェブ応募、書類選考、面接、オファーの順に進みます。面接は2〜3回で、回数は応募部門によって異なり、オンラインか対面で行われます。ポジションによってはWebテストもあり、選考期間の目安は1〜2か月です。
ケースがどの回で出るかは、面接によって違います。面接官がこれまでのキャリアを聞くことに多くの時間を使う回もあれば、面接を始めて5〜10分でケースに入る回もあります。
中途の受験者にとって、ここは準備の仕方を左右する点です。どの面接にもケースが来るつもりで臨み、自己紹介と職務経歴の説明は2〜3分に収めておきます。経歴の話が長引けば、ケースに使える時間はその分だけ減るからです。細かい実績は、面接官に聞かれてから話しても間に合います。
選考フロー全体や書類の書き方は、アクセンチュアの企業ガイドで詳しく説明しています。
アクセンチュアのケース面接の出題傾向
中途のケース面接で出るお題は、売上の向上、利益やコストの改善、市場規模の推定と施策の組み合わせ、新規事業や参入の判断が中心です。どの型でも、前提をそろえ、数字を動かす要素に分け、手を打つ要素を選び、施策を出すという流れは変わりません。
アクセンチュアのケース面接で意識しておきたいのは、型よりもお題の出され方のほうです。面接官はクライアントの役を務め、お題の説明の中に解くための条件を織り込むことがあります。自分の経験から得た知見を考察に生かすことも歓迎されます。
よく出るお題の型
型ごとに、練習に使えるお題と、最初に確かめたい前提を並べました。お題は練習用に作った例です。
| 型 | 練習用のお題 | 最初に確かめたい前提 |
|---|---|---|
| 売上向上 | 郊外の家電量販店の売上を3年で2割伸ばす | 基準の年、出店や改装の可否 |
| 利益・コスト改善 | 売上は横ばいなのに利益が落ちている食品メーカー | 利益の定義、増えた費用の種類 |
| 市場規模と施策 | 家庭用蓄電池の国内市場を推定し、販売を伸ばす | 対象の範囲、推定する期間 |
| 新規事業・参入 | 地方銀行が取引先向けのデジタルサービスを始めるべきか | 判断の基準、投資の上限 |
| デジタル・AI活用 | 運送会社が配車計画にAIを使うなら、どこから始めるか | 今の業務の流れ、使えるデータ |
| 前職の業界 | 自分が働いてきた業界の企業の売上を伸ばす | 業界の常識をどこまで前提にしてよいか |
アクセンチュアは、テクノロジーを使った企業の変革を事業の中心に置く会社です。どの型のお題でも、施策にデータやシステムの活用を入れたなら、誰がそれを使い、業務の何が変わるのかまで答えられると、施策に説得力が出ます。前職の業界がお題になったときは、業界の外の人にも分かる言葉で仕組みを説明できると、議論が前に進みます。
練習では、DX関連ならデジタル戦略や新しいサービス、業務改善なら製造業の在庫やサービス業の効率化、新規事業なら新技術を使ったビジネスモデルや海外進出といったお題を扱えます。応募する職種に近いテーマから取り組んでください。
お題に含まれる前提条件
ケースのお題は数行の短い説明で出されることが多く、その中に解き方を絞るための条件が入っていることがあります。数字や目標だけを拾い、残りを聞き流してしまうと、的外れな施策に進みかねません。
アクセンチュアのケース面接の心得に、わかりやすい例があります。買収した企業の価値と収益の向上に悩む小売事業者のケースで、面接官が、オーナーは買収した企業のブランドが子供のころから大好きだった、と付け加える場面です。この一言からは、事業の売却やブランドの刷新を施策の選択肢に入れない、という前提が読み取れます。オーナーのブランドへの愛着は、いまも強いと考えられるからです。
こうした一言に気づいたら、「オーナーがブランドを大切にしているので、売却とブランドの変更は検討から外します」と声に出して確かめてから進みます。読み違えていても、その場で修正できます。
面接官は、課題を解くための情報を握っている唯一のキーマンとして振る舞います。言葉の意味や質問の意図が分からなければ、その場で聞いてかまいません。たとえば「成果を実現するための方法は?」と聞かれて成果の中身がはっきりしないなら、「『利益創出』や『企業のイメージアップ』などが考えられますが、何の成果についてお話しすればよいですか?」と候補を挙げて聞くのがアクセンチュアの勧める聞き方です。候補を示してから聞くと、自分で考えたうえで確認していることも伝わります。
アクセンチュアのケース面接の進み方
対話型のケース面接は、お題の提示、前提の確認、考える時間、説明、質疑と条件の変更という順に進むのが一般的です。中途の面接では、この一連の流れが、経歴や志望動機を聞く質問と同じ面接の中に入ります。アクセンチュアの面接も、この形を想定しておけば準備の見通しが立つはずです。
時間配分の目安は、導入と前提確認に5分、分析と議論に15〜20分、結論の整理に5分ほどです。面接官とのやり取りによって前後するので、分析で時間を使い切らないようにします。最後に結論をまとめる時間を残しておくと安心です。
前提の確認と考える時間
お題を受け取ったら、まず依頼主、目標、期間、使えない手段を確かめましょう。そのうえで「1〜2分、考える時間をいただけますか」と断り、考えを整理します。
考えている途中で行き詰まっても、慌てる必要はありません。解答がまとまらないときや説明が途中で止まったときは、いったん時間を取り、条件や根拠の足りない部分を整理し直してかまいません。ゴールが決まらないまま説明を続けてしまうことだけは避けます。「少し整理させてください」と言って30秒でも考え直したほうが、結論のはっきりした説明になります。
説明に紙やホワイトボードを使うのも自由です。売上を要素に分けた図や、施策の優先順位を示す簡単な表を書いて見せれば、面接官と同じものを見ながら議論を進められます。
説明のあとの議論
説明のあとは、面接官から質問や反論を受け、条件を変えて考え直すことがあります。アクセンチュアの経験者採用を受けたコンサルタントも、回答へのフィードバックを受け、その場で修正を求められたと振り返っています。
指摘を受けたら、最初の答えに固執せず、どの前提や計算を直すか口に出して説明します。回答を初めからやり直す必要はありません。変えた箇所と理由が面接官に伝わるように話してください。
オンライン面接の場合
面接はオンラインで行われることもあります。オンラインでケースを受けるなら、図をどう見せるかを先に決めておきます。紙に書いてカメラに向けるのか、画面共有を使うのかは、ケースが始まったときに面接官に聞けば十分です。
通信や機材のトラブルは、考える時間を削ります。静かな場所を選ぶ、カメラを見て話す、マイクやカメラ、ネットワークの接続を事前にテストしておく、といったオンライン面接の準備は、前日までに終えておきましょう。手元に紙とペンを置き、メモを取る位置まで決めておくと、本番で慌てません。
アクセンチュアのケース面接の評価ポイント
ケース面接の評価項目は、ファームによって呼び方こそ違うものの、大きく分けると考える力と伝える力の二つです。問題を要素に分けられるか、手を打つところを絞れるか、結論から説明できるか、指摘を受けて考えを直せるか、といった点です。
Strategy Careerが支援で使ってきた配点の目安では、論理的思考力を30%、ビジネス感覚を25%、コミュニケーション力を25%、創造性を20%と置いています。具体的には、論点を構造化して数字で確かめられるか、施策を現実に実行できるか、相手の質問に的確に答えているか、既存の発想にとらわれずに選択肢を出せるか、といった点を見ます。準備の優先順位を決める目安にしてください。
アクセンチュアのケース面接では、そのなかでも次の5つが問われます。
1. 課題を確かめる質問
クライアントの案件は、何が課題なのかを質問ではっきりさせるところから始まります。ケース面接で、面接官をクライアントと見立てて足りない情報を質問で集められるかが見られるのも、同じ理由からです。目標、制約、依頼主の意図など、答えによって解き方が変わる点に絞って聞きましょう。そうすれば、面接官との議論がかみ合います。
2. 影響の大きい論点への絞り込み
前提、仮説、考えた過程を示したうえで、課題の解決にいちばん影響する論点に絞って説明することも求められます。売上を5つの要素に分けたなら、5つを順に説明していく必要はありません。「このうち契約率がいちばん伸ばせるので、ここから話します」と一つを選び、理由を添えるほうが面接官に伝わります。
3. 経験を生かした考察
アクセンチュアは、自分の経験から得た知見を生かして、解答をストーリーとして語ることを勧めています。航空業界のケースなら、旅行者としての体験から考えられる、という例です。中途の受験者にとっては、前職の業務知識がそのまま材料になります。物流の現場を知っている人なら配車の制約を、営業を続けてきた人なら顧客が買わない理由を、具体的に話せるはずです。
前職の常識をお題の会社に当てはめるときは、先に面接官に確かめておきます。「私の経験では〜ですが、この会社でもそう考えてよいですか」と一言添えるだけで、議論のずれを防げます。
4. 指摘を受けたあとの修正
説明のあとに出る反論や条件の変更は、考えを直す力を見るためのものです。最初の案を守ろうとして反論を重ねるのも、言われるままに案をすべて取り下げるのも、評価にはつながりません。どの前提が変わり、どの数字に影響するのかを先に言葉にして、影響する部分だけを組み直すのが基本です。
5. 相手に伝わる説明
ケースでいちばん大事なのは、出された課題を解決できると示し、それを相手に分かりやすく伝えることです。結論から話し、必要なら図で見せ、専門用語は相手に合わせて言い換えます。前職の社内用語や業界の略語は、本人が思う以上に面接官に通じていないことがあります。
評価の観点ごとの詳しい解説は、次の記事にまとめています。
アクセンチュアのケース面接の例題|空調機メーカーの保守サービス
ここまでの点を使って、例題を一つ解いてみます。お題の中の前提を読む、売上を要素に分ける、テクノロジーを使った施策を出す、条件の変更に答え直す、という流れを一通り含めました。練習用に作った問題で、数字はすべて説明のための仮置きです。
お題と前提の確認
面接官「業務用空調機メーカーのA社は、機器の販売が数年横ばいです。社長は、点検や修理といった保守サービスの売上を、3年で1.5倍にしたいと考えています。なお、社長は創業以来、各地の販売代理店との関係を大切にしてきました。」
最後の一文が、この問題の前提です。代理店を通さずに直接販売する案や、保守をA社の直営に切り替える案は、選択肢から外れます。
受験者「保守の現場作業は代理店のサービス員が担い、A社は部品と点検の仕組みを提供している、という理解でよろしいでしょうか。代理店との関係を大切にする方針を踏まえ、直販や保守の直営化は検討から外して考えます。」
面接官「その理解で結構です。いまの保守売上は年間30億円で、点検契約の料金と、そのつど請求する修理代からなります。」
売上の分解と打ち手
保守売上は、点検契約の売上(稼働している台数×契約率×年間の契約単価)と、修理の売上に分けられます。稼働台数を10万台、契約率を30%、年間の契約単価を6万円と置くと、点検契約の売上は18億円、修理は残りの12億円です。目標は45億円なので、15億円の上積みが要ります。
次に、どの要素を伸ばすかを決めます。稼働台数は、販売が横ばいなのですぐには増えません。契約単価を大きく上げれば、解約が増えるおそれがあります。伸びしろがあるのは点検契約の率で、いまは7割の機器が契約を結んでいません。
契約を結んでいないのは、オフィスビルのオーナーや管理会社が中心だと置きます。故障してから修理を頼めばよいと考えていて、点検にお金を払う理由が見えていない人たちです。それでも夏に空調が止まれば、テナントから苦情が来て、急ぎの修理には高い費用がかかります。本音は、止まる前に手を打ちたいものの、点検の効果が見えないのでお金を払う気になれない、というところにあります。
受験者「結論として、機器の稼働データを遠隔で見て、故障の予兆が出たら代理店のサービス員が先に訪問する、遠隔監視付きの点検プランを提案します。点検の効果が故障の予防として目に見えるので、契約を結ぶ理由になります。訪問は代理店が担うので、代理店の仕事も増えます。契約率を30%から50%に上げれば点検契約の売上は30億円になり、12億円の上積みです。残りの3億円は、1万台に遠隔監視の料金を年3万円上乗せして埋める計算です。修理の売上は横ばいと置いています。」
条件が変わったときの答え直し
面接官「機器にセンサーを後から付ける費用が、想定の3倍かかると分かりました。どうしますか。」
受験者「センサーの費用で影響を受けるのは、遠隔監視の上乗せで見込んだ3億円の部分です。対象を、工場や病院のように、空調が止まったときの損失が大きい施設の機器に絞ります。それ以外の機器には、点検の記録をデジタルで残し、故障の履歴から部品の交換時期を知らせる形で、点検の効果を見せる考えです。上乗せの対象を1万台から5,000台に絞ると1.5億円足りなくなるので、その分は点検契約を2,500台、率にして2.5ポイント多く取る計画にします。契約率を上げるという方針は変えません。」
この答え直しは、最初の案を全部は捨てていません。まず影響を受ける数字を特定し、その部分だけを組み直しています。代理店を生かすという前提も、最後まで崩していません。センサーやデータを使う施策でも、誰が使い、顧客の何が変わるのかを添えているので、議論がそこで止まらずに済んでいます。
アクセンチュアのケース面接の対策方法
ケース面接の対策は、一人で解き方の型を身につける段階と、相手をつけて議論に慣れる段階に分かれます。アクセンチュアを受けるなら、そこに二つを足しておくと、面接の進み方に合った準備になります。お題の中の前提を拾う練習と、前職の経験を考察に生かす練習です。
練習量の目安は、一人での練習が毎日30分、相手をつけた練習が週2〜3回です。これを2〜3週間続けて、解き方の型を固めます。1問を、問題を読むのに2分、枠組みを作るのに3分、分析に10分、結論に5分と区切って解く練習を繰り返すと、時間の感覚が身につきます。これまでの支援では、準備にかけた期間は新卒で2〜3か月、中途で1〜2か月ほどという人が多くいました。
服装はスーツを基本とし、オンライン面接では通信、カメラ、マイク、照明まで事前に確かめてください。計算機を使えない前提で、概算や暗算にも慣れておく必要があります。
1. 解き方の型の習得
前提の確認、要素への分解、伸ばす要素の選択、施策の立案という手順を、何も見なくても言えるようにします。手順と例題はケース面接の親記事で、要素の分け方はフレームワークの記事で解説しています。
2. 前提を拾う練習
問題集のお題に、依頼主の思いや使えない手段を一文だけ書き足して解く練習が効果的です。たとえば「社長は値下げを嫌っている」「新しい店は出さない方針だ」といった一文です。解き始める前に、その一文で何が選択肢から外れるかを声に出して言う習慣をつけておけば、本番でも条件を聞き落としにくくなります。
3. 前職の業界を題材にした練習
自分が働いてきた業界の企業を題材に、売上向上や新規事業のお題を2〜3問解いておきます。業界の仕組みを、外の人にも分かる言葉で1分ほどで説明できるようにしておくと、ケースでも経歴の説明でも役に立ちます。経験を数字を交えて話すと、面接官に伝わりやすくなります。
4. 相手をつけた模擬面接
型が身についたら、ケース面接を経験した人に面接官役を頼みます。説明のあとに条件を一つ変えてもらい、答え直すところまでを一回の練習にするのがおすすめです。オンラインで受ける予定なら、カメラの前で紙に図を書いて見せる練習も一緒にしておきましょう。練習相手の探し方や講座の選び方は、次の記事で比べています。
練習でAIを使うときの注意
練習の相手として生成AIを使うこと自体は問題ありません。会社や募集ポジションの調べもの、応募書類の推敲、面接でよく聞かれる質問の練習は、アクセンチュアが認めているAIの使い方です。そのうえで、面接では台本を読むのではなく、自分の言葉で話すことが求められます。
反対に、AIで作った虚偽の経験やスキルを書類に載せること、明示的に許可された場合を除いてアセスメントでAIを使うこと、面接中にAIで回答を作らせることは認められていません。これらは選考からの除外につながる場合があり、アクセンチュアは監視ツールやAIを検出する技術も使っています。オンラインのケース面接でも、手元で使うのは紙とペンだけにしておくのが無難です。
アクセンチュアのケース面接に合格した3人の体験談
アクセンチュアのケース面接に合格した3人の体験談を紹介します。どのような準備をしたか、自分の対策と比べながら読んでみてください。
A氏:新卒でコンサルタントに入社
「最初は緊張して上手く話せませんでしたが、面接官との対話を重視したことが合格につながったと思います」
A氏が意識したのは、面接官との対話です。分からない点は積極的に質問し、考えている途中の過程も言葉にしました。用意した枠組みにはこだわらず、2分に1回ほどは面接官と認識をすり合わせています。説明には図を使い、答えを一つに決めつけずに複数の選択肢を示したそうです。
B氏:事業会社から経験者採用で入社
「前職での経験を活かしつつ、新しい視点を加えることを意識しました」
B氏が重点的に準備したのは、応募先に関係する業界の調査とDX事例の研究です。業界レポートを読み、過去のプロジェクトも振り返りました。実務で見てきた課題も整理しておき、現場を知る人ならではの視点をケースの解答に盛り込んでいます。
C氏:技術職からテクノロジーコンサルタントに入社
「技術的な観点とビジネス価値の両立を意識して説明しました」
C氏が説明の軸にしたのは、技術的に実現できるか、投資に見合う効果があるか、段階的に導入できるか、の三点でした。システム構成は図にして見せ、ROIの考え方とリスクもあわせて示しています。技術面と事業面の双方に踏み込んだ説明です。
3人とも、毎日2時間以上を準備にあて、3人以上を相手に模擬面接を重ねていました。応募先の業界研究も欠かしていません。回答の型を覚えたうえで、面接官と対話しながら考えを修正する姿勢まで身につけていたことが、本番で役立ちました。
アクセンチュアのケース面接でよくある4つの失敗
ケース面接の失敗は、前提、論点、対話のどこかで崩れることから起こります。中途の受験者に目立つものを4つ挙げます。
前提の聞き落とし
お題の説明に含まれた条件を聞き流し、面接官が外したい選択肢を施策の中心に置いてしまう失敗です。例題でいえば、代理店を通さない直販の強化を提案してしまうのが、この失敗です。お題を聞き終えたら、数字以外の一文をもう一度読み返し、何が外れるかを確かめてから考え始めます。
行き詰まったままの説明
説明の途中で筋道が見えなくなったのに、そのまま話し続けてしまう失敗です。聞いている側には、何を言いたいのかが伝わらなくなります。止まったと気づいた時点で、いったん話を切り、結論と理由を言い直しましょう。
ツールの導入で止まる施策
施策が、AIを入れる、システムを新しくする、という言葉で止まってしまう失敗です。アクセンチュアは、構想からシステムの構築、運用までを自社で手がける会社です。施策にテクノロジーを入れるなら、誰がどの業務で使い、どの数字がどれだけ動くのかまで話せるようにしておきます。
指摘への反論の積み重ね
面接官の反論に対して、最初の案を守るための説明を重ねてしまう失敗です。指摘を受けたら、まず何が変わったのかを確かめ、変わった前提のもとで案を組み直します。考えを直すことは減点になりません。直さないまま同じ主張を繰り返すほうが、評価にはマイナスです。
面接が思うようにいかなかったあとの振り返り方は、次の記事にまとめています。
アクセンチュアの面接でケースと合わせて準備すること
中途の面接では、ケースの出来と、経歴や志望動機についての受け答えがあわせて見られます。アクセンチュアの面接でよく聞かれるのは、自己紹介、職務経歴、長所・短所、志望動機、中長期のキャリア、転職活動の状況、逆質問です。
経歴の質問への備えは、ケースの準備ともつながっています。先ほどの金融機関出身のコンサルタントは、転職理由や経験について「それはなぜですか?」「他の選択肢は考えませんでしたか?」「もし前提が変わったらどうしますか?」と深く聞かれたと振り返っています。理由を問われ、別の案と比べられ、前提を動かされる点は、ケースの議論とよく似ています。
決まった手順のない仕事の経験は、面接で話す材料になります。システムの導入、部門を横断した改善、新規事業の開発、チームのリードや育成などの経験があれば、自分の役割と成果を、数字を交えて話せるように整理します。志望動機は、今の環境でやりたいことができない理由と、コンサルティング業界やアクセンチュアならそれができると考える理由が、一つの話としてつながっているかがポイントです。質問への答え方の組み立ては、ビヘイビア面接の記事で詳しく解説しています。
アクセンチュアのケース面接に関するよくある質問
応募するポジションでケース面接があるか、事前に分かりますか?
分かります。実施の有無はポジションによって違うので、選考の前に担当のリクルーターに確認できます。書類選考のあとで別のポジションを提案されたときも、あらためて聞いておくと安心です。
ケース面接は何回目の面接で出ますか?
面接によって違います。面接は2〜3回で、回数は応募部門によって異なります。経歴の質問に多くの時間を使う回もあれば、始まって5〜10分でケースに入る回もあるので、どの回でも出る前提で準備しておきましょう。
アクセンチュアのケース面接の過去問はありますか?
アクセンチュアが紹介している出題例には、買収した企業の価値と収益の向上に悩む小売事業者のケースがあります。ネット上の過去問リストと同じ問題が出る前提で答えを覚えても役に立ちません。売上向上、利益改善、市場規模と施策、新規事業といった型ごとに、自分で前提を置いて解く練習に使いましょう。
フェルミ推定は出ますか?
市場規模を推定してから施策を考える形は、コンサルのケース面接でよく使われる出題の一つです。出した数字を施策の議論に使う練習をしておけば、推定単独の問題にも対応できます。
コンサル未経験でも対応できますか?
対応できます。ケース面接は、解き方の型を覚え、相手をつけて議論に慣れておけば、コンサル未経験でも準備が間に合う選考です。前職の業界の知識は考察の材料になるので、未経験の人にとってはむしろ強みになります。
紙やホワイトボードを使って説明してもよいですか?
使ってかまいません。アイデアを説明するときは、必要に応じて紙やホワイトボードで図を示すほうが伝わります。オンラインの場合は、紙をカメラに向けるか画面共有を使うかを、ケースが始まったときに面接官に聞いておくとスムーズです。
まとめ
アクセンチュアのケース面接は、主にコンサルティング職種の選考で行われ、経歴を聞く面接の途中から始まることもあります。実施の有無はポジションによって違うので、応募するポジションで出るかどうかを確かめたうえで、どの面接でも出る前提で準備しておくのが確実です。
面接では、面接官をクライアントと見立てて質問し、お題の中の前提を拾い、影響の大きい論点に絞って説明する力が見られます。指摘を受けたあとに考えを直せるかも評価の対象です。解き方の型を身につけたうえで、前職の経験を生かした練習と、相手をつけた模擬面接を重ねておけば、本番でも落ち着いて議論を進められます。
アクセンチュアのケース面接を受ける人におすすめの転職エージェント
アクセンチュアのケース面接に向けて模擬面接や応募書類の添削を受けたい場合は、コンサル転職を扱う各社の支援内容を比べてみてください。








