コラム

戦略コンサルの再受験はできるのか?一度受けたら二度と受けられないは本当?

戦略コンサルティングファームの内定率は1%といわれている中、ほとんどの人は全落ちで終わってしまっている状況です。そんな中でどうしても戦略コンサルティングにいきたいとい、リベンジしたいという人はいると思います。

本記事ではコンサルティングファームの再受験のルールや実際の再受験成功事例などを含めどのようなキャリア戦略を取っていくべきかについて解説します。

公式の戦略コンサルの再受験可否ルール

各戦略コンサルティングファームには、再受験の可否や再応募までの間隔に関する公式なルールが存在します。たとえば、マッキンゼーは「2年以内の再応募は受け付けない」という明確なガイドラインを設けています。他のファームでも、一定期間(1~2年程度)を空けるよう求めている場合が少なくありません。

これらのルールは、「一定期間後ならまっさらな状態で審査してもらえる」という印象を与えがちです。しかし、現実には、前回不合格だった受験者に再度時間を割いて面接を行うことは、ファーム側にとって大きな投資です。そのため、単純に期間が空けばOKというわけではなく、再応募者が「前回とは違う、新たな強み」を明確に示せるかが重要になります。

実態として戦略コンサルの単なる再受験は厳しい

ファームが「2年後に再応募可能」と明示していても、その2年間で受験者のスキルや経験が変わっていなければ、再び門前払いされるのが実情です。なぜなら、不合格になった原因(たとえばロジカルシンキングの不足、専門性の欠如、リーダーシップの弱さなど)は、何も手を打たなければ2年後も改善されていないとみなされるからです。

つまり、「時間をおいたからもう一度試してみよう」という消極的な再挑戦は厳しい結果を招きやすいといえます。戦略コンサル側は、再受験者には前回との比較で「劇的な成長」を期待します。同じ職場・同じ立場でただ年数が経過しただけでは、不合格時の評価を覆せないのが現実です。

再受験で合格した事例

再受験で成功するには、前回の不合格時から明確な成長や変化を示すことが求められます。ここでは、実際にキャリアを戦略的に変更し、再挑戦で内定をつかんだ2人の事例をご紹介します。

事例1:SIer出身から総合コンサル経由でMBBへ

Aさん(当時25歳)は、大手SIerでシステム開発プロジェクトに携わっていました。新卒で戦略コンサルを受験した際は全落ち。

そこでAさんは一旦戦略コンサルをあきらめ、総合コンサルティングファームへ転職。ここで約2年間、実際に戦略に近いプロジェクトを経験した後、MBBに再挑戦したところ、過去の経験やケース面接でのパフォーマンスを高く評価され、見事内定を獲得

事例2:金融機関からMBA取得で再挑戦しMBBへ

Bさんは大手金融機関に勤めていたものの、新卒・第二新卒と2度にわたって戦略コンサル全落ちを経験しました。数年働いた後Bさんは海外MBAプログラムへの留学を決断。
MBA在学中にケース面接対策をやりこんだり様々な企業のインターンに参加。帰国後、MBBに再度エントリーした結果内定を獲得

これらの例からわかるように、キャリアやスキルセットを変えることで、「前回と別人」と思わせるだけの成長を示せば、再受験でも合格可能性は高まります。

再受験のためには大きくキャリア変更が必要

結局のところ、再受験で内定を勝ち取るためには、前回不合格になった自分とは別人と思えるほどの成長や変化を示す必要があります。単なる時間経過や、同じ環境での小さな昇進では足りないのが厳しい現実です。

海外MBA取得、異業種への転職、専門領域での顕著な成果、あるいは他のコンサルファームでの成功など、ファーム側が「確かにこの人は変わった」と判断できる材料を用意しましょう。第一志望の戦略コンサルに落ちてしまっても、第二・第三志望のコンサルティングファームや事業会社で経験を積むことは、再受験時に大きなアドバンテージになります。