戦略コンサルで英語はどれくらい必要？求められるレベルと対策方法を徹底解説

 

 

戦略コンサルティングファームはグローバルに展開しているファームが多く、海外案件やグローバルプロジェクトを多く手掛けています。こういったグローバルプロジェクトでは海外のクライアントや現地スタッフと協業していく必要があるため、英語力が重要なスキルとして求められます。

本記事では、戦略コンサルファームで英語がどれほど必要とされるのか、ファームごとの英語面接の違いや具体的な業務シーン、昇進要件としての英語力、などを詳しく解説します。英語が苦手でも合格の可能性はあるのか、あるいは英語力が大きな武器となるのか、戦略コンサルを目指すうえで知っておきたいポイントを押さえておきましょう。

戦略コンサルの入社時・面接において必要な英語力

戦略コンサルは世界的な企業の経営課題を扱うため、外資・日系問わず英語力が高いほうが有利な場面が多いです。特に外資系ファームの場合、社内のコミュニケーションや会議が英語で行われるケースが普通にあり、クライアントも海外拠点や外資系企業が中心となると英語の読み書き・会話が欠かせません。
私自身入社直後の研修はグローバル共通で行われるため、英語を使う必要がありかなり驚いた記憶があります。

一方で入社時点では英語力をそれほど必要としていないファームが多いです。各社選考においてどの程度英語力が求められるのか押さえておくことで志望企業や転職活動の進め方の参考になると思います。

マッキンゼーでは英語面接が必須となっている

マッキンゼーでは社内でも海外メンバーとの協働が日常なため、全体の面接回数中1～2回の英語面接が実施されます。ここでは、流暢さだけでなく、英語で論理的にケース面接を行う必要があり他ファーム同様、ビジネス課題を構造化し仮説を提示できるかが重視されます。

どれだけTOEICやTOEFLで高スコアを持っていても、ロジカルシンキングが弱いとマッキンゼーでは高評価に繋がりにくい傾向があります。むしろ英語力は入社後に鍛えればよいとされており、入社前にGBCの点数が一定以上等ある程度の制約はありますが、必ずしも面接において高い英語力が必要というわけではありません。

ATカーニーは書類選考でVersantを実施

ATカーニーは書類選考の段階でオンラインによる英語スピーキングテストであるVersantが出題されますこれは面接に進む前に一定レベルの英語コミュニケーションができるかを判定する仕組みです。

英語面接のように面接官との対話ではなく、アプリ上で表示された質問への回答をオンラインプラットフォームを通じた形式でチェックされます。流暢さ、発音・アクセント、ボキャブラリーなどを総合的に見られます。

ATカーニーの面接突破には47点程度が必要といわれており、早慶レベルの受験を突破した人であればある程度対策をすれば通過するレベル感であるといえます。

不安な方はVersantの公式ページから自分で応募すると点数がわかるため事前に受けてみることをおすすめします。もし苦手だったとしてもVersantは裏ワザ的な方法があるため普通に対策すれば十分通過する点数は取ることが可能です。

他ファームでは入社時に英語はほとんど求められない

その他のファームについては入社時点ではほとんどのファームで英語力をチェックされません。(一部面接官や求職者のバックグラウンド、ポジションに応じて求められるケースも存在します)
基本的にファームの方針としては英語力がそこまで高くなくても、業界知見や地頭力などその他の要素を重要視しています。

一方ファームがグローバル化を加速させている背景から入社後にグローバル案件にアサインされる場面は十分考えられます。私も英語が苦手な状態で入社し海外案件にアサインされた時は絶望しました。
また入社後の研修はグローバルで行われるため英語を使う機会はたくさんあります。
入社当初は英語が必要なくても、数年後の昇進やプロジェクトアサインで英語を使う必要が出てくることを踏まえれば、早めに英語力を高める努力をしておくことが賢明です。

戦略コンサルの実務で求められる英語力

戦略コンサルティングの現場では、グローバルな案件や国内外のクライアントとの連携が進む中、英語力が重要なスキルとして位置づけられています。
実際の戦略コンサルティングファームで働く中で実務で求められる英語能力について整理しました。

同僚と会話できるレベルがあるとかなり良い

新入社員研修やチームビルディングの場では英語で海外オフィスのコンサルタントとディスカッションする必要があります。自分以外全員日本語を話せない人の中でアウトプットを出していく必要があるケースもあるため、最低限の英語力は必要です。ただしあくまでも研修であるため、英語が全くできないことを理由に全く会話に参加せず過ごす人もいます。

読み書きの能力は必要だがAI翻訳で代替可能

国内案件であっても、英語のメールやレポート作成、資料作成は日常的に発生します。クライアントの取引先がグローバル企業であったり、海外の最新情報を参照するケースも多いため、読み書きの能力は必要です。一方最近はAI翻訳等が充実しているため正直能力としてはそこまで必要ないというのが実態です。
実際に英語が全く使えない人はDeepLやOtterを使って乗り切っている人もいます。

エキスパートインタビューを英語でやる可能性はあり

戦略コンサルティングファームの仕事では知見を持ったエキスパートから情報を得るためにエキスパートインタビューを行います。その際に国内に知見を持った人がいないケースもまれに存在し、そういった場合には英語で海外のエキスパートとコミュニケーションを取る必要があります。
事前に質問事項は決まっているため、メモをしっかり作り込んで臨めばやり過ごせますが深ぼって聞きたい場合や議論が複雑化した際にある程度の英語力を持っているとかなり有利です。

グローバル案件に入れる英語力があるとかなり有利

グローバル案件に入れるレベルの英語力があると社内でも重宝されます。英語ができる人材はそれほどいないためアサインのチャンスも広がりますし、キャッチアップスピードも英語力の良しあしでかなり変わります。
特に戦略コンサルティングファームでパートナーレベルまで上り詰めている人はMBAを持っていたり等高い英語力を持っている人が多いです。

昇進で英語力が必要

一部ファームでは入社時には英語は求められないが昇進時に英語力が求められるケースがあります。例えばBCGではマネージャー昇進においてGBCのスコアが一定以上ないと昇進ができないといったルールが存在しており、かなり厳格に運用されているため入社後にしっかりと英語学習をしていく必要があります。

戦略コンサルティングファームで用いられている英語資格

GBC (Global Business Communication)

マッキンゼーやBCGで使われているのがGBCという英語テストです。これはビジネスで通用する英語力を測る試験であり、単なる語学力だけでなくロジカルシンキングやプレゼンテーションスキルなど、総合的なコミュニケーション能力がチェックされます。
戦略コンサルのような短時間で問題を構造化し相手に伝える仕事と同様の能力がGBCでも評価されます。

マッキンゼーでは入社時にGBCの点数が、BCGでは昇進時にGBCの点数が一定以上求められます。

Versant

ATカーニーでは書類選考時にVersantが求められます。
Versantはオンラインで実施され、発音、流暢さ、語彙、文法、聴解力といった要素を自動的に採点する仕組みとなっています。そのため、短時間で総合的な英語コミュニケーション能力を測定でき、基準点に達しなかった応募者は次の選考ステップに進むことができません。

必要点数は47点程度といわれており、ある程度英語学習をしてきた方であれば取れる点数だと考えています。
自分でVersantを受験することもできますので、何度か受けてみて自身がついたら応募してみる進め方がおすすめです。
>>Versantの申し込みはこちら

各戦略ファームの入社後英語研修

マッキンゼー

入社後、全社員が利用できるオンライン英語研修補助制度やEラーニングコンテンツを通じ、グローバル案件対応力を高めるための自主的な英語学習環境が整備されています。
また海外オフィスへの転勤やMBA制度も充実しています。

>>マッキンゼーの研修制度

BCG

BCGでは英語力向上のため様々なトレーニングプログラムが用意されています。
特にLAB Learning Portal等のプログラムに加え、GBCの対策講座やプログリッドの受講などを受けることができます。
また入社後、数年おきに海外研修が用意されておりグローバルでの研修プログラムに参加することができます。

ベイン

ベインについても語学力だけでなく、キャリア全般をサポートする体制が整っています。

>>ベインの研修制度

ATカーニー

ATカーニーもBCGと同様ランク別研修として海外オフィスの同僚と研修を受けるプログラムが用意されています。
加えて自学自習のためのテーマ別研修も用意されており語学だけでなく様々な内容をキャッチアップできます。

>>ATカーニーの研修制度

ADL

ADLも海外留学制度や語学トレーニング研修制度が用意されています。

>>ADLの研修制度

ローランドベルガー

ローランドベルガーも入社直後のキックオフトレーニングに加え、OJTやその後の定期的なトレーニングがあります。また入社時には英語力は不要であると公式HPでも言われており、入社してから力をつけていけばよいとされています。

>>ローランドベルガーの研修制度

 

英語力が高いことが活きるキャリアパス

英語を自在に使いこなせると、戦略コンサルファーム内でのキャリアパスにおいて大きく活躍の場を広げることができます。単に海外案件の数が増えるだけでなく、ファーム全体の経営やグローバル戦略に直接関わるようなポジションへのチャンスが大きいです。ここでは、英語力が高いことで得られる具体的なメリットをいくつか挙げてみます。

社内での引き合いが増え昇進に有利

戦略コンサルファームには、海外拠点や海外のクライアント企業と連携するグローバル案件が数多く存在します。英語を苦手にしているコンサルタントは、どうしてもこうした国際案件に入りづらくなる一方、英語での会議やプレゼンテーションを難なくこなせる人材は、自然と引き合いが多くなります。リーダーとして活躍できれば、評価や昇進に直結しやすく、結果的にキャリアアップのスピードも速くなります。

海外トランスファーや留学制度に選ばれやすい

外資系ファームでは、数年の国内案件を経験したのちに海外オフィスへ異動し、グローバルな環境でさらに大規模な案件に携わるといったキャリアパスが用意されています。多くのファームではMBA留学や海外研修を支援する制度を設けているところもあります。英語力があると、こうした海外研修やオフィス異動の候補に選ばれやすく、より幅広い経験を積むことができます。

英語力の伸ばし方・効果的な対策

英会話スクールやオンライン英会話

周りを見ていると英会話スクールやオンライン英会話で英語力を伸ばしている人が最も多いです。忙しい社会人でも、オンライン英会話なら1回25分程度で毎日練習できるため、スピーキング力の底上げに適しています。

特にプログリッドやベルリッツの講座を受けている人が多く、これらはよりビジネスの実戦でつかえるような英語であるため成果が見えやすいことが特徴です。

英語のニュースを読み日常的に英語に触れる

マッキンゼーやBCGの英語公式サイトには、ビジネスや経営戦略に関するレポートが多く掲載されています。他にも日々発信されている英語ニュースを毎日読む習慣をつけておくことで、ビジネス用語やロジカルな言い回し、会話の組み立て方を学びリーディング速度も上げられます。

模擬面接で英語ケースを練習

マッキンゼーについては入社時の面接において英語面接が課されます。そのため日本語だけでなく英語で面接練習をしておくことがおすすめです。もし苦手なのであれば、日本語でスクリプトを作ったものを翻訳にかけて暗記してみることがおすすめです。
また、英語面接の経験がある面接官役をケース対策サービスなどを使って見つけてみることもよいでしょう。

英語が苦手だが戦略ファームを目指す人へのメッセージ

戦略ファームでの英語の必要性について解説しました。英語力が高ければ国内・海外問わず幅広いプロジェクトに携われ、キャリアの可能性も大きく広がります。
英語に自信がない場合でも、各ファームでは入社後にトレーニングプログラムがありますし、英語が不要な案件はたくさん存在しています。しかし、早期に英語力を伸ばしておくことで選考や入社後の昇進を有利に進められるのは間違いありません。

一方、戦略コンサルに入社することを目標とした場合に英語力を上げるのは非効率です。面接の評価の多くはケース面接で決まることが多く、このケース面接をいかに突破するかが重要です。

ケース面接対策は独学でもできますが、時間がかかる上に実際に合格レベルにいるかどうかを自分で確認することは実際難しいと考えています。
仕上がっていない段階で受けてしまい全落ちしてしまう方がほとんどです。

もし「MBBをはじめとする戦略コンサルに挑戦してみたい」「ケース面接対策に不安がある」と思っている方は実際に面接を通過した経験のある人にマンツーマンで見てもらうことで正しいやり方を学び内定レベルのアウトプットと自分の距離感を理解することが重要です。

Strategy Academyでは、MBB出身コンサルタントのマンツーマンレッスンにより内定まで伴走支援をします。

• 独実テキストにより内定直結する内容を効率的に学べる事
• MBB出身コンサルタントのマンツーマンレッスンが受けられること
• 実際に合格レベルにあるかどうかを判定してもらえること

Strategy Academyでは3カ月の徹底攻略で戦略コンサル内定レベルのケース面接力を手に入れることができます。
対策していく中で分からない点や不安な点があればチャットでいつでも解決することができます。
「戦略コンサルティングファームに内定したい」と本気で思っている方はStrategy Academyを是非活用してみてください。