戦略コンサルティングファームを中心として様々な企業でケース面接が用いられています。ケース面接は受験者の論理思考力や問題解決力を評価しておりますが、ケース面接を突破する上で重要なのかフレームワークです。
フレームワークはビジネス上の課題を整理し、抜け漏れなく解決策を導くための「型」のような役割を果たします。
本記事ではフレームワークの重要性や実際の面接で絶対に抑えておくべき頻出のフレームワークについてご紹介します。
「フレームワークを使いこなす自信がない」「どう練習したらよいのかイメージできない」という方は、本記事でしっかりと学習しましょう。
ケース面接とは
ケース面接は、受験者に実際のビジネスシーンに近い課題を提示し、その問題をいかに短時間で論理的に整理・分析し、解決策を導くかを評価する面接手法です。
例えば「製品Xの売上を伸ばすにはどうすべきか」といったテーマが与えられ、受験者は与えられた情報や仮定に基づいて、問題の本質を見極めながら、仮説立案、分析、結論提示というプロセスを実践します。
ケース面接では、正解の有無よりも、受験者の論理的思考過程やコミュニケーション能力、そして課題に対するアプローチの柔軟性が重視されます。面接官は、どのように情報を整理し、どの部分に注力するか、また追加情報をどのように引き出しながら仮説をブラッシュアップしていくのかを観察します。したがって、単に答えを暗記するのではなく、思考のプロセス自体をしっかりと身につけることが求められます。
フレームワークとは
フレームワークとは、複雑なビジネス課題を「抜け漏れなく、重複なく」整理するための型(ひな型)です。
ビジネス上の課題を整理し、論点を構造化するためのツールとして、フレームワークは数多く存在します。有名なものだとマッキンゼーの7SやBCGのPPM分析が有名です。
戦略策定、マーケティング、コスト分析、組織分析など、用途に応じて適切なフレームワークを使い分けることで、情報の整理が容易になり、納得感のある結論にたどり着きやすくなります。
ケース面接では、限られた時間内で正確に思考のプロセスを伝える必要があるため、フレームワークを活用することで重要なポイントを漏れなくカバーすることができます。
ただし、フレームワークはあくまで思考のフックとしての手段であり、何も考えずに使うと機械的な回答にとどまってしまいます。重要なのは、状況に合わせて本質的な論点を解くための手段やロジックの整理としてフレームワークを使うことが有効です。
ケース面接でフレームワークを有効に活用する方法
仮説構築や施策検討時のアイデアのフックとしての活用
フレームワークは、複雑な問題を体系的に分解し、各要素に注目するための「ひな型」として機能します。これにより、どの論点に注目すべきか、またどこに仮説を立てる余地があるかのフックになります。
ケース面接では、短時間で多くの仮説や施策の候補を出す必要があります。
他の施策は?と面接官に聞かれたときは例えば4Pを用いれば、すでにプロダクトに関する課題・打ち手を話したのであれば、チャネルやプロモーションに関する課題や打ち手はないか?といった観点で思考を巡らせ施策を考えていくことができます。
自分の仮説が正しいことを論理的に証明するための手段としての活用
フレームワークを用いて、どのように仮説にたどり着いたのか、そのプロセスを具体的に説明することで、自分の仮説が単なる直感ではなく、論理的な根拠に基づいていることを明示できます。
これまで何名もの方のケース面接対策を支援してきましたが、ケース面接でよい施策は思いついたけどそれに至った経緯をロジカルに説明できない人がかなり多いです。考えた施策・アイデアが妥当であることを証明するためにもフレームワークは有効です。
ケース面接でフレームワークを使った実際の回答例(4P)
「ゴルフの競技人口の向上施策を考えてください」というお題を想定し、フレームワークで施策の幅だしを行う例をご紹介します。
例えば施策の幅だしで使われている4Pというフレームワークを使うといろいろな施策を考えることができます。
Product
Productの観点では、ゴルフという競技自体の魅力がないことが課題となり特に若者を中心としたゴルフ離れが進んでいるといった課題があると考えます。ゴルフはスポーツの性質上、外から見ていると面白くなさそうなスポーツですが、一度やってみるとハマった経験のある人は多いのではないでしょうか。
Place
Placeの観点では、ゴルフをするために必要な車などの交通手段がないため続けることができないといった課題感がある可能性があります。特に若者の車離れやシニア層の免許返納が進んでいる中でゴルフ場に行く手段がないからゴルフを続けられないといった人は多いと思っています。
Promotion
Promotionの観点では、ゴルフという競技に触れてきた人が少ないことが課題としてあると思っています。昔は会社のつながりでゴルフに触れたり、テレビ中継でゴルフ番組を見るといったことが良くあると思います。一方近年は会社でのそういった行事は減ってきていますし、youtube等別のメディアの台頭によりゴルフに触れあう機会が少なくなっているといった原因はありそうです。
Price
Priceの観点では、ゴルフを始めるためにはクラブやウェア等をそろえる必要があり初期費用がかなり掛かるといったハードルがあります。特に若年層はそこがハードルとなりゴルフに興味があるができていないといった人は一定いるのではないでしょうか。ゴルフの魅力を知り自分でクラブを買えるようになるまでレンタルセットの貸し出し等は有効な施策となりうるでしょう。
フレームワークを使う際の注意点
フレームワークをそのまま口に出さない
面接官にはフレームワークを嫌がる方もいます。「3Cで考えると~」といったプレゼンをすると非常に違和感があり良い評価をもらえない可能性があります。単に丸暗記した型をそのまま口に出すのではなく、あくまで自分の思考のフックとして活用することが重要です。
あくまでも思考のフックや整理のためのツールとして活用する
フレームワークは、施策・アイデアを考えるためのフックや複雑な課題を整理しするためのツールとして使います。あくまで自分の思考をサポートするツールとして捉え、フレームワークにとらわれず状況に合わせて柔軟にカスタマイズしましょう。
課題解決の本質を常に考える
フレームワークだけで問題を解決することはできません。最終的には問題の本質がどこにあるのかを自らの頭でしっかりと捉えることが大切です。この課題を深くとらえる力が戦略コンサルティングファームでは高く評価されます。表面的な整理に終始せず問題の本質に向きあい必要に応じてフレームワークを適宜使っていきましょう。
代表的なフレームワークの活用事例
3C分析
3C分析は、ビジネス環境を「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つのCで分析するフレームワークです。市場のニーズや規模、競合の動向、自社の強み弱みなどを整理し戦略策定の検討の土台となります。ケース面接でも頻出の基本フレームワークです。
ケースでの使用例
例えば新規市場への参入ケースでは、3Cを用いて市場の成長性(Customer)、競合他社のシェアや戦略(Competitor)、自社の技術やブランド力(Company)を分析し、参入可否や成功するための要諦を検討します。
4P分析
4P分析は「マーケティング・ミックス」とも呼ばれ、マーケティング戦略を構築する際に「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販促)」の4つの要素で検討するフレームワークです。4つの観点で抜け漏れなく施策を整理でき、製品コンセプトから価格設定、流通チャネル、販促まで一貫した戦略立案が可能になります。
ケース面接では最も使えるフレームワークですので必ず押さえておくことをおすすめします。
ケースでの使用例
代表的な売上向上施策のケースでは施策の幅だしに4P分析で考えます。製品の機能や品質に問題がないか(Product)、価格設定は適切か(Price)、販売チャネルは十分か(Place)、宣伝や販促が効果的か(Promotion)を分析し、改善策を立案します。
アンゾフの成長マトリクス
アンゾフの成長マトリクスは、経営学者イゴール・アンゾフが提唱した成長戦略策定のフレームワークです。自社の「製品(またはサービス)」と「市場」をそれぞれ既存か新規かでマトリクス上に分類し、4つの戦略(市場浸透、新製品開発、市場開拓、多角化)に整理します。
自社が成長するための方向性を体系的に考える際に有用で、リスクの低い既存市場・既存製品でのから、高リスクな新規市場・新規製品への多角化まで選択肢を俯瞰できます。
ケースでの使用例
例えば国内市場が頭打ちになった飲料メーカーが成長策を検討するケースでは、アンゾフの4つの戦略に沿って選択肢を整理できます。既存の主力飲料を海外など新市場に投入する(市場開拓)か、新たなドリンクを開発して既存の国内顧客に売り込む(新製品開発)か、といった具合に市場軸と製品軸の組み合わせで網羅的に方向性を検討し、それぞれのリスクとリターンを比較します。
SWOT分析
SWOT分析は、企業や事業の置かれた状況を内部要因(自社のStrength:強み、Weakness:弱み)と外部要因(Opportunity:機会、Threat:脅威)の4つに分類して評価するフレームワークです。内部環境と外部環境の両面から現状を俯瞰でき、強みを活かし弱みを改善しながら、外部の機会を捉え脅威に備える戦略立案に役立ちます。
ケースでの使用例
例えばシェア1位のスーツメーカーの売上拡大策を検討するケースでSWOTを用いると、まず自社のブランド力や品質の高さといった強み、デザインの硬さや価格帯など弱みを洗い出します。同時に、市場のフォーマルウェア需要の増加といった機会や、カジュアル化によるスーツ離れという脅威を整理します。こうしたSWOTの整理を通じて「強みを生かして新商品を投入する」「脅威に備えてカジュアルラインを開発する」など具体的な施策を導き出します。
因数分解
因数分解は、問題や指標を構成要素に分解する思考法です。ビジネスでは、売上・コスト・利益といった数値を数式で細かく分解(例:売上 = 客数 × 客単価)したり、原因や要素をツリー状に整理したりすることで、課題の構造を明らかにします。MECE(モレなくダブりなく)の原則に沿って分解することで、抜け漏れのない分析が可能になります。
因数分解はケース面接における問題解決の基本であり、ほぼすべてのケースで使えるためこれも押さえておきましょう
ケースでの使用例
例えば飲食店の売上向上策を考えるケースでは、売上を因数分解して要因を洗い出します。売上 = 客数 × 客単価 に分解し、さらに客数は商圏人口 x 飲食店利用率 x 頻度 x 当社の選択率といった具合に細分化します。こうすることで売上低迷の原因が「来店客数の不足なのか、客単価の低さなのか」を特定でき、それぞれに対して集客施策やアップセル施策など具体策を検討できます。
AIDMA
AIDMA(アイドマ)は、消費者の購買プロセスを5段階で表すフレームワークです。人が商品を購入に至るまで、「Attention(注意喚起)」「Interest(興味関心)」「Desire(欲求喚起)」「Memory(記憶保持)」「Action(購買行動)」の順に心理が変化すると仮定します。マーケティング施策の効果を段階ごとに分析でき、どのフェーズで顧客が離脱しているかを把握するのに役立ちます。
ケースでの使用例
例えばスマートウォッチの売上向上策を検討するケースでは、AIDMAに沿って購買までの過程を点検します。まず商品自体の認知度(Attention)は十分か、次に機能やデザインに興味(Interest)を引けているか、購買欲求(Desire)を刺激できているか、記憶(Memory)に残るブランドメッセージがあるか、と段階を追って分析します。これにより「認知が低いためそもそも検討リストに入っていない」といったボトルネックを発見し、適切なマーケティング施策(例:広告投下)に繋げられます。
PPM分析(BCGマトリクス)
PPM分析(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、1970年代にボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が提唱した、自社の事業や製品群を分析するフレームワークです。市場の成長率と自社の市場占有率(相対的シェア)の2軸で事業をマトリクス分類し、「花形(Star)」「金のなる木(Cash Cow)」「問題児(Question Mark)」「負け犬(Dog)」の4区分に整理します。各事業への資源配分の優先度を判断する際に有効で、成長市場かつ高シェアの事業には投資を厚く、一方で低成長・低シェアの事業は縮小を検討するといった意思決定に活かされます。
ケースでの使用例
例えば総合電機メーカーが複数の事業の投資優先順位を検討するケースでは、PPM分析によって各事業のポジションを評価します。ある事業が高成長市場でシェアも高ければ「花形」として積極投資の候補に、一方で成長が鈍くシェアも低い事業は「負け犬」と判断され、撤退を含めた見直し対象となる、といった具合に4象限への当てはめで戦略判断します。これにより限られた経営資源を効率的に配分する指針を得られます。
PESTLE分析
PESTLE分析(ペストル分析)は、マクロ環境を「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」「Legal(法規制)」「Environment(環境)」の観点で分析するフレームワークです。企業の外部環境にある大きな潮流や制約条件を整理でき、市場の将来性や事業への影響要因を俯瞰するのに役立ちます。特に新規市場への参入や長期戦略の策定時に、見落としがちな外部要因を網羅的に把握するために活用されます。
ケースでの使用例
例えば大手航空会社の成長戦略を検討するケースでは、PESTLE分析で外部環境を整理します。コロナ禍後の政府の旅行規制緩和や観光振興策(Politics)、世界経済の回復による航空需要動向(Economy)、旅行者の嗜好変化(Society)、航空技術の進歩(Technology)、航空業界の規制(Legal)、気候変動への対応プレッシャー(Environment)などを洗い出します。これにより「当面は国内需要や貨物で収益を支え、将来的に戻ってくる国際観光需要に備えて路線再編を行う」といった仮説を構築できます。
CAGE分析
CAGE分析は、海外進出戦略の立案で自国と対象国の隔たり(距離)を評価するフレームワークです。Cultural(文化的距離)、Administrative(行政的・制度的距離)、Geographical(地理的距離)、Economic(経済的距離)の4つの視点から両国間の違いを分析します。これによりターゲット国とのギャップを把握し、市場選定や参入時の戦略立案に役立てます。各距離が大きいほどビジネス習慣や規制の違い、物流コスト、購買力格差などの課題に直面する可能性が高く、それを踏まえた対応策を検討できます。
ケースでの使用例
例えば日本の大手製菓メーカーが海外進出を検討するケースでは、進出候補国とのCAGE分析を行います。文化面では現地消費者の味の嗜好や購買習慣の違い(Cultural)、制度面では食品に関する規制や関税(Administrative)の違い、地理面では輸送距離や物流インフラ(Geographical)の課題、経済面では所得水準や流通コスト(Economic)の差異などを洗い出します。これにより「現地の味に合わせた商品開発が必要」「現地生産拠点の設置で物流コストを抑制」など、進出戦略上考慮すべき論点を整理できます。
ファイブフォース分析(5 Forces)
ファイブフォース分析は、経営学者マイケル・ポーターが提唱した業界の競争環境分析フレームワークです。特定業界の収益性や競争の激しさを左右する5つの要因、「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」「顧客の交渉力」「供給者の交渉力」「競合他社間の競争強度(業界内の敵対関係)」を網羅的に評価します。新規参入の容易さや代替品の存在などから業界の魅力度を測ることができ、自社の戦略立案において参入可否や差別化ポイントを検討する材料となります。
ケースでの使用例
例えばスマートフォン製造業界への新規参入を検討するケースでは、ファイブフォース分析によって業界の魅力を評価します。参入障壁の高さ(新規参入者の脅威の低さ)や主要部品メーカーによる供給支配(供給者の交渉力の強さ)、消費者のブランド志向(顧客の交渉力の傾向)、代替となる他の通信手段の存在(代替品の脅威)、既存スマホメーカー間の価格競争の激しさ(競合間の競争強度)などを分析します。これら5つの力の評価から業界収益性を見極め、参入戦略の是非や競争上の課題を判断する材料とします。
STP分析
STP分析は、自社の商品・サービスの狙う市場を明確にするマーケティングフレームワークです。市場を顧客の属性やニーズで細分化するSegmentation(セグメンテーション)、魅力度や自社適性を基に標的市場を決めるTargeting(ターゲティング)、選んだ市場で自社の立ち位置(提供価値)を定めるPositioning(ポジショニング)の3ステップから成ります。STPにより「誰に売るか」と「どんな価値で選ばれるか」を整理でき、効果的なマーケティング戦略の核を築けます。
ケースでの使用例
例えば新発売の健康飲料のマーケティング戦略を立案するケースでは、STP分析を用いて戦略の方向性を定めます。まず市場を年齢層や健康志向度合いで細分化(Segmentation)し、「20〜30代の健康志向の高い層」を狙うと決めます(Targeting)。そしてそのターゲットに対し「手軽に栄養補給できるスタイリッシュなドリンク」と位置づける(Positioning)ことで、競合商品と差別化されたメッセージを打ち出します。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、企業の事業活動を一連の価値創出プロセスに分解して分析するフレームワークです。ポーターにより提唱され、調達・物流・製造(オペレーション)・販売・マーケティング・サービスなどの主活動と、管理基盤・人事・技術開発・購買などの支援活動に区分します。各工程でコスト構造や付加価値の源泉を把握することで、効率化によるコスト優位や、特定プロセスでの差別化機会を見出せます。コスト削減策の検討や自社の強み分析に有用です。
ケースでの使用例
例えば製造業で利益率改善策を検討するケースでは、バリューチェーン分析で工程別にコストと付加価値を洗い出します。調達コストの高さや生産工程の無駄、物流の非効率などを各段階で検証し、どこに改善余地が大きいかを特定します。例えば「調達先の見直しで原材料費を削減」「製造ラインの自動化で効率向上」といった施策が、バリューチェーン上の分析から導かれます。
マッキンゼーの7S
マッキンゼーの7Sは、組織の内部要因を総合的に分析するフレームワークです。7つの要素、すなわちStrategy(戦略)、Structure(組織構造)、Systems(業務プロセス・システム)、Shared Values(共有価値観・理念)、Skills(組織のスキル・強み)、Style(経営スタイル・社風)、Staff(人材)から成り立ちます。7Sでは各要素が相互に影響し合うと考え、組織変革や戦略実行の際に何が阻害要因になっているか、どの要素を強化・整合すべきかを明らかにします。組織診断や体制整備に有用なフレームワークです。
ケースでの使用例
例えば伝統的なメーカーがDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めようとしてもうまくいかないケースでは、7Sで組織内部を点検します。Strategy(戦略)としてDX推進を掲げていても、現場のSkills(デジタル技術のスキル)が不足していたり、古い業務プロセス(Systems)が障壁になっていたりするかもしれません。またShared Values(共有価値観)として変革を良しとする文化が根付いているか、Staff(人材配置)は適切か等も診断します。こうした分析から、人材育成や組織構造の見直しなど、実行力を高める施策を導けます。
VRIO分析
VRIO分析は、自社の資源や能力が持続的競争優位となり得るかを評価するフレームワークです。各リソースや強みについて、Value(価値があるか)、Rarity(希少か)、Imitability(模倣困難か)、Organization(経営資源を活用する組織体制が整っているか)の4観点でチェックします。全て満たす資源は長期的な競争優位の源泉となり得ます。SWOT分析で把握した強みをさらに精査し、どの強みに注力すべきかを見極める際などに用いられます。
ケースでの使用例
例えば新興のIT企業が自社の競争優位を分析するケースでは、VRIOを使って主力サービスのコア技術を評価します。そのアルゴリズムがユーザーに価値を提供しているか(Value)、競合他社が持っていない独自性があるか(Rarity)、真似が難しいか(Imitability)、そしてそれをビジネスに活かす組織体制が整っているか(Organization)を点検します。仮に優れた技術があっても組織体制が不十分なら十分に活かせないことがわかり、組織強化が課題と判明するといった具合に、強みの真の競争力を見極めるのに役立ちます。
フレームワーク学習の効果的な進め方
基本を本やオンライン教材で習得
ケース面接対策の定番書籍を利用し代表的なフレームワークのインプットをしていきましょう。特に、自分がどの場面でどのフレームワークを使うかイメージできるようになるのが大事です。
フェルミ推定・ケース面接のおすすめの書籍はこちらで紹介しています。ここで紹介されている書籍でもフレームワークや使い方を学ぶことができます。


模擬面接で実践的なアウトプットが重要
フレームワークを知識として覚えていても、実際に使わないと本番でスムーズに適用できません。有料のケース面接対策サービスなどを有効活用し実践的な形でフレームワークを使うことでケース面接で通過するための思考プロセスやフレームワークの使い方を学ぶことができます。
有料のケース面接対策講座はこちらで紹介しています。

また転職エージェントもケース面接対策をやってくれます。担当者により当たり外れがありますが、過去問をもらえるなどメリットがあります。エージェント選びはかなり大切です。こちらの記事でおすすめの転職エージェントを紹介しています。

フレームワーク暗記は一定効果あり
ケース面接は、単に正解を求める試験ではなく、受験者の論理的思考力、問題解決能力、そしてコミュニケーションスキルを総合的に評価する場です。ここで紹介したフレームワークは、各論点を抜け漏れなく整理し、効率的に分析を進めるための「型」として大変有効です。
しかし、暗記したフレームワークをそのまま機械的に当てはめるのではなく、ケースごとに柔軟にアレンジし、自分の仮説を裏付けるための材料として活用することが重要です。
3カ月の徹底攻略で戦略コンサルに内定したいならStrategy Academyがおすすめ
ケース面接対策は独学でもできますが、時間がかかる上に実際に合格レベルにいるかどうかを自分で確認することは実際難しいと考えています。
仕上がっていない段階で受けてしまい全落ちしてしまう方がほとんどです。
もし「MBBをはじめとする戦略コンサルに挑戦してみたい」「ケース面接対策に不安がある」と思っている方は実際に面接を通過した経験のある人にマンツーマンで見てもらうことで正しいやり方を学び内定レベルのアウトプットと自分の距離感を理解することが重要です。
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